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今年もやりますPコミュマイベスト10 in 2022

はじめに

師も走るほどの忙しさ、というものを初めてちゃんと実感した12月ももう終わろうとしていますが、皆さま如何お過ごしでしょうか。自分は来月末に迫った引越しの手続きを見ないふりしてLP大成功(SP)++LV5を掘っています。本当に誰か助けてほしい。
2022年はといえば、歴史は終わっていなかったり、仕事が忙しくなってきたり、友達が結婚しだしたり、ようやくアーマードコア新作が発表されたりと激動の一年でしたが、個人的にエルデンリングの戦闘が微妙だったのでシャニマスの更新を日々の糧に生きてきた感が余計に大きかった一年でもありました。危ういな……

さて、この記事シリーズも3回目ということで恒例行事感が出てきたでしょうか。出てきた方がいいのかな、悪いのかな、そこはよく分からないですがこれまでの記事もこの記事も、今年のシャニマスを振り返る一助になっていれば幸いです。どうやら今年からこのタイミングで限定セレチケを販売するようになったらしいので過去記事含めて参考になれば、と軽く宣伝しておきます。

2022年のPカード振り返り

実装日基準で2022年実装の全Pカードを振り返っていきます。なおこのうち【inter-stella】と【Fall】は未所持のため選評外となります。

1月 6枚
【さよならごつこ】杜野凛世
【Howling】芹沢あさひ
【カラメル】樋口円香
【ソー・ディフィカルト!】小宮果穂
【ひとつ、はたたく】櫻木真乃
【きゅん♡コメ】八宮めぐる
2月 4枚
【雪、えとせとら】月岡恋鐘
【マイバレンタイン】有栖川夏葉
【つよがりのためのララバイ】桑山千雪
【ギア・アップ!ゴー・オン!】小宮果穂
3月 3枚
【オイサラバエル】樋口円香
【春告窓】杜野凛世
【multi-angle】黛冬優子
4月 5枚
【Feel Like Flower】大崎甜花
【ピックアップ・スプリング】櫻木真乃
【花染む街で、君と】西城樹里
【inter-stella】櫻木真乃
【CONTRAIL】緋田美琴
5月 4枚
【kaleidoscope-pinball】三峰結華
【U♥DOLL】大崎甜花
【夜よこノ窓は塗らないデ】七草にちか
【国道沿いに、憶光年】浅倉透
6月 4枚
【longing】大崎甘奈
【irodori-corridor】田中摩美々
【トコハレ☀コメディ】園田智代子
【あたし流・かっこいい】和泉愛依
7月 4枚
【なつやすみ学校】福丸小糸
【MANNEQUIN】緋田美琴
【竜宮城へご招待☆】大崎甘奈
【あなたと、月の満ちる頃】月岡恋鐘
8月 5枚
【sparkle,,,】西城樹里
【洸】風野灯織
【見つかっちゃった♪】和泉愛依
【縷・縷・屡・来】幽谷霧子
【たそがれスワッグ】八宮めぐる
9月 4枚
【S!GNATURE】市川雛菜
【足りない隙間】風野灯織
【光は光へ】芹沢あさひ
【はらりひらり結ぶ】白瀬咲耶
10月 4枚
【Fall】有栖川夏葉
【聞こえててよ、babe】浅倉透
【幕間、沸々と高温】黛冬優子
【晩秋ろまんす】杜野凛世
11月 5枚
【きみと巡り行く】櫻木真乃
【泣けよ洗濯機】七草にちか
【リバーシブル・トースト】田中摩美々
【アンコンシャス35→80】黛冬優子
【ひとりじゃない夜のこと】風野灯織
12月 3枚
【Merry】樋口円香
【セツナ/n】八宮めぐる
【スノードーム・シンドローム】小宮果穂

サポはチルモとオールウェイズ

例年通り51枚(もうカウントはいいかな)。アニバ以降闇鍋に回してた分をPUに回せるようになったので去年までより少ない額で結構揃えられてますし、限定セレチケの増加で来年は比較的楽になりそうです。CDジャケカードとかいう人質ガシャの極みみたいな奴は登場しましたが、まぁトータルでは良くなってるでしょう。たぶん。

それでは本題に行きましょう。

10位【つよがりのためのララバイ】桑山千雪

そこは、やわらかく秘密めいた 千雪ガシャ
2022/2/19-2022/2/28

コラムで桑山千雪オススメの「自分へのご褒美」をメイン層20代OLを紹介していくということなんですけども、う~ん、非常に納得感のあるターゲティング。なんか一昔前はこういうOLをバカにするノリがインターネッツにはあった気がしますけど、最近はどうなんですかね?実際こういうのに興味が出てくる年齢になってきたかもなぁ。俺が。

長らく千雪のエッセイを読みたいと言ってたので今回のお題(【そらカラフル、幾千の】も)すごく個人的に嬉しかったし、勿論そこには「アプリコット」やいつかの憧れの面影を見出せるのですが、今だともうひとつ設定されている「つよがり」に注目したくなります。

