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【コラム】マーメイドはひとりで躍る vol. 11

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vol.11

パソコンの仕様上、◯の中に入る数字が10までだったので、今回からvol.とつけることにしました。


大学最後の夏休みも、いよいよフィナーレ。
もうこれほどまで長い夏休みを過ごすことができなくなると思うと、少し寂しい。


今日私は、雨が止んだタイミングを見計らって、靴を新しく買うことにした。

寂しいことに、コロナに関わらず友達にご飯などに誘われることもそうそう多くはないので、特段大きな用事以外は基本外に出ないし、そのせいもあってかおしゃれには全くと言っていいほど興味がない。
だからどのようなシチュエーションであっても基本的には靴は同じものを通しで履き続けるし、そのせいか1年くらいで底がすり減ってダメになってしまうことが多い。今の靴も、一昨年の三田祭のあたりに買った記憶がある。これでももっている方だ。


自宅から最寄りの駅に続く商店街の中に個人経営の靴屋が昔あったのだが、いつかは忘れたが数年前に閉店し、長らくテナント募集の状態だった。しかし久しぶりに外に出てその付近を歩いてみたら、新しいテナントが決まっていて、しかもほぼ開店間近であった。

あまりにも外に出ていないので、自分の近所の近況ですら、アップデートされずにずっと昔の情報に取り残されていたことに気付かされた。


思えば今年の夏は何回外に出たのだろう。
ワクチンを打つのに1回、友達とご飯を食べるので1回、野球観戦で1回、仕事で2回くらい、あと今日の靴の購入。

計6回が今の大学生の平均値と比べて多いのか少ないのかはわからないが、インスタグラムを見る限りかなり少ない方なのだろう。
このご時世だし、私も実家暮らしで一人暮らしほどフレキシブルに動けないご身分なので、致し方なしではあるが、とは言っても『人生最後の夏休み』にしては少し淡白な気がする


願わくば、夏休みがもっと伸びてほしい。エクストラステージなるものがあってもいいと思う。むしろ、今日までの期間はあくまでチュートリアルで、そこから先は自力で夏休みを楽しみ、開拓していく本編なのかもしれない。

そんなことを考えていたら、「夏休みってなんなんだろう」と余計に訳がわからなくなってしまった。でも、あながち間違いではないような気もする。

7, 8, 9月は、「夏休みだから」という口実で、さまざまなイベントが開催されていた。そこから先はその口実が使えなくなる。
ただ、「夏休みだから」という言葉が使えなくなったとしても、決して楽しんではいけないというわけではないし、休んではいけないというわけではない。「夏休みだから」という口実がなくても、自分の力で誰かを巻き込んで楽しみなさい、というメッセージなのかもしれない。もちろん会社や学校によって例外は様々だが、弊学に関して言えば、自分の好きなようにスケジュールを埋めることができるため、夏休み期間かそうでないかで変わるのは、その合間合間で授業が挟まれてしまうかどうかの問題だけな気もする。


幸いなことに私は、在学4年間で必要な単位数を全て取り切っている。
ゼミにも所属していないこともあって、友人や後輩などにこの話をすると決まって、「残りの期間ゼミもないのに何すんの?」と聞かれることが多々ある。

その答えは、まだ私の中で明確に決められているわけではない。インターンして、なんとなく興味のある授業をパパッと履修していたら、いつの間にか秋学期も終わって卒業しているのではないかと、思っている節もある。


もちろんそれでもいいのだが、なんだかそれだけでいいのかとも思えない。
「夏休み」というチュートリアルが終わり、noteに関して言えばやっと感覚とモチベーションを取り戻し始めている。意識的に人間とコミュニケーションをとり、こまめに目標を設定するという、当たり前だけど自分でもできるやる気の出し方をやっと身につけたのだ。たった6回しか外に出られなかったことも含めて、形の上では何もしていないのかもしれないし、楽しかったかどうかとはまた別の問題だが、大学最後、もしくは人生最後の夏休みらしく過ごせている気はする。それならば、本編もまたそのまま進んでいくのが筋なのかもしれない。

もちろんチュートリアルで身につけたスキルだけでは、本編をクリアすることはできない。残りの大学生活も同じだろう。時には装備をアップデートし、そしてプレイヤースキルも少しずつ上げていく必要がある。


そんなことを思いながら、「夏休みなので」靴を新しく買い替えた。
残りの大学生活、装備も新たに気持ちを切り替えて、ほどほどに「本編」を進めていく所存である。


今日はとっても楽しかったね。
明日はもっと楽しくなるよ。ね、〇〇太郎!

ーーー へけっ!!

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