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【箱根駅伝】区間エントリーを見て① 謎に包まれた東京国際大のエントリーも考察!

ごきげんよう、マーメイド侍です。

先日、箱根駅伝の区間エントリーが発表されました。今回は、各校の区間エントリーを見て思ったことや、変更予想をしていきたいと思います。

なお、いつもは各校4名まで(往・復4名まで)の当日変更が、今回は6名までに拡大(往・復4名まで)となっています。それでは、早速やっていきましょう。今回は前大会シード権を獲得した10校です。

1.青山学院大学

𠮷田圭太④ー中村唯翔②ー大澤佑介②ー脇田幸太朗②ー竹石尚人④
髙橋勇輝③ー近藤幸太郎②ー岩見秀哉④ー横田俊吾②ー中倉啓敦②
 
補欠
神林勇太④、新号健志④、松葉慶太④、飯田貴之③、湯原慶吾③、佐藤一世①

〇変更予想・・・3区神林、4区佐藤、9区飯田、10区新号

5区には竹石選手が入りました! 原監督のこれまでの発言はブラフだととらえていたのですが、なんだか当日も走りそうな予感してきましたね。よほど調子がいいととらえていいでしょうか。

全体的にみると、1区には𠮷田選手をもってきましたね。前回の7位よりも好位置でつなぎたい。エース区間2区には、全日本3区好走の中村選手がいざ勝負。3・4区はおそらく神林・佐藤選手で主導権を取りに行くでしょう。まさに「正攻法」のオーダー構成。

6区にはうわさ通り髙橋選手がいきそう。近年重要度が増している7区に近藤選手、8区に2年連続岩見選手を配置し、ここが復路の攻めどころか。飯田選手は、あまりイメージがわきませんが入るとしたら9区? 10区はハーフ62分台を持つ中倉選手と、最初で最後の新号選手、2年連続の湯原選手ら最後まで争いになりそう。原監督には珍しい「正面突破」を感じさせる布陣で連覇を狙います。

P.S. 僕の予想はそこそこ外れてしまいましたね。いまのところ、8区岩見選手当てられたのはうれしい。


2.東海大学 

市村朋樹③ー名取燎太④ー田中康靖③ー佐伯陽生①ー西田壮志④
川上勇士②ー佐藤俊輔②ー中嶋貴哉③ー長田駿佑③ー米田智哉④

補欠
塩澤稀夕④、本間敬大③、竹村拓真②、濵地進之介②、石原翔太郎①、𠮷井来斗①

〇変更予想・・・1区石原、3区塩澤、7区本間、8区濵地、10区竹村

市村選手が1区にエントリー。スピード面で魅力あるランナーですが、全日本での失敗もあり少し任せるのは怖いかな。いきなり塩澤選手の可能性もありますが、僕はルーキーの石原選手が来るんじゃないかと思います。両角監督の「1区からエース」発言を信じるなら塩澤選手ですが、個人的には2区名取選手、3区塩澤選手のならびのほうが脅威を感じます。4区にはルーキーの佐伯選手が入ってますが、相当伸びてきているのでしょう。5区にはもちろん西田選手入ってますし、往路優勝の有力候補であることは間違いありません。

復路で注目は長田選手。全日本6区区間賞の走りが記憶に新しいですが、9区に温存してきましたね。終盤勝負もにらんでいるか。間は基本的には駅伝経験の少ない選手たちでつなぐかたちになりそうですが、全日本5区で駅伝デビューした本間選手や10000m28分台を持つ濵地選手、また長距離での安定感が評価されている竹村選手など補欠に入っているメンバーの出番がありそう。総合優勝に向けては、往路優勝は必須、復路のつなぎは粘り、9区長田選手のところでもうひと勝負といったところでしょうか。

3.國學院大學

門田秀利④ー中西大翔②ー石川航平③ー藤村遼河④ー殿地琢朗③
島﨑慎愛③ー田川良昌④ー伊地知賢造①ー高嶌凌也④ー木下巧④

補欠
臼井健太④、河東寛大④、徳備大輔④、木付琳③、藤木宏太③、中西唯翔②

〇変更予想・・・1区藤木、3区木付、4区河東、7区臼井、10区徳備

國學院もいいオーダーが組めそうですね。おそらく1、3区が変更で、これは藤木選手1区とみてよさそう。前回の箱根でも仕掛ける場面を作っての区間2位と好走した國學院のエースですが、今回は、区間賞の筆頭候補と言えそう。2区にがっちり2本柱の中西大選手が入っていて、おそらく3区に木付選手でしょうか。4区も変更がありそうで、おそらくアップダウンにも強い河東選手の出番かな。ロード巧者の5区殿地選手も楽しみで、非常に充実した布陣に見えます。