「私の国」の真実。
彼女の逡巡がよく観察されるカードでもあります。

分かり易い所だと最近はにちかとかになるのかな、シャニマスって所謂「業界の闇・しんどさ」だけじゃなくて「日常のしんどさ」の拾い方が上手いじゃないですか。というか芸能人じゃない我々の大半にとって公正に評価できるのはむしろ後者だけかもしれないですけど。
こういう自分たちの隣にある本当の暮らしを二次元アイドルコンテンツに語られるというのはやはり奇妙な感覚だなと思うと同時に、一見遠い場所だからこそかえって目線を共有する誰かが居る安心を感じるんでしょうね。この延長線上には「シャイニーカラーズここにあり」と高らかに謡うYour/My Love Letterがあり、同シナリオイベントが決して突然変異的に発生したものではなかったということを本コミュからも読み取ることが出来るでしょう。

9位【光は光へ】芹沢あさひ

多重色彩下におけるアナムネーシス
あさひガシャ
2022/9/20-2022/9/30

3年連続でピック。贔屓か?贔屓かも。
今回はHowlingではなくあえてこちらを選んだのですが、両方読んだ方は意外に思うかもしれません。実際物語としての密度が高く読んでいて楽しいのはあちらの方だと思いますし、このカードが実装されるまでは【Howling】を10選のどこかに書くつもりでした。ではなぜこちらなのかというとそれは、「LPのエピローグ」だからです(「ファンディスク」という方が適切そうだけども、使い方あってる?)。

あさひシナリオを端的に表現した一節ですよね

周囲を振り回し、時に振りほどくほどの有り余るエネルギーで進んでいくあさひと、そんな無限の想像力と可能性をもてる有限の時間に馳せる彼または私たちの気持ち。それこそがあさひシナリオの美しさ、切なさ、寂しさなのであり、LP以前のあさひとプロデューサーの関係だったのだと思います。時系列的に最古となるSTEPシナリオでは自らの役割を「地図」だと彼は表現しましたが、それは地図紙片の限られた大きさだったり、既知の地形情報を提供する役割に過ぎなかったりと、やはりある種の限界を意識させるモチーフだと受け取りました。
 しかしLPの終盤、あさひの一言によってその構図に大きな変化がもたらされます。「プロデューサーさんも探してるっすか?」プロデューサーの姿にもソナーを重ねたその言葉は彼自身の可能性に光を当ててある種の諦観から引っ張り出し、本当の意味で一緒に新しいものを探せる関係になりました。この互恵関係の成立こそ、あさひによる紛れもない「あい」の萌芽であると私はここに提唱したい。
 
【光は光へ】では特筆するような大きな出来事は起こりませんが、二人のそんな新たな関係を穏やかに窺えます。逆に言えばそれだけのカードです。もちろんいくつかトピックを拾って茶々を入れていくことは出来るのですが、それよりは、現象をプロセスする前の、ただ楽しい、こうしたいというプリミティブな気持ちを懐かしみたくなるようなコミュだったのであまり多く語らないことにします。ただ、Trueはやっぱり来ましたね。かつて倉庫に広げられたあさひの空を奪ったプロデューサーは、身勝手と知りつつそれでも(見つけような)と祈りました。今度はふたりで飾り付けた気球のモービルに、彼らは何を見つけたでしょうか。

8位【CONTRAIL】緋田水琴

期間限定 Flyaway
美琴・甘奈スタンプガシャPlus
2022/4/30-2022/5/10

天井してキレたけど天井叩くだけの価値はあったのでよし。自分、かなり劇中劇アンチなんですけどこの使い方は良かったですね。もっとも劇中劇として描かれた場面自体は本当にごく僅かなので、あまり公平なジャッジではないかもしれません。

なんかこのドラマ、古畑任三郎っぽくないですか?
イチロー回みたいな感じがする

出演ドラマのセリフが美琴を刺した一枚、とまとめられるでしょう。このありふれた台詞が、しかし痛烈に美琴の振る舞いを指摘するものである理由はモノラル・ダイアローグスで嫌というほど示されていたことかと思います。美琴は誰かを響かせるパフォーマンスをみせたいと願いながら、彼女以外誰もいない世界で高みを求めつづけました。もちろん、その求道的とも言えるひたむきさは本物でしょうし、そこに惹かれる人が確かに存在することも事実です。私自身そうですしね。しかしモノラルで見せた他者への無関心さは、WING当初の「パフォーマンスよりもドラマの方が勝ることが悔しい」というような皮肉にも聞こえた発言に疑問符をつける結果になっていたたように思います。確かに美琴の皮肉はある面で正しく、ノー・カラット以降の劇中の展開や現実世界での反応・議論もそれをなぞっていると言ってよいでしょう。

表現力を構成する「そういう部分」とは何か?
薄々感づいている気配もあります

一方で人の心を動かすドラマというのはそれだけの理由があるのであって、いくら完全に理解することが出来ないからといっても他者の気持ちへの想像力は社会で生きるなら欠けてはならないものでした。

モノダイがそうした事実をつきつけるシナリオであったとすれば、【CONTRAIL】はそうした振る舞いを生んだこれまで自らの人生に思いを馳せる……プロローグ的なシナリオと言えるのではないでしょうか。あくまで予感・予兆であり、このカードにおいて原因の解明や解決に向けて深く切り込む展開は広げられません。それはGRADで語られることでしょうが、モノダイ中に幾度か挿入される「暑くなりそう」という台詞が示唆するようにそれは夏頃の実装になると見ていました。夏が来ました。実装されませんでした。4.5周年付近の賑やかしだろうと踏みました。秋は去り、冬の足音が聞こえる時節になって参りました。お願いだから早くしてくれ。

