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ちょっと気になったデザイン 2023年3月

こんにちは、ちょっと株式会社の久保田です。

春がやってきました。
弊社オフィスがある中野周辺も桜が咲きまくりで、窓から見下ろす桜並木が壮観だったりします。

天気がイマイチだった3月27日のオフィスから撮影

気持ちのいい季節がやってきました。
今月も気持ちよく気になったデザインをピックアップしてみました。


WBCの熱狂の中で見たUSAのロゴ

いやぁ、WBC盛り上がりましたね。
予選ラウンドからテレビ中継に釘付けでした。やっぱ最後にトラウトを仕留めた大谷のスライダーは何度見ても鳥肌モノです!

その決勝戦で対戦したアメリカのユニフォームに付いているUSAのロゴがカッコいい!
調べてみたら第1回から使われているロゴなので、17年前のデザインが今でもカッコよく見えるのって凄いデザインだと思います。

真ん中のSが風になびくストライプ旗に見立ててデザイン。
ナショナルカラーの青と赤を使っているのも相まって、これぞアメリカ!ってパワーを感じるロゴになっています。
本当にカッコいい。なんで今大会まで気付かなかったのか・・・。

ロゴとは離れた余談になりますが、もうひとつ気になったのが袖のアメリカ国旗が左右反転になっている点。

打ちまくっていたターナーの画像引用元:The Sporting News

これも調べてみて分かったのですが、アメリカ国旗の中で最も重要なのは「星」の部分で、これが前方(=進行方向)に位置しないとダメってルールがあるらしい。
もう少し付け加えると垂れ下げる場合は必ず星が上になるように下げるのもルール。

このルールに則って右袖にフラッグをつける場合は逆向きになる。
車などでも右側に国旗をプリントする場合は逆にするそうです。

シンメトリーな日の丸に馴染んでいるから、国旗にそんな概念があるなんて思いつきもしませんでした。
左右非対称なデザインだからこそのルール。
そして国旗のデザインにも詳細な意味やプライオリティが決まっていること。

形や見た目よりも意味を大事にする。
見慣れているアメリカ国旗から、デザインってこういうことだよと改めて教えてもらった気がしました。


マクドナルド『あなたと働きたい。』キャンペーンのビジュアル

マクドナルドが今月から実施している採用キャンペーンです。特設サイトもあります。
卒業や入学のタイミングを狙ったキャンペーンで、特設サイトではWeb限定CMまで公開されています。相変わらず面白い。

気になったのは「あなたと」「働きたい」の縦組の並べ方。

このモヤモヤに何度ぶち当たってきたか分かりません。私自身、何度も何度も悩んだ末にモヤモヤが残りつつ左→右に組みます。
これってデザイナーなら誰もが経験することじゃないかと。モヤモヤ。

縦書きの場合は右から左に読み進める。逆に横書きの場合は左から右に読み進める。
どこかに定められているものではないのかもしれませんが、常識というか不文律というか決まりごととして身体に染み込んでいるものです。

しかし同じ紙面に縦書きと横書きが混在してしまう場合は・・・
経験上、なるべく混在を避けるか、もしくは縦書きテキストを1行だけに収める。そんな対応でなんとか逃げてきました。
しかし、どうしても複数行になってしまう場合は逃げ道がありません。どうしようもない。
このマクドナルドと同じように最終的には左→右に組むことを選んでますが、どこか気持ち悪さを残しながらアウトプットしてきました。

これ、特設サイトのバナーよりも店舗で使われているトレイシートの方がモヤモヤ感が強かったです。紙だからかな?
モヤモヤするのはデザイナーの職業病? もしかして私だけ??

そして全く関係ありませんが、瀬戸内レモンタルタルベーコンてりたま美味しかったです。
「めっちゃ、春じゃん。」って手書きタイポグラフィが凄く好きでした。特に“じ”の濁点。


PEPSIの新しいロゴ

結構大きなニュースだと思うんですよね。
つい先日報じられたばかりのニュースなので少ない情報しか流れていませんが、ブランディングに巨額を投じる企業なので、そのVI変更の意図や効果が気になります。

パッと見た印象としては懐古方向というか以前のイメージに戻したように見えました。
1960年代以降のロゴの変遷が以下の図です。

かなり頻繁に変わっています。
そしてここ近年は約5年サイクルで変更されている中で、現行の2008年バージョンは13年以上使われています。

この2008年バージョンはデザイン料が100万ドルだったとか、黄金比や万有引力の法則が取り込まれているとかエピソードが多いロゴです。
解説しているサイトを見ても理解できないレベルなんですが、とにかくめちゃくちゃ作り込んだロゴだったことが伺えます。

2008年バージョンの最大の特徴がpepsiの小文字表記。
このバージョンが現在まで長期間使われていることもあって、もうpepsiって小文字表記の方がしっくりくるほど馴染んでいる気がします。

しかし今回の新ロゴは小文字を捨てて大文字に戻しました。
現行バージョンの小文字表記をキープしたデザイン変更ではなく、また以前の大文字に戻すことには大きな意図があると思います。

ペプシコ社CMOの説明(インタビュー)を要約すると「大胆で力強いブランド」イメージに沿わないので大文字表記に戻したとのこと。
万有引力まで持ち込んだデザインに100万ドル、そして13年間も使い続けてきたロゴをサラッと否定しちゃってます。
オフィシャルで言っちゃうんだって驚いたのと同時に、その大胆さがペプシのブランドパワーを支えている感じもしました。

今回はロゴ変更の告知だけ。実際に変更されるのは今年の秋から。
日本でのペプシ供給元はサントリー。これまたマーケティングが上手い企業ですし、このリニューアルに際して大々的な面白いプロモーションとか期待できそう。
今から楽しみです。


相鉄・東急直通線開業記念ムービー「父と娘の風景」

デザインについてではなく、単純に感動したってだけです。(特設サイトはこちら
プロットやストーリー、演出が素晴らしいのはもちろんのこと、CGに頼らない制作過程が凄さに、ちょっと泣いちゃうくらい感動したって話です。

初見では違和感なく無意識に見ただけでした。
ところが公開されているメイキングを見ると緻密な計算とマンパワーによる大掛かりな撮影だったことが分かり・・・

日常では考えられないシーンに対して「どうやって撮ってるんだろう?」って興味をもたずにスルーしてしまうこと、CG合成に慣れ親しんでしまった弊害かもしれません。

やっぱ色んな人が集まって、創意工夫を凝らして、全員が同じビジョンを持って生み出される作品は素晴らしい。
テクノロジーは依存するものではなく、使いどころを見極めてこそ最大効果を発揮するものなんだと。


・・・


以上でした。
今回から話題のChatGPTを使いながら記事テキストを起こしているのですが、なかなかイメージしている文体にならず苦戦してました。
ここをスムーズに導けるスキルの重要性を痛感しました。

新しい年度、新しい案件、そして新しいメンバーと来月は新しいことだらけになりそうです。
それでは。


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