タピオカミルクティーを超えた、中国の質の高いティースタンドとは

いつも読んでいただきありがとうございます。暑い日も増え、冷たい飲み物が恋しくなる季節が到来しました。

先月末は、中国で人気を集めている日本酒や、中国の飲酒文化などについてお届けしました。その中で、CHReportメンバーで中国に住んでいるキタさんへお酒にまつわるインタビューをしたところ、こんな回答がありました。

友達と集まる時は酒を飲まないことも結構あります。周りの友達はミルクティーの方が好きですね。笑

お酒よりも、ミルクティーの方が好きだという回答です。

若者のアルコール離れ”という言葉を耳にすることがあります。

こちらは日本人を対象にしたアンケートですが、確かに20代〜30代のアルコール消費量は減少傾向にあり、2000年頃と比較すると、現在の消費量は当時の約半分ともいわれているようです。そこで今回は、若者を中心に人気を集めているタピオカミルクティーや、スイーツ系のドリンクについて調べてみました。


ティーブレイクといったら、コーヒー以外のお茶?

今回の調査にあたってCHReportメンバーと企画会議をしていた時のこと。

中国ではティーブレイクといったらお茶なんですよね

という一言を耳にしました。詳しく聞くと、仕事の合間に一休みする時はコーヒーではなくお茶を飲むことが多いといいます。日本ではコーヒーをテイクアウトしたり、缶コーヒーを買って休憩するイメージがありますが、中国人メンバーにとっては新鮮だと話していました。

ティーといっても、ミルクティーやウーロンティーなど中国にはさまざま中国茶があり、バラエティも豊かであるといいます。

中国で公開されているこちらの記事によると、中国の1人あたりのカフェイン消費量は1日86mgであるのに対し、日本は140mgと1.5倍ほど日本人の方が高い数値が出ています。さらに、中国におけるカフェイン消費量のうち、約95%がお茶(コーヒー以外)によるカフェインだといいます。

一般的にコーヒーと緑茶を比べると、コーヒーの方がカフェイン量が多いといわれています。一概には言えませんが、日本人はよくコーヒーを飲み、中国人はあまりコーヒーを飲まない、もしくはカフェイン量がコーヒーよりも少ない飲み物を飲むことが多いといえるかもしれません

また、スターバックスコーヒーで販売されているドリンクが、いつ購入されているかその時間帯についても紹介されています。
アメリカではモーニングの時間帯が50%以上を占めるのに対して、中国では16%となっています。
さらに、オフィス街やビルの1階よりも、デパートなどの大型ショッピングモールに店を構えていることが多く、中国ではショッピングの休憩やランチ後のティータイムにカフェを利用する人が目立つようです。


ティースタンド=紅茶 ではない

日本では、ティースタンド=紅茶というイメージがあり、タピオカミルクティーなどを中心に扱っている紅茶専門店と認識される場合があります。しかし、中国では紅茶のみならず緑茶やウーロン茶などを使ったドリンクを提供する店も増えており、紅茶と限定することはあまりないようです。
よって本記事でも、ティースタンド=紅茶に限らずドリンクをテイクアウト中心に提供する専門店と定義させていただきます。

日本も同様ですが、ティースタンドは一定の盛り上がりは保ちつつも、何度か起きたブームに伴って業態や価格帯、商品などが変化してきました。
現在は質にこだわった商品が人気を集めているようです。


タピオカミルクティーを超えたティーの盛り上がり

日本でも一大ブームを巻き起こしたタピオカミルクティー。そのブームはこれまでもありましたが、近年の盛り上がりによりバラエティ豊かなドリンクを販売する店舗が増えてきました。台湾がその発祥の地とも言われており、世界中に店舗を展開をしています。

中国でもタピオカミルクティーの盛り上がりはあるそうですが、特に近年は質を追求したティースタンドも増えており、消費者はそれぞれ自分のこだわりを探すという楽しみもあるようです。

CHReportメンバーのキタさんに、ティーのこだわりについて聞いてみると、チーズティー発祥の店とも言われる「HEYTEA」がお気に入りだそうです。

よく飲むタイミングを聞くと、火鍋など外食する際に持ち込んだり、ティーブレイクとして利用することが多いといいます。QRコード決済も進んでいることから、食事を楽しみながら合間でティーをオーダーし、待ち時間なく受け取るようにすることもあるのだとか。


米国で上場を果たした”奈雪の茶”

同じく中国発祥の「奈雪の茶」というティースタンドは、米国で上場も果たしており、2020年には日本一号店として大阪に店舗をオープンさせました。

奈雪の茶が店舗を拡大し、上場する規模になった要因はいくつかあると推測できます。

奈雪の茶
・都市部を中心に出店
・企業イメージ浸透のため、丁寧なブランディング
・直営店による店舗拡大
・商品そのものの質を追求

特に若い世代に人気のティースタンドは、日本でも中国でもまだまだ未発達の業界です。流行に左右されやすいイメージから、固定客への獲得に向けて、バラエティー豊かな商品の開発など各社しのぎを削っています。

例えば、世界で4500店舗を展開し、日本でも都市部を中心に多数出展している”CoCo都可”は、フランチャイズで店舗を拡大しています。
ドリンクにタピオカをトッピングする比較的シンプルな作りで、比較的安価なため若い世代に手に取りやすいブランドとして認知されているようです。

一方で奈雪の茶は、直営での運営にすることで、本部の一括管理のもとイベントや商品企画など大規模に行うことが可能です。その結果、奈雪の茶のブランドイメージを保ちながら知名度アップを狙っています。
また、お茶そのものの質を追求することにこだわることで、高級で高品質のある商品というイメージを確立しているようです。


中国ティースタンド業界に進出する際はもちろん、日本や中国でカフェビジネスを展開しようとする場合、消費者が何を求めているか把握する必要があります。現在の中国では、コーヒーより茶が好まれ、丁寧にこだわった製品が支持されていますが、市場が未発達ゆえに今後変化が起きる可能性も高いといえます。

ビジネスにおいて変化が起きやすい中国消費者の動向を知る上で、市場の把握は必須項目と言えるでしょうCHReportはリアルタイムな中国消費者の動向をレポートにし皆様にお届けします

CHReportではVOC(Voice of Customer)を集める上で、ターゲットが関心を寄せるホットトピックや購入商品評価などを多角的に分析しています。そしてそれらを製品・運営戦略を判断する材料として役立てていただくために提供しております。
ビッグデータを活用し、CHReportにしか収集・分析することのできない貴重な中国現地の情報をもとに、ターゲットの視点・思考を的確に分析し、戦略の立案に繋げます。


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最後まで読んでいただきありがとうございました。次回もお楽しみに。



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