こう書いたのが10月末。まあ多少の加筆修正はしたものの……読みは外した感がありますね。巷ではPみこに対する反応の大きさが目立ちますが、予想ドンピシャ!という声よりは意外だったとか、あるいは落胆の声も一定数見かける印象です。上でそれなりに批判的なトーンで書いていたものの、自分としては「あくまで私はステージに生きてステージに死ぬ」というポリシーを貫くと宣言した一点で割と良かったなという第一印象だったんですが、同時に「結局どう着地するんだろう?」という所はビジョンを持てないままかもなぁという煮え切らない部分もあるという感覚ですね。

7位【さよならごつこ】杜野凛世

期間限定 助詞のように、街明かり
凛世・恋鐘ガシャ
2022/1/1~2022/1/10

年末年始の帰省をプロデューサーとの別離に見立てて寂しく思う凛世と、その再会までを描いたメロドラマ。凛世とその長く苦しかった恋路に関してはこのひとつ前の【ロー・ポジション】にてひとつの決着を見ており、以降は「欲」を全面に押し出してプロデューサーに接する姿が描かれています。本コミュもそうした流れに位置していること、設定と帰結(正月帰りだしすぐ帰ってくるのは誰でもわかる)からまさにタイトルの通り「ごっこ」として楽しむことが出来ました。これが心の余裕ってやつなんだなぁ。

選択肢と同時にあのBGM鳴るの面白すぎ

もちろん凛世にとっては真剣な悩みで、この場面での彼女の焦燥感と無力感たるや真に迫るものがあります。自分も2021-2022、そして2022-2023は帰省した/するためイベコミュを読めないストレスを感じるので彼女の気持ちは割と分かります。帰省は短い方がいいよね。

凛世コミュの常として視点は自然と彼女に寄る訳ですけども、これもまた常として彼女にとって如何にプロデューサーが魅力的に映るかを追体験できるのも独特の面白さです。今回は2コミュ目の右選択肢が特に良かったですね。

Pから貰ったチョコを食べるとなくなる、という彼女に

「色って心で見てるんだね」とはめぐるの言ですが、こういう言葉がすっと出てくると、普段プロレスだったりマジだったりでクソボケがよと罵っているのを忘れて素直にあぁ、素敵な人だなって思います。単純に頼りになるとか信頼できるとかじゃないところで、たまに素で気持ちを持ってかれる瞬間が確かにあるんですよね。俺ヘテロなんだけどな。

ただ、このカードで一番「うおっ」と来たのは次のシーン。

抑制的な演技がまたいい

直前の姉夫婦の会話を凛世が反芻する。これってさぁ!!姉が凛世で姉の夫がプロデューサーってことじゃん!!!もりちゃん、そんなに彼のこと好きなんだ……
ここ、アニメーションのとこより全然ハイライトじゃないですか??違ったらごめん。

今回記事起こすにあたって再読したんですが、年末年始のこの時期に読むと現実の時間感覚にバチっと嵌まる感じがあって良いですね。短いようで長い時間が呼ぶもどかしくもどこか温かく豊かな情緒に浸れる秀作でした。

6位【longing】大崎甘奈

~ある休日、少女は両手に幸せを掲げ~
甘奈・円香ガシャ
2022/6/10-2022/6/20

Pラブ筆頭に躍り出て久しいなーちゃんの萌え萌えコミュシリーズ最新弾!……かと思いきや、かなり真面目な内容でびっくりしたカードです。我ながらなかなか酷い形容だけども。「憧れは理解から最も遠い感情だ」とインターネットに造詣の深い諸兄におかれましては当然見聞きしていらっしゃるかと思いますが、実際本当にそんな内容でしたね。しかしまあ「憧れられると近づけない」と書くと、にちかってやっぱり聡いよなとか思ったりもしたけど、まあ、それはさておき。

アイマスみたいじゃん

今を時めくトップアイドルたる大崎甘奈に直接会えるサイン会にまつわるお話(なんか出てくる単語が一周回って新鮮で面白い)。甘奈は当初からそのフラジャイルさを中心にスポットライトが当てられてきた部分があり、そこにはどうしても負のフィルターが重ねられてきたというか、独立して生きていく・みんなと競争していく勇気を養う方向で語られてきた経緯があります。でもなんていうか、素直に考えればそれは人との繋がりを大切にできる子だってことなんですよね。こういうのもルネサンスって言えるんですか?

そんな甘奈は忙しいスケジュールの間を縫ってでも握手会を敢行し、またそれに向けてファンと同じ目線にいると伝えられるように色々と考え準備する。そんな彼女だからこそファンやプロデューサーに憧れられ/尊敬されてしまって余計に距離が開いてしまう部分もあるのですが、こればっかりは何ともしがたい話でもあり。彼女自身もその立ち行かなさを分かっているようですが、ファンに対しては「わがまま」を通すことで何とか理解を得ていきたいようですね。STEP編は基本的に過去回想でしかないので、この辺りは今後イベントシナリオやカードで語られていくんでしょうか。

