春にして君を離れ_3

【らしくない作品】には本心が?【らしくない態度】にも本心が?


「ミステリーの女王」とよばれるアガサ・クリスティーにとっては、
「春にして君を離れ」は【らしくない作品】です。
殺人もなければ、謎解きもありません。
ミステリーの女王が書いたミステリーじゃない作品。


主人公ジョーンが旅先で足止めをくらい、
過去の出来事を回想するという設定です。
優しい夫に、可愛い子ども達、完璧な家庭
そこに次々と疑問が生じて・・・


この作品は恐ろしいほどリアルです。
そして私には、アガサ・クリスティーが自身の、
心の奥底を表現しているように感じてなりません。


話は本から離れますが、
先日「常に温厚かつ笑みを絶やさない」人が、
話し合いの最中に怒りのあまり、
いきなり席を立ち帰ってしまいました。
【彼らしくない態度】でした。


その時の彼の怒りは、
取り繕うことのない本音でした。
「ここからは譲れない」といった、
普段はしまってある彼の心の奥底です。


時には作家の「いつもと違う作品」を選んでみましょう。
普段の生活では「あれ、この人にこんな一面が?いつもと違う」
という場面はしっかり見届けましょう。


【らしくないと思われる部分】にこそ、その人の
心の奥底が見られると思うのです。




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