國學院鬼門だった6区ですが、前回59分01秒で走っている島崎選手が再登板で、心強いスタートが切れそう。7区は今季復活の臼井選手がスピードを活かしてほしいですね。過去に殿地選手、蜂須賀選手などルーキーの起用が見られる8区は伊地知選手そのままかも。9・10区は4年生で締める國學院らしいオーダーになりそうです。大学史上初の3年連続シード権、そして今季も上位進出へ。盤石の布陣で望めそうです。

4.帝京大学

小野寺悠④ー星岳④ー遠藤大地③ー新井大貴②ー細谷翔馬③
三原魁人③ー寺嶌渓一③ ー鳥飼悠生④ー橋本尚斗③ー増田空④

補欠
山根昂希④、中村風馬③、森田瑛介③、北野開平②、山田一輝②、小野隆一朗①

〇変更予想・・・4区小野、7区中村

往路出遅れるも、復路からの巻き返しでスルスルと上位へというイメージがある帝京大ですが、今回は過去最高の往路3位からの総合3位を目指すとのこと。1~3区までは前回の経験者を隠すことなく配置してきていて、真っ向からファイティングポーズをとってきました。特に3区に入った遠藤選手は少しムラがあるもののハマれば爆発力も秘めている選手で注目です。4区が変更になりそうで、中村選手か小野選手かな。僕はルーキーの小野選手に変更予想しています。課題の山も、事前情報通りの細谷選手、三原選手が入っています。ここ凌げれば3強崩しも本当に夢じゃない。

中野監督は、あまり区間内のコンバートはしない印象で、同じ区間に連続して選手を起用しがち。今季好調で往路かとも言われていた鳥飼選手を3年連続の8区に起用していますからね。となれば7区に中村選手続投かなと。9・10区は箱根こそ初となりますが、過去全日本で2度5区を走っている橋本選手、そして今季全日本6区3位の快走があった増田選手が入っていて盤石の布陣。虎視眈々と表彰台をうかがいます。

5.東京国際大学

三浦瞭太郎③ールカ・ムセンビ゙②ー内田光④ー宗像聖②ー荒井雄哉④
林優策①ー善田修平② ー熊谷真澄④ー加藤純平④ー川畑昇大①

補欠
佐伯涼④、杉崎翼④、芳賀宏太郎③、イェゴン・ビンセント②、丹所健②、村松敬哲①

〇変更予想・・・1区芳賀、2区丹所、3区ビンセント、10区佐伯

東京国際はどう捉えればいいのでしょう… 2区は何事もなければビンセント選手のはずなのですが、ムセンビ選手が入ってるんですよね。これ偵察メンバーとして入れていて、当日ビンセント選手にチェンジってただ交代枠使っているだけのような・・・

考えられる可能性はいくつかあります。ビンセント選手が実は故障などで走れない? ムセンビ選手の調子がすこぶるよくて実は出走する? はたまた・・・

好意的に解釈しましょう。ビンセント選手は走れる。でも2区じゃない。そう、2区には同じく補欠に回った日本人エース・丹所選手を抜擢し、ビンセント選手は昨年と同じく3区起用とみた。ちなみに東京国際はこれまで留学生ランナーを4度起用していますが、2区起用は初出場時のスタンレイ選手のみ。これなら、まだムセンビ選手の偵察がうなずける。

ただ、じゃあ1区どうしよう…ってなってしまうんですよね。タイプ的にどうかなあとは思ってしまいますが、残りの補欠メンバーであるとしたら芳賀選手になるのかな。ちょっと可能性としては低いかもしれませんが、あくまでひとつのサンプルとしてこう考察します。

宗像選手、善田選手の勢いある2年生に加えて、おそらく復路終盤は4年生で固めてくるでしょう。予想のように、佐伯選手などアンカーに残せたらおもしろい。初の連続シードに向けて、正念場を迎えた紺青の襷ですが、今大会もインパクトを残せるでしょうか。