プロデューサーに対してはまぁ、ここですよね。この発言が飛び出すことには今更驚きはないとして、ここで止まってしまうところはやはり痛い。相手に目ん玉ついてないのが悪いとは言え、ぶつけてでも気持ちをやりとりしなければ独り相撲に過ぎず、その点ライバルに一歩も二歩も先に行かれている感は否めません。ところでシャニマスでは「アイドル」や「プロデューサー」をはじめ、その人の担う役割をめぐる議論が割に多く俎上に上がります(主体/客体という考え方で紐解いておられる記事もよく見かけますね)。有名どころで言えばギンコビローバがそうですし、今年だけでもたくさんの類例が登場しました。イルミネ識者なら「すごいめぐるちゃん」が最初だろと怒ったりするかもしれません。この点においても同盟国は最大の戦果を挙げているのですが、実は甘奈もけっこう蓄積があります。この「すごいプロデューサー」という役割を解体する方向のアプローチは割と深く懐に潜り込めることが多数の研究によって示されているので、経験を活かした戦いを今後展開出来るか注目していきたい所です。

同盟の行方や如何に!!??

5位【multi-angle】黛冬優子

期間限定 聞こえていますか?
冬優子・真乃スタンプガシャPlus
2022/3/19-2022/3/31

例年通りなら限定のタイミングじゃない時期に限定だったのでキレた。4周年のタイミングでのコンプを目指していたのでサポ真乃のために天井させられてさらにキレた。
それはさておき、どうにも自分は寂しさに惹かれるきらいがあって冬優子のPカードとしては未だに【オ♡フ♡レ♡コ】が一番好きなんですが、そういう評価でこの【multi-angle】もかなり好きな一枚です。

あらすじはと言うと「ふゆ」に憧れるラジオネーム「ゆゆちゃん」のお便りとその回答に対する【multi-angle】な思いを描いた内容になります。表向き「ふゆ」としてのペルソナで活動しつつその運用主体は「冬優子」であるというのがアイドル黛冬優子の実態と言える(※諸説あり)のではないかと思いますが、実際の所として「ふゆ」と「冬優子」のふたつのペルソナが「偽物」と「本物」などという単純な二項対立関係ではないというのはいい加減聞き飽きた感のある話です。ですが、その「ふゆ」が誰かの憧れとなったとき―――かつて黛冬優子の理想人格として「ふゆ」を目指しはじめたときのように、自らの在り方を今の視点から見つめ直すことが大切な営みであることも明らかでしょう。

このあたり.run()も思い出しますね

なりたい理想のために今いる自分を殺すことは哀しいことだと、ふゆは言いました。「偽善者」と独り言ちた冬優子にしても自己レビューで「嘘はない」と表現したように、そこは両者の見解が一致するところ。プロデューサーも「違和感はなかった」と言いましたし、読者の多くもそうでしょう(そうでないこともあると思います)。

続く言葉で彼女は理想を作り上げることを肯定し、ラジオネームゆゆちゃんにエールを送ってラジオは終わります。もちろんそれを否定する人はいないでしょう。しかし、この人格の多層性について言及するということは冬優子にとってそれなりに勇気のいる行為だったのではないでしょうか。特に問題なく処理した前回のお便りを冒頭に改めて取り上げて話す訳ですから、アイドル黛冬優子にとって(意図はどうあれ)真剣に取り上げたい気持ちがあることは誰の目にも明らかです。そのような場で理想を作り上げることに言及すれば、「ふゆ」の下にある顔をリスナーに想起させるリスクを伴うことは想像に難くない。それでもなおこの言葉を自らの意思で伝えたことは誠実と表現するほかないでしょうし、自らの意思でこの言葉———ある意味でふゆと冬優子という自分たち自身を肯定する言葉―――を用意できたということ自体が彼女にとって価値ある経験になったはずです。

4位【オイサラバエル】樋口円香

SHEER 円香・愛依スタンプガシャ
2022/3/10-2022/3/19

「美しいもの」についてのお話。
おそらくもっとも解釈が分かれるのがラストのモノローグ部分でしょう。これについては3月に雑感をまとめてるんですが、個人的な解釈は特に変わっていません。つまり、「透きとお」は「すき」である、という立場だということです。

ただ幾つか付け加えておきましょう。ひとつめ。該当シーンは言わばパズルの最後のピースを嵌めるようなものであって、別にオイサラバエルで急に「すき」になった訳ではなくもうずっと前から惹かれていて、「最後に残った見通せない部分があるのかどうか」という疑いを「透明だから捉えられない」という気づきで晴らしたに過ぎないということ。ふたつめ。必ずしも「すき」の全てを恋愛的なニュアンスに回収する必要はないということ。GRADや【ピトス・エルピス】が分かり易いですが、彼らは価値観の重要な部分を共有しています。言ってしまえば、ごく単純に企画を通して価値観の相互理解が深まったという話でもあるわけです。
最後に、別に人をすきになることをそんなに大袈裟に捉える必要もないのではないかということです。
こんなことを言うと読み解くという行為への努力を軽視するように聞こえる気が自分でもしなくはないですが、あれこれ理屈をこねくり回してこれは恋愛感情なのかそうじゃないのかとすったもんだすることそれ自体がなんだか彼女の内心の動きっぽく思えるのが面白くてクスリとすることはままあります。

