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【調剤喫茶】farmatería②

こんにちは。調剤喫茶の薬剤師いしまるです。
本日は調剤喫茶に込める想いをまとめました。
(2020年7月時点での考えです)

~理念~

調剤喫茶farmatería(ファルマテリア)にはいくつかの想いがあります。

①病気や病人だけではなく、その地域のすべての人を支えたい。
②処方せんがなくても立ち寄れる口実を提供したい。
③1分1秒でも満足した時間を過ごせる集会所をつくりたい。

④主役はあなたであることを伝えたい。

①病気や病人だけではなく、その地域のすべての人を支えたい

さて、いきなりですが
「町の医院・町の薬局の利用者は病人でしょうか?」

当然、病気やけがで通院している方もいるでしょうが、利用者の大半は病状が安定しており、自覚症状はほとんどありません。肌感ではありますが、利用者自身が自分のことを病人と思っていないことも多いです。

「患者の自覚が足りない」「病人は病人らしく振舞うべきだ」という人もいますが、私はこんな利用者さんたちにこそ寄り添いたい。それこそが町の薬局の存在意義だと考えています。彼らにとっては毎日が服薬日で毎日が治療中ですが、その毎日は特別な日ではなく日常。その日常を支えるのが町の薬局であり、地域密着型のあるべき姿と考えます。

ただ日常を送っている人を”病人”と呼ぶのは不自然ではないでしょうか。ましてやそのような利用者が大半を占めるのであれば...。

したがって、farmateríaでは利用者を”病人”と定義しません。
病人だけではなく、その地域のすべての人を支えます。



「すべての人を支える」と豪語した以上、地域の方には広くかかわる必要があります。farmateríaを利用していただかなくては、支えようがありません。

②処方せんがなくても立ち寄れる口実を提供したい

調剤薬局は、これまで処方せんに依存したサービスを多く提供してきました。この歴史が調剤薬局を処方箋なくしては入りにくい場所にしてしまったことは間違いありません。これまでに積み上げてしまった歴史を覆すには、新たな歴史が必要です。

farmateríaでは、従来の「処方せん薬を受け取る場所」というイメージを払拭するために、「処方せんがなくても立ち寄れる口実」を提供します。

そのために喫茶は最適でした。
「ちょっと休憩」の気持ちで気軽に来店できるからです。

余談ですが、私は喫茶店の店員さんと話すのが好きです。
(喫茶店に限らず、どこでもなのですが、、、^^;)
年配のお客さんと店員さんの会話を聞いていると、健康や病気・薬に関する話題が多いことに気づかされます。薬局では、必死に関心を持ってもらおうと努力しても報われないのに、喫茶店の店員さんとはその話をするんです。私が目指す薬剤師はこんな店員さんのような薬剤師です。

喫茶以外にも、来店の口実となるような非処方せん依存型サービスとして、以下のようなものを考えています。
・薬剤師による市販薬・医療用医薬品の販売、受診勧奨、病院紹介
・管理栄養士による栄養相談・栄養指導(オープンスペース、個別面談)、体質に合わせたメニューの提供、レシピ公開、料理教室
・ハーブ・アロマセラピストによるハーブティの提供、調香、オリジナル商品の展開、香りの相談室の開催
・社会福祉士による利用者・利用者家族の生活・介護支援相談
・利用者によるイベントの開催...etc


③1分1秒でも満足した時間を過ごせる集会所をつくりたい

②の具体例にも表れておりますが、farmateríaで提供されるサービスの多くは滞在時間を長くし、満足な時間を過ごしていただくことを意識しています。

薬局で薬剤師に与えらえたお話の時間は、長くて3分といわれています。
この3分間で薬の使用状況や副作用のキーワード、生活上の困りごとなどをサポートするのは正直困難と言わざるを得ません。

それを無理矢理引き出すために、薬剤師の"服薬指導"は質問を繰り返しがち。そしてこれがまた利用者さんの満足度を下げるという負のスパイラルを形成しています。また質問形式の非日常的な会話から成る服薬指導で日常を聞き出すこともまた難しいでしょう。私はこれをどうにか変えたい。

farmateríaでは1分1秒でも長くお店に滞在していただき、リラックスした時間を過ごしていく中で自然な会話を促し、その日常の中で最適な情報提供をしていきたいのです。

④主役はあなたであることを伝えたい。

これはfarmateríaとしての最終目標です。

医療は病院が行うものでも、薬局が行うものでもありません。
すべての人々がそれを求めて、享受するものと考えています。
我々はその一助となるべく知識や場所を提供しているにすぎません。

利用者自身が医療に関心を持ち、自ら最適な医療を選択していく環境づくりのために、私はfarmateríaを提供していきます。

ゆくゆくは利用者さん同士がお互いの持病やハンディキャップを話し合い、お互いを補い合えるような環境形成のために、我々を上手に利用してくれる地域が作れたら嬉しいです。

サポートありがとうございます! 栄養ドリンクに変えさせていただきます!!💪