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中国生まれアメリカ育ちのファッションブランド「SHEIN」の正体!


SHEINとは

中国のファストファッションブランド「シーイン(SHEIN)」

2008年に創業し、中国の南京を拠点としているSHEINですが、ターゲットはアメリカやオーストラリア。

中国に拠点を置きながらも、中国市場へは参入しておらず、アリババやタオバオといった中国で一般的なeコマースより認知度は低いでしょう。しかし、このSHEINは中国の小売業界の最も新しいデカコーン(評価額100億ドル以上の未上場企業)として、世界的に成長を遂げているのです。



どんな商品がある?

価格帯は1,000〜2,000円台のものも多く、Z世代をターゲットに絞った戦略が特徴的です。InstagramやTikTokのインフルエンサーとタッグを組み若者を惹きつけ、割引コードを大量に提供しています。その結果、10代の若者以外にはあまり知られていませんが、一方で若者からの人気は高いようです。


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(タオバオに出品されているSHEINのページです。1,000円前後で販売されています。)


日本向けのECサイトは展開していませんが、一部のファッションに敏感な人々からは人気があるようで、SHEINの商品が買えるマーケットサイトも存在しています。

しかしそういったマーケットサイトを利用すると価格が高くなってしまい、SHEINの魅力の一つである低価格の面が薄れてしまいます。なので、日本のユーザーの中には、海外のECサイトを利用して購入する方もいらっしゃいます。また、そんな方々のために利用方法を指南するサイトもいくつかありました。


中国在住メンバーに聞くSHEINの印象

中国在住メンバーにSHEINの知名度について聞いてみたところ、中国ではかなり知名度は低いようでした。
SHEINがタオバオに出品し始めたのは2020年4月と一年未満であることに加え、販売のターゲットが海外中心であることからあまり中国人には知られていないだろうとのことです。
ZARAとタオバオのアカウントフォロワー数を比較すると、SHEINが約7万人なのに対してZARAは約2321万人に登ります。

中国のファッションに敏感な人達は、海外で人気が高いという盛り上がりやニュースによって逆輸入でSHEINを知ったのではないかと推測しています。


ビジネス視点でみると・・・

SHEINはD2C(Direct to Consumer)という手法を取っています。D2Cとは自ら企画、生産した商品を広告代理店や小売店を挟まずに、消費者とダイレクトに取引する販売手法です。

商品の設計や企画の段階からインターネットでトレンドをリサーチし、製造や在庫管理などが柔軟に出来る独自の管理システムを活用することで生産にかかるコストや時間をできるだけ最小限に留めることができます。そうして出来上がった商品をSHEINが直接消費者に届けることで、低価格を実現しているのです。

米国市場向けの商品は、中国広東省佛山市にある倉庫から、カリフォルニア州ロサンゼルス近郊の倉庫に向けて出荷しています。受注から配送まで10日以上かかる場合もありますが、それでも価格や製品の魅力が評価され、顧客が定着しているようです。

さらに、かつて低価格実現のために一般的だった大量生産をやめ、小ロットで繰り返し生産する方法を採用しています。これによって、消費者の反応や流行を随時フィードバックし、生産量を調整、ヒットを生み出す確率をあげていくそうです。

日本でもD2Cで展開、成長している企業は多く、最近は事例がふえてきています。

SHEINはこのような手法で急成長し、一時、時価評価額158億ドル(約1兆6,000万円)を超え、売上高は公開されていませんが、年間100億ドル(日本円1兆円程度)を超えるのではないかとの見方もあります。

今後は、将来に向けモバイル決済や実店舗の開業など複数の事業に目を向けているとみられます。

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