とか言ってたら来ましたね、トワコレ円香。
ちょっと面白すぎたので記事末尾のおまけで扱うことにします(笑)。

それはそうと、この部分だけを拾うのは流石に品がないのでせめてもう一つくらいネタを拾っておきましょう。直近の円香のシナリオにしては珍しく、このカードではプロデューサーの視点を見ることが一切出来ません。1コミュ目は導入なだけあって特徴的です。「欠損の美」については伝聞調で話しているだけですし、すべての選択肢で「美しいものの話をしよう(していた)」と言うにも関わらず彼の主観は述べられることなく幕が引かれます。

この演出いいよね
サンデル教授みたいだけど

全体を通して明らかに視点人物は円香であり、プレイヤーもまた彼女と同様に探りを入れられる構造になっているのは楽しかったですね。これはもう完全にどうでもいい話なんですけど、コミュ4の「プロデューサーは欠けたものに完璧を見るか」という問題が出た時オートを止めて自分なりに考えてみたんです。結論は「あるがままを肯定するというか、そこに存在することそのものを全部肯定したいという気持ちが多分強い人なので、それが綺麗か綺麗じゃないか何て言うのは二の次三の次なのでは」でした。円香のそれとほぼ同じなんじゃね?やったぜ。
そして持論をつづけると、「欠けていること、満たされていないこと(またはそのようにその人が感じていること)がその人を苦しめている時どうするか」という問いがアイマス、シャニマスのプロデュースシナリオであり、その極北がシーズなのだと思っています。

3位【纏・纏・屡・来】幽谷霧子

トワイライツコレクション
2022/8/19-2022/8/31

命のサイクルが見送りそして迎えるものであったらいいなと微笑む霧子の死生観を題材の中心に置いた意欲作でありつつ、Pカードとしてはおそらく初となる明らかにオカルトな事象をも直接描いた異色作。同時に彼女の生い立ちを伺える貴重な一枚であり、情報量の多さという点でも他と比較して割と目立った作品になっていたように思います。ちなみに限定のエピソードを直接引き継いだおそらく初のカードでもあり、その意味でも特別な一枚かもしれません。共通コミュを引き継いだケースや限定のエピソードを匂わせる要素を含むケースなら幾つかあるんだけどね。

ふわっとまとめたものの、かなり複雑で正直いまだによく分からない部分の多いカードです。エピソードの要素としては以下の3つで、

  • 「るるるく町一丁目」のブランケット

  • 「琴・禽・空・華」で埋葬された小鳥

  • 海での怪奇現象

これらを組み合わせて霧子の死生観を表現したというところまでは間違いようもないのですが、そのパズルをどう解くかが難しい。まぁオカルトを扱う時点でそれはもう仕方ないことなんでしょうけどね。

母方のセンス。
【鱗・鱗・謹・賀】、【数・数・娘・々】でも。

「るるるく」=「眠、始ま、彼らの時間にな、皆が動」だそう。幽谷家のセンスが存分に発揮されたネーミングには違いないものの、さすがに苦しさが垣間見えます。オタクが大好きなラヴクラフトの「クトゥルフの呼び声」に「ルルイエ」という都市が登場するそうで、おそらくはそれが元ネタなのでしょう。そんなるるるく町の住人が実際に動く姿は霧子自身1度しか見たことがないらしく、それも「そんな気がする」という曖昧なもの。ここからも霧子のアニミズム的な世界観を彩るポエティックな表現とは対照的なリアリストさを窺えます。

こうした世界認識は【伝・伝・心・音】で既に観察することができ、イベントシナリオを除いて霧子の目前ではあくまで物理的に説明可能な事象しか起こってこなかったという経緯は抑えておきたい。

コミュ2「くる」で語られる彼女の死生観については輪廻転生の思想を重ねたくなりますが、部分的には唯物論的に回収可能です。火葬されて骨壺に入れられるのがメジャーな日本では草の糧になるのは中々難しいかもしれませんが、遺灰や過程の排気が長い時間をかけて何かの命に組み込まれることはありうるのかもしれませんね。知らんけど。
より重要なのは「生まれ、死ぬ=来て、行く」の喩えと「誰かに覚えられている限り、それは死ではない」という思想のほうで、それはコミュタイトルからも推察できます。信仰の領域に立ち入るので迂闊なことは言うべきではないかもしれませんが、記憶することされることの重みというのは広く人類が共有するところでしょう。

コミュ4。問題の場面ですね。

この後霧子も「なんだか見たことある場所」と発言。
どことなく非現実感のある場所に思えません?

砂浜の光景にふたりとも見覚えがある、つまり二人に共通して記憶が存在する光景ということですから、文脈上は生前の「そこから魂がやってくる場所」または死後の「そこに向けて魂がゆく場所」のどちらか(両者は同じかもしれませんが)の光景と解釈しました。常世と現世の境だからなのか、クトゥルフのそれなのか、とにかく海というロケーションが尋常ならざる現象を呼んだと。

よくわからないのは「潜水時間の不自然な長さ=溺死の危険を招いたのは誰/何なのか?」です。「小鳥の霊魂による現象」という仮説を考えてみましょう。霧子は小鳥のことを記憶していて、小鳥の側もそれに感応しているらしいことはアニメーションから読み取れます。るるるく町の住人たちが霧子に対して仇なす存在だというのは考えにくいので、小鳥も彼らに加わっていたものとしてよいでしょう。霊的な存在に接近される行為が人体に悪影響を与えた可能性については、浮上後の霧子が特に問題なく呼吸していたこと(=海水を飲み込んでいない)、彼女は海中で何が起きたのか察しているらしいことから、少なくとも生命活動に致命的な影響を与えた訳ではないらしいとまでは言えそうです。一方で霧子の瞳が一瞬赤く光っていたことからは、霊的な存在が彼女の身体に宿るとか、そのコントロールを掌握するといった現象を否応なく想起させ、無関係とするのは違和感があります。

