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正体のわからない焦りや不安に、アダルトチルドレンという名前をつけてみる


体は健康なのに。
環境にだって恵まれてるのに。
自分より大変な状態でも頑張っている人は、たくさんいるのに。

それでもなぜか積み重なっていく、つらさ。


うつ病、大人発達障害、HSP…
そういったことばを調べてみても、違和感がぬぐいきれなかった人たちへ。

「アダルトチルドレン」って、知っていますか?



アダルトチルドレンって、なに?


もともとアダルトチルドレンは、アルコール依存症の親がいる家庭で育った子どもを、形容するためにつくられた言葉でした。

派生していまは、「なにかしらの問題(暴力やネグレクトなど)がある家庭で育ち、大人になっても生きづらさを抱えたまま生きる人」をさす言葉にもなっています。

でも実は育った環境に関わらず、どんな人でもアダルトチルドレンの可能性があるのです


アダルトチルドレンの特徴


アダルトチルドレンには、こんな共通項があります。



いつもいつでも「良い人」や「完璧」でいなければならない。そうあるべき・・だと考える。ダメな所はみせられない

人に嫌われたり、悪い評価をくだされるのが異常に怖い

・NOと伝えたり、感情表現自分の意見を言うのが苦手

自分に関することだとしても自分で判断できない。自分の行動考えに自信がない

グループのなかの誰かが不機嫌だと、不安になる。自分のせいじゃないかと考えすぎる

・自己評価が異常に低いいつも自分を責めていて、自分には価値がない、ありのままの自分では受け容れてもらえるわけがないと思う

・自分の心を抑えてでも、相手の都合に合わせようとする

意味がないような小さなウソをつく

・人に頼れない。頼んでもどうせ断られるだろうと思う

なんとなくいつも焦っている緊張不安がある。もっと頑張らなきゃもっと努力しなきゃと考えつづける



そのツラさの理由


カギになるのは、子どもの頃の記憶や経験です。

それは本人ですら忘れていた、何てことのない思い出かもしれません。
「誰にだってそういう経験はあるだろう」と、過小評価して見過ごしている場合があります。


・自分さえ我慢していれば、家族は平和になった。
・親に望まれる役割(しっかり者のお兄ちゃんなど)を演じなければいけない事情があった。
・褒められる(怒られない)ために、悲しみや寂しさといった自分の感情を抑える必要があった。

そんな記憶はありませんか?

アダルトチルドレンの人々が感情を抑圧したり、いい子や完璧でいなければと考えるのは、子どもの頃、そうしなければ円滑に過ごせなかったからです。
子どもは保護者に守ってもらえないと生きていけません。

だけど時が経って、独り立ちする生活力がついても、あのころの生き方の癖・・・・・だけが残ってしまう。
それが上記のような生きづらさとしてあらわれるのです。


親がわるいと言っているわけではありません。

親はロボットじゃない。
子どもが、産み落とされて初めて「生きる」経験をするのと同様に、親は子どもができて初めて「子どもを守り育てる」経験をします。
24時間365日、間違えない人間なんて存在しません。なにが正解かもわからない。
子どもはそれぞれが異なる人間です。望みも幸せも正解も、その子によって異なります。

だから私はだれにでも、アダルトチルドレンの可能性はあるとおもうのです。
どんなに普通の、ちゃんとした親のもとで育ったって、自分だけが感じる辛さがあったのかもしれない。


えらぶのは自分自身


親にも、さびしい過去や事情があったのでしょう。自分も大人になったからこそ、その大変さだって理解できます。
ただ、それはそれ。別問題です。


私たちは、親の一部ではありません。親のために、だれかのために生きているわけではありません。
自分の人生は自分のものです。他人は責任をとれないんです。

私が行く道を決められるのは、私だけ。
自分がしっかり立っていなきゃ、だれかを守ることもできません。

あなたの感情や意思だって、あなたのものです。
だれかに否定されたとしても、なかったことにしなくていい。
フタをして隠しても、感情は勝手に消えてなくなるわけじゃありません。

怒りも悲しみも、人として生きるために大切な感情です。押し殺す必要ないんです。

みんなから受けいれられていても、だれかから愛を注がれても、それを入れるコップの底に穴が空いていれば、満たされる日はこないでしょう。

もう、子どもでいなくて良いんです。
あなたは自分で、選ぶ権利を持っているんです。



緩和を望むなら、
心のなかで泣いている子どもの頃の自分に、あの時ほんとうは親からほしかった言葉をかけてあげる
自分と他者とのあいだにハッキリと境界線をひく
・自分で判断する練習をしてみる。
などの方法もあります。

頼るのが苦手だからこそ、一人でなんとかしようとせずカウンセリングを受けるという手段もあります。


あなたはずっと、たたかい続けてきました。
辛さを、自分は「つらい」んだと、認めることすらできなかったかもしれない。

家族に笑ってほしいから、みんなと笑っていたいから。

自分を抑えつけて。
自分が弱いから悪いんだと、もっと辛抱強くならなきゃいけないと。

ずっとたたかい続けてきた。

正体のわからない焦燥感や不安を抱えながら過ごす毎日は、ものすごく疲れるはずです。それでも、生きて繋いできたんです。

努力不足じゃない。無価値なんかじゃない。虐げられていいわけがない。

あなたは、大切にされるべき人だから。


アダルトチルドレンという名前をつけたところで、すべてが解決するわけではありません。

これからの人生をどう生きたいか、知っているのは自分だけです。

5年後、10年後のあなたが、どうか
心から安心して、笑っていますように。




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