6.明治大学

児玉真輝①ー加藤大誠②ー村上純大④ー金橋佳佑③ー樋口大介④
前田舜平④ー丸山幸輝③ー大保海士④ー小澤大輝②ー長倉奨美④

補欠
小袖英人④、鈴木聖人③、手嶋杏丞③、富田峻平②、漆畑瑠人②、櫛田佳希②

〇変更予想・・・3区小袖、4区手嶋、5区鈴木、7区富田、9区櫛田

一躍優勝候補にも名乗りを上げた明治大は、結構隠してきてるなという印象。というのも、補欠の6人全員走ってもおかしくない選手たちなのです。とりあえず、鈴木選手の5区は鉄板でしょう。補欠登録になっているのは、おそらく、2区に登録されている加藤選手にアクシデントがあった場合に備えてのこと。前回区間5位の71分台、彼が万全な状態で5区臨むことができれば、ライバルにとっても大きな脅威になります。

他はどこに誰が入るのかなあって感じですが、1区はきっと児玉選手がそのまま行くのかな。全日本では、1区で積極的な立ち回りを見せ、区間5位、その後10000mも28分22秒の好タイムを出しています。2区もきっと加藤選手再登板で、3区に小袖選手、4区に手嶋選手の起用と見ます。なかなか強い。

復路も強力。6区に前田選手が入っているのが心強いですね。過去2度山下りで区間8位、7位の実績アリ。前回は58分台を出しているのもポイント高いです。他は調子見つつですが、7区にスピード魅力の富田選手、長丁場9区あたりに後半上げる走りができる櫛田選手など起用できればさらに華やかになるかと思います。登録メンバー16名中10000m28分台が14人とまさに充実の選手層。紫紺の「M」が、一気に覇権を取るかもしれません。

7.早稲田大学


辻文哉①ー太田直希③ー菖蒲敦司①ー鈴木創士②ー諸冨湧①
北村光①ー半澤黎斗③ ー千明龍之佑③ー向井悠介③ー室伏祐吾③

補欠
宍倉健浩④、吉田匠④、中谷雄飛③、山口賢助③、井川龍人②、小指卓也②

〇変更予想・・・3区中谷、7区井川、9区山口、10区宍倉

早稲田もどうなるか楽しみ。1区にはこちらもルーキー辻選手が入っていますが、僕は変更ナシとみます。全日本でも1区で5位と好走していますし、ある程度の位置でつないでくれればと思いますがどうか。早稲田としては、それこそ全日本のような展開が理想的です。補欠の中谷選手を3区に持ってきて、太田選手、中谷選手の2、3区でひとまずトップに立ちたいところ。そして4区には鈴木選手が入っているのがポイントですね。前回7区2位、シード権争いの渦中でチームを救った若武者が本調子ならば、一気に首位固めもあるかもしれません。

山はどうなるでしょうね。どちらもルーキーが登録されていますが、このまま出走もありえそうです。諸富選手は全日本6区に抜擢起用されると、粘りの走りでトップを死守。登りには自信アリとのことで、ここは託すかもしれません。一応、補欠にも前回経験者の主将・吉田選手が残ってます。下りも希望している北村選手に任せてみるかなあ。というのも、結構復路にもタレントが残ってそうなんですよね。

1・3区の可能性もある井川選手に、前回アンカーの宍倉選手、全日本アンカーで好走の山口選手が補欠に入り、今季あまり姿見せなかったものの千明選手が8区にエントリー。5000mで日本選手権の舞台を経験した小指選手も忘れちゃいけない。そう、たとえ北村選手が苦しい結果になったとしても、ある程度リカバーができそうな布陣なんですよね。ならばチャレンジさせるのかなあと思います。3強などの陰に隠れていますが、早稲田も決して侮れません。

8.駒澤大学

加藤淳④ー田澤廉②ー青柿響①ー酒井亮太②ー円健介②
花崎悠紀③ー花尾恭輔① ー伊東颯汰④ー山野力②ー神戸駿介④

補欠
小林歩④、石川拓慎③、佃康平③、唐澤拓海①、白鳥哲汰①、鈴木芽吹①

〇変更予想・・・3区小林、5区鈴木、6区唐澤、7区白鳥、10区石川

これは勝負仕掛けてきましたね。いまや学生長距離界のエースと言ってもいい田澤選手を隠すことなく花の2区にエントリー。大きな自信の表れでしょうか。1区は全日本同様加藤選手で、3区にはおそらく小林選手が入りそう。序盤でまずは先頭に立ちたいですね。