現場どんな空気だったんだろうね

ここでもうひとつの謎、プロデューサーの「霧子は写っていなかった代わりに、魚が小鳥に向けてとびかかる姿が写っていた」という発言(※)を考えてみます。ふつう魚は海にいて鳥は空にいるものですから「海にいた霧子(の身体)が魚」ということになります。そうなんですか???そうではないだろう、と直感が訴える。むしろ逆に「霧子が何かに襲われた」という図式はしっくりくる。総合すると、こうは考えられないでしょうか。「海に棲まう魚の霊魂のような存在が霧子に牙を向いたところ、小鳥を新たな仲間に迎えたるるるく町の住人が盾となって彼女を守った」……うーむ。

まぁこんなの何言っても自由というか証拠のない領域なんですけど、そう考えるとTrueのブランケットが急に傷んだ現象に説明がつきそうなんですよね。※の発言さえなければ、るるるく町の住人や小鳥がもとの肉体を喪い(=ゆく)新たに霧子の中に産まれなおす(=来る)、といった説も考えてみたかったかな。有力説まってます。
この一枚を通して霧子ないしプロデューサーの成長・変化が描かれたかというと正直疑問ですが、色々と読み甲斐のあるコミュだったということでこの位置に置かせてもらいました。

2位【国道沿いに、憶光年】浅倉透

期間限定 体温くらいのゆうやけだった
透・咲耶スタンプガシャPlus
2022/5/31-2022/6/10

信じられないくらい色調が地味で思わず笑ってしまう。ブライダルだぜ?

絶対これ自虐だろ

でも分かり易い視線誘導とかガシャタイトルも合わせて、何て言うんですか、透のスピリチュアルな引力が確かにここにある。今年の透のイラストは本当にどれも印象的でしたが、その中でも特異な一枚ですよね。

コミュの方はというと、こちらも出色の出来でした。「捕食者」浅倉透と彼女を追うものたち、追い求めることそのもの、あるいはその原点たるジャングルジムの記憶を焼き付けたプロデューサーとの関係。同時期に公開されたイベントシナリオ「天檻」と伴にそれら全ての総決算とも言うべきコミュとなっており、透やノクチルを追っていた方々にとってカタルシスの大きい瞬間だったのではないでしょうか。

一方、そのスケールに対してこの辺りを語る記事はそれほど多くはないのかなと思っていた(この辺はnoteの過去記事検索機能のカスさによるかもしれないが)んですけど、いざこうして自分にそのターンが回ってくるとその理由がよく分かりますね。ハードルたけ~~wwたけ~が故にそのハードル超えた巨人たちも目に入り余計に高くなっていくやつね。なるほど。俺もキリンみたいにデカければね、よかったんだけど。

そう、本コミュではその「キリン」や「太陽と火星」、「雨」など幾つかの明らかなメタファが用いられます。これらが有機的に結びつけられたからこそ憶光年は凄かったんですが、ここでは「雨」およびその他「透の身体を傷つける現象」に着目して記事を書いてみましょう。なんでこれを選んだかというと、プロデューサー君が密接に関わる得意分野だからですね。樋口円香さんもたぶんここに着目すると思います。

LPといいこれといい、
映画的な情景が似合いすぎですよね
畳みかける透の言葉。
う~ん、運命の女

ジャングルジムから落ちて打撲する、ヒールで悪路を走って捻挫する、熱中症になる、雨にぬれて風邪をひく。勿論それぞれ含意があるのですが、均しく身体に対する出来事であることは注目に値すると思います。これらは生きる上で避けて通れない外傷や病気であり、そうしたダメージを負うということは「生きる」ことの裏返しです。ずいぶん野生的ですが、それゆえに力強い生の証明に透が惹かれていることが特にGRADで描かれていました。

LP以降でプロデューサーが見せていた苦悩というのは、彼女の物理的な安全は当然のこと、そうした野生に自らを曝すような生き方を「浅倉透が業界人たちによって物語のための省みられない道具にされること」になぞらえて抵抗を感じていたのだろうと理解できます。先に述べたように透はそうした傷を含めて生のやり取りであると考えていて、プロデューサーにはそんな痛みを伴うほんとの生を一緒に生きてほしい、と求めていた訳ですね。

ジャングルジムもそうですが、
彼も彼でその熱で灼く才に長けていますね

その意味するところをどこまで分かったのかは不明ながら、少なくともその半分には明確に答えて見せました。彼は透がアイドルをやるうえで彼女を傷つけるものから守るが、彼女はその庇護の元から飛び出していってくれて構わない。その代わり、自分も追いかけ続けるのだと(この辺はにちかGRADを比較対象にすると少し面白いと思います)。この二重螺旋、やっぱり究極的には「性」があるんでしょうね。よく言われるエロゲっぽさ、履修してないので引用できませんが、きっとそういうことなんだと思います。

