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【調剤喫茶】薬局に栄養士を

こんにちは。薬剤師のいしまるです。

本日はこちらで紹介した、私の野望でもある調剤喫茶farmateíaについて掘り下げていこうと思います。

〜栄養士さんの力が借りたい〜

私の望む薬局には、栄養士さんがいます。
これは企画当初からの絶対条件です。
私たち薬剤師は、糖尿病や肝臓病,腎臓病などにより食事制限を行う必要がある患者さんや、フレイル(虚弱)と言われる栄養失調に悩む方、もしくはそのご家族と日頃から多く関わります。

しかし残念ながら、薬剤師は栄養学の専門家ではありません。もちろん一応は勉強して来ているので、キホンのキ程度の知識はあるつもりですが、患者さんに提供するには浅はかな知識です。

薬局でよくある場面として、
例えば糖尿病の患者さんから「糖分は避けるようにしてるけど、考えすぎて食うものなくなっちまうよ」と言われたり、「食事制限までは良かったんだけど、貧血になってしまって。栄養足りてないって言われたけど、どうすればいいの?」と聞かれたりすることがあるのです。

…いや、この程度ならまだ良い方かも知れませんね。「コレとコレならどっちがいい?」なんて質問もたまにあるので、ビクッとします。

薬剤師として、栄養学のキホンのキを患者さんにお伝えするまでは、これまでもどうにかやってきました。でもその度に考えさせられるのが、「言葉で言うのは簡単」ということで、私には調理法やレシピまで含めた具体案を提案する能力がないのです。
口先だけでは、患者さんは薬剤師のことなど見てはくれません。「はいはい、またそれね。そんなことはわかってるんだよ、」と言って信用獲得には繋がりません。そこでビシッと回答できるかは、その後に良い関係が気付けるかに大きく関わると思います。
そこで私は栄養士さんに頼りたい。

恐らく「コレとコレならどっちがいい?」に対する答えは「含まれている栄養を考えればAがいいけど、毎日食べるにはレパートリーが出せないから、その点ではBの方がいいかな。ただBは高価だから、Aを○○して△△と一緒に摂るといいよ!」など多角的な回答になるべきだと思うのですが、私にはこの手の知識はまるでありません。

一時は自分で勉強しようとも思いましたが、どう考えたって私は私の仕事をするべきだし、私の仕事は薬と経営です。そこに時間を割くべきではない。さらに私がいくら片手間に学んだところで、本物には絶対に敵わない。

では患者さんとの会話の中で、具体案を示す必要が生まれた時、「そこの喫茶スペースにいる栄養士さんに聞いて見よう!」と提案が出来たらどんなに良いか。患者さんもきっと喜んでくれるのではないでしょうか。しかもそこで提供されている食事メニューで、実際にそのアドバイスを試すことが出来たら?家でつくりたいと思った時、そこのレシピを持ち帰れるとしたら?その調剤喫茶はきっと頼りになる。これが栄養士さんのいる薬局を作りたい一つの理由です。

〜より身近な相談窓口を目指して〜

そしてもう一つ。気軽に通える薬局のデザインについても、栄養士さんの力を貸して頂きたいと考えています。

薬剤師と患者さんの会話は、現状多くても月に1-2回程度ですが、喫茶店には週に1回以上足を運ぶ方もいるでしょう。そのお店でで提供される質の高い食事を目当てに、患者さんが来てくれれば、私たちはその患者さんのことをより多く知ることが出来ます。

お互い顔を合わせる頻度が多ければ、困っていることも話しやすくもなるでしょうし、相手のことを知っているほど、信用もしやすいと思います。

私としては、処方箋がない時にも是非来店していただきたい。もっとたくさん会話をして、もっとたくさん利用してほしい。という想いがあるので、これは理想的な構図といえます。薬局だけではどうしても近寄りがたくなってしまうので、そこに来る理由を作って頂きたい。これが栄養士さんのいる薬局を作りたい2つ目の理由です。

※この先の文章について解釈の相違がありました。
現状薬局での算定は難しいそうです。(2020/5)

〜外来栄養食事指導料が算定可能に〜
最後に、今年度改定された診療報酬2020にて、念願の外来栄養食事指導料に条件緩和がなされました。これまで同指導料の算定には「医師の指示のもと、医師の勤める医療機関に所属する栄養士に指導を求めた場合」にのみ算定可能だったのですが、「他の医療機関に対して指導を求めた場合」の要件が追加されたのです。つまり、今まではボランティアでも行うべきと考えていた薬局での栄養指導について、指導料が算定できるようになったわけです!(これには正直ガッツポーズでした…!)診療報酬も味方をしてくれている気がしました!この波に乗らない手はありません。
詳しくはくりちょこ編集委員会さんの記事に書いてくださっていたので、是非覗いてみて下さい。


〜おわりに〜

いかがだったでしょうか?
少しでもこの想いが届けば良いのですが。
今回は食事についてがメインとなってしまったので、また次回以降、一つ一つのアイデアについて掘り下げていこうと思います!

サポートありがとうございます! 栄養ドリンクに変えさせていただきます!!💪