そしてなんと、山はどちらもルーキーと心中することになりそうです。5区にはおそらく鈴木選手投入ではないでしょうか。全日本では3区で好走、10000mも28分23秒を持つスーパールーキーのひとりですが、登りには自信アリとのこと。5区経験者の伊東選手を8区に登録していることからも入っていることからも、相当な自信と覚悟がうかがえますね。6区もおそらく試合出場のない山候補と言われていた唐澤選手がいきそうです。名将大八木監督、攻めてきましたね。

7区は花尾選手そのままもあるかもしれませんが、直近に10000m28分14秒をたたき出した白鳥選手の勢いを買ってみたい。ちょっと5区から連続でルーキー3区間になりそうなのは不安材料ですがね。その後はロードで実績ある選手たちが中心で固めています。全日本で優勝の味を取り戻した常勝軍団が、箱根でも輝きを放ちそうです。

9.創価大学

福田悠一④ーフィリップ・ムルワ②ー山森龍暁①ー吉田悠良①ー森下治①
鈴木渓太④ー横山魁哉②ー永井大育③ー石津佳晃④ー小野寺勇樹③

補欠
原富慶季④、嶋津雄大③、三上雄太③、緒方貴典②、葛西潤②、濱野将基②

〇変更予想・・・3区原富、4区葛西、5区三上、7区濱野、10区嶋津

創価大は、日本人エースの福田選手を1区に起用。前回も当時日本人エースだった米満選手の1区区間賞から良い流れの駅伝ができましたから、今回も序盤から出し惜しみせず勝負してきましたね。初の大学駅伝となるムルワ選手の2区も楽しみ。3・4区はおそらく変更があり、3区には前回同様原富選手、4区には次期エース候補の葛西選手を入れています。山登りには、激坂王チャンピオンで注目の三上選手が行くでしょうね。非公式ですが10000mも28分台の実力者です。

復路にも選手を残しています。9区は前回好走の石津選手そのまま。そして10区の区間記録保持者、前回シードの立役者となった嶋津選手は今回もアンカー起用か。創価大苦手の6区、そしてつなぎ区間となりそうな7・8区さえ凌げれば、終盤勝負に持ち込めそうです。初の2年連続シード権へ、今回もしぶとい戦いぶりを見せてくれそうです。

10.東洋大学

児玉悠輔②ー松山和希①ー村上太一①ー𠮷川洋次④ー宮下隼人③
九嶋恵舜①ー蝦夷森章太③ー腰塚遥人③ー小田太賀④ー清野太雅②

補欠
大澤駿④、西山和弥④、野口英希④、久保田悠月②、前田義弘②、佐藤真優①

〇変更予想・・・1区西山、3区大澤、6区佐藤、9区前田

前回大会まさかの10位で、強豪校に踏みとどまれるか正念場の東洋大。期待のルーキー・松山選手を2区に抜擢してきましたね。高校時代から実績十分の次期エース候補に託すかたちになりそう。1・3区がおそらく変更となりますが、西山選手はやっぱり1区かな。ここ最近、駅伝では不本意な走りが続いていますが、トラックでは28分03秒の自己ベストを更新、箱根でも1・2年時1区区間賞と本来の力こそ発揮できれば非常に強力な存在です。3区も考えられますが、全日本は7区で11位と消化不良でしたし、やっぱり彼が目を覚ましてくれるとしたら「よーいドン」のスターターなんじゃないかなと思います。

もうひとり、主力で状態がうかがえないのが𠮷川選手。彼も下級生の頃は駅伝で好走が続いていたのですが、前回は3区13位、全日本も出走はなく、ここ最近は苦しい内容が続いています。彼が本来の調子で4区を走れそうなら心強いですが、果たして…?

間の3区もおそらく変更で、僕は大澤選手かなと思います。前回同様復路起用も考えられますが、全日本で見せた5区3位の走りは印象的でした。5区には、区間記録保持者の宮下選手がどっしり構えます。今回は70分切りも射程圏内の東洋大にとっていちばんの「稼ぎ区間」。チームとしてがっちり噛み合えば、ぶっちぎりで往路を制する可能性もありますよね。

復路6区は、秘密兵器的なルーキー・九嶋選手そのままかもしれませんが、酒井監督6区に意外なランナーを置いてくるイメージがあるので(92回口町選手、93回堀選手など)、ルーキーの佐藤選手などどうでしょうか。以降は9区に前田選手入ればうまく流れていけそうです。楽しみなルーキーたちと少し不安の残る4年生。ぜひ、うまく融合した時の化学反応が見たいところです。


予選会組は次の記事で紹介します。


執筆・岩井惇

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