最後に少し関連した話をもうひとつ。いくつかの場所で話していたことがあり、それは大雑把に言えば「誰かを物語ることは暴力なのか」ということ。ここでいう「誰か」とはフィクション上の人間、すなわち浅倉透であり、ノクチルであり、シャニマスです。現実のほうについては、スレチなのでやめておきましょう。その昔高校の同級生Aくんが持ってきた「タビと道づれ」という漫画の最後の方にある「人と触れ合うことは刺激をうけること、本質的に痛みなんだ」というような一節が印象に強く残っているのですが、それと同じようなことが言えるんじゃないかと思っています。物語に生きるということは語られることと不可分であり、必ずしも暴力ではなくともそれは痛みなんでしょう。その痛みと伴に自分がどう生きるかというものを、透やノクチル、283プロは見せてくれているのだと思います。

1位【泣けよ洗濯機】七草にちか

捕まえたのはイリュージョン
摩美々・にちかガシャ
2022/11/18-2022/11/30

本題に入る前に言いたいことがあります(長いんで次の画像出てくるまで飛ばしてくれていいよ!)。

このセクション、過去イチ書きにくかった。
5月に【夜よこノ窓は塗らないデ】が実装されて11月に【泣けよ洗濯機】が実装されたわけなんですが、両方読んで自分は以下のことに頭を悩ませることになりました。

  • 1、どう考えても去年以上に続き物だということ

  • 2、両方内容が良すぎて確実に入選すること

  • 3、めっちゃ良い記事を見つけてしまったこと

  • 4、GRAD実装タイミング

この年末ちょっと色々忙しくてですね、記事は割と前から手をつけてたんですけど「まぁよっぽどじゃない限り夜にちが1位かな~」とは思ってたんです。そしたら洗濯機来るじゃん。読むじゃん。続き物じゃん。実は去年の記事ではにちかのPカード3枚を1つにまとめて書いてウケを狙ったんですけど、こういうのって1回だからユーモアとして成り立つんであって何回もやるものじゃないじゃないですか。まぁでもしゃーないか、続き物だしとか言って2枚をまとめて書く気でいたところに生放送の告知が来たわけですよ。

これもう99%確定だろと予防線を張りつつGRAD実装を確信すると同時に、記事の執筆と公開のタイミングの問題が発生しました。GRADの内容は関係するかどうかとか、反映させるといくらなんでも脇に逸れすぎるんじゃないかとか(【CONTRAIL】についても同様のことが言えますが、そちらは元々GRADと地続きの内容だろうと思っていたので逆に困りませんでした)色々考えた結果ひとまずGRADに対する言及は最小限にしようと考えました。

で、いつもの如くぼちぼちネタを拾いつつ書いていこうとして、実際いくらか書いたんですが、思ったことをほぼほぼ完全かつより美しく書き切ってくださってる記事が出てですね(夜よ~の方も合わせておすすめです)。

「これは俺が書けることないな」と思っちゃったのでちょっと切り口を変えることにしました。ほら、にちかのシナリオって異質だし、そういうのもアリかなって。彼女の心境の変化については流石にGRADを待ちたかったので、芸はないけど二枚のシナリオが与えたシャニPの役割に対しての影響について考えてみることにするかな~、とか言ってたらやっぱりGRADが告知されたんですね。ホントに来たら来たで困ったものの、当初の予定通り出来るだけGRAD実装前の視点で書きあげてしまうことにしました。

言い訳が長くなってすみませんでした。本題に入りましょう。
まず確認しておくと、この二枚は要するに「家族/他人という境界線を越えて人生に介入してよいのか」という話です。上で「異質」と表現しましたが、これは考えてみれば「私とあなたは他人である」というシャニマスが好んで使う所与の前提の延長にあるものです。その意味ではどこまでもシャニマス的らしいシナリオと表現できるかもしれませんね。

去年はまだこんなことを無邪気に(?)書けた
【夜よ~】より。
【一億回目】構文で目配せが利いててやらしいね~~

そうならばその境界に挑戦することの危うさ・歪さは正面から描かれると想像しても良かったのかもしれませんが、見事に返り血を浴びる恰好になりました。二枚の結論として彼は「たとえ境界線を越えてでも出来ることをやるぞ」という決意表明をしました。

一部のアイドルたちが望んだ姿

これは「職業プロデューサーとしての領分」を逸脱することを覚悟したとも換言できるのではないでしょうか?

たしかにそういうペルソナを捨てた・無視した瞬間というのは限定的ながら幾つか前例はありますし、それらも彼を語る上でとても重要なエピソードたちです。ただ基本的には、そうした行動はあくまでアイドル活動の可能性を引き出す手段か、あるいはいち個人として対等にコミュニケーションするための手段だったはずです。

最も強く思い出される類例は円香LPですが、今回は「家族」という非常にナイーヴな領域を背景にした発言であるため、それと比べてもなお異質と言っていいと思います。また「入口までです」というコミュタイトルも示唆的で、今後の勢い次第では"リビング"とかまで行くことも想像に難くありませんし、ゴールは"食卓"なんじゃないかと妄想しているのですが果たして。

【泣けよ洗濯機】コミュ2「食べたいやつ」。
悲しいから好き。「救いがないから」ではない。

ただここで確認しておきたいのは、「何でもやる」のはどこまでも「にちかの幸せのため」だということです。そこは他のアイドルに対する姿勢と変わらないし、にちかに対しても最初から一貫しているという訳ですね。

ここの表情の動きに心奪われて久しい

その点に限ってはあまり変わってないのかなと思いつつ、「そのための仕事をさせてくれ」というセリフと比較してみるとやはり彼個人としての想いがより強烈に反映されたニュアンスになっているのではないかとも思う訳です。本来「アイマスシリーズのプロデューサー」という構造が彼を我の薄いアバターに制約するはずのところ、その縛りを逆に利用する形で彼のパーソナリティを表現してきたことは今更のお話ですが、最近では彼自身の言葉で自己の在り方を規定する描写も増えてきましたよね。

2022ベスト選択肢

ところでシャニマスのシナリオでは「君はどうしたいのか」が最も重要なテーマとして取り上げられ、アイドルたちに対して幾度となく投げかけられています。主に初期のにちかWING評でしばしば見かけた(未だに擦ってる奴もたまにいる)「プロデューサーにちかのこと見てなくね論」についてはちゃんとイラついてるんですが、無論にちかシナリオにおいても根源的な問いとして設定されています。急になんだよという感じですけども、「人に聞くのは結構だけどもシャニP君さぁ、君はどうなん」というところは我々ウォッチャーとしては気にかけてきたんですよ(だからこそにちかWINGの先の発言に注目してきた訳です)。「プロデューサーとしての想い」が固まりつつある中で本格的に「個人としての想い」にも光が当て始められたとすると、やはりファンダムの議論にはかなりの程度回答を用意してくれるんだという期待は持っても良さそうだなと今回読んでいて思いました。

・GRAD後の振り返り
悪くない読みが出来てる気はしますね。当たり障りのないことしか書いていないといえばそれまでですけども……
別途GRADの簡単な感想文を書いたので我田引水すると、「にちかが自分の選択として自分を傷つける道を歩むとき、個人の意思を尊重する彼がその選択を明確に否定できるか」を明示したのは本セクションで書いたこととそれなりにリンクしているように思います。もちろんそれは積み重ねによる到達であって【洗濯機】のみの成果という訳ではありませんし、アイドル・プロデューサ関係と疑似家族関係というそれぞれ微妙に軸の異なる話でもありますが、GRADと合わせて読んでみるとまた味わい深い2枚になっていると思います。

総括

くぅ~疲w
冒頭の挨拶で「恒例行事感出てきたかも」と言いましたが、秋口くらいからぼちぼち触りだして年末にバタバタするこの感じを風物詩的に楽しんでるところは確実にあり、今年も無事にここまで漕ぎつけることが出来てほっと一息ついています。今年のシャニマスの思い出はといえば、最初に消化しておきたいのは4thライブ近辺の盛り上がりと肩透かし感ですよね(笑)いやごめんなさい、アンチムーブやりたいんじゃないんですよ。何を隠そうこの私も、やれライブタイトルだのやれ4th衣装の意匠がどうだのと言って時進め説を熱心に推していた同志諸君の仲間ですからね。それでも5thのライブタイトルに夢と期待を持って立ち向かうバカ野郎共には敬意を表します。暴れつづけるものに水平線は微笑むらしいですよ!!
そのほかSTEPコミュの明らかな牛歩戦術も明るくない話題としてありますが、反面2020年に匹敵あるいは超えるクオリティだったイベントシナリオ群を無視してはいけないでしょう。記事を読んでお気づきになった方も居ると思いますが、今年って「役割(立ち位置?)」の話がやたら多いんですよ。確かに去年までにも重みをもって都度都度取り上げられてきたんですけど、別に今年のネタに困ってこじつけた訳じゃない。カードなのかイベントシナリオなのか舞台がどこになるかは分からないものの、この方向で更なる大きな進展は見られるんじゃないかなと。また直近の「線たちの12月」についても「283プロの物語」だけでなくもっと大きな、シャニマスの方向を占うものとして資する内容だったのではないかと感じていて、物語に対する期待は膨らんでいます。来年のことを語ると鬼が笑うと言いますが、外れた時はまた同じように晒して笑われてやりましょう。

末筆ながらここまでお読みいただきありがとうございました。
2023年のシャニマスがあなたと私にとって良きものでありますように。

引用

アイドルマスターシャイニーカラーズ
【泣けよ洗濯機】七草にちか 感想【シャニマス】

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おまけ【Merry】樋口円香

こんなの笑うに決まってるんだよなぁ。

凛世が泣いちゃうよこんなん

記事中のどこかでも書きましたけど、文章の大半は12月までくらいに書いたものです。バエルはもちろんのこと、甘奈の部分に至っては9月頃のFFとのやり取りが骨子になってて。その甘奈ならまだしも、まさか、まさか円香がそのアプローチをノリノリでやるとは思わないじゃん。確かに円香はどう考えてもピのこと好きじゃんとは言ってきたしそこに驚きはないけど、Twitter円香に迫る勢いでアクセル踏んだのは驚きましたね。樋口円香は俺だ、ってそういうことじゃないだろw
間違いなく屈指のインパクトを持ったコミュだったんですけど、ちょっと扱いにくいほどのネタ被りと記事構成への影響を鑑みてこういう所に置きました。

や、次のカードも楽しみですね。をとめ同盟は立ち向かえるのだろうか……
それでは今度こそ本当にさようなら。

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