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脂質代謝に対する前提条件

こんにちはーちょんまるです!

今回は脂質について間違えやすい前提条件をお話ししていきます。

悪者扱いされがちな脂質ですが、本当に悪者なのでしょうか?

その真相についてお話ししていきます!



脂質はカットするべきなのか?

結論から言うと摂取すべきです。

まず大前提として、脂質は必要不可欠なものです。

以前の投稿でも書いたのでここでは詳しく書きませんが、ざっくりいうと脂質はATPを作る上で最も効率の良い栄養素です。

そしてホルモンや核膜、細胞壁などを形成します。

体温を維持してくれているのも脂質になります。

コンテスト選手などは人間のレベルを超えたところまで減量するので、脂質を極端にカットして減量することはよくあることですが、一般の方は果たしてそれは正しいのでしょうか?

厚生労働省によると、脂質は1日の総摂取カロリーの20〜30%摂ることが好ましいとされています。

と言うことは1日2000kcal摂取している方はそのうちの400〜600kcal脂質を摂取すると良いと言えます。

これらのことから脂質はしっかりと摂取すべきだと言えます。



どのような脂質を摂取すれば良いのか

脂質は大きく分けて、飽和脂肪酸と不飽和脂肪酸の2つに分けられます。

皆さんの中にも

飽和脂肪酸=悪いもの
不飽和脂肪酸=良いもの

というイメージがあるのではないでしょうか?

その体に良いと言われている不飽和脂肪酸ですが、さらに一価不飽和脂肪酸と多価不飽和脂肪酸に分けられます。

多価不飽和脂肪酸はさらにオメガ3とオメガ6に分かれます。

オメガ3はフィッシュオイルなどに含まれていて、α–リノレン酸、EPA、DHAは体に良いとして割と有名です。

つまり、不飽和脂肪酸はコレステロールを下げ、飽和脂肪酸はコレステロールを上げるため、不飽和脂肪酸を摂取する方が良いとコレステロールベースで考えられがちですが、これは実際どうなんでしょうか?

そのことについてお話ししていきます。




コレステロールは悪者なのか?

先ほどお話ししたように、コレステロールベースで脂質の良し悪しを決めるのはどうなのかと言うことについてですが、結論から言うとあまり正しくないです。

確かにメディアなどでは、コレステロールを上げないために飽和脂肪酸よりも不飽和脂肪酸を食べましょうと言われます。

しかし、コレステロールも体にとっては必要不可欠なものです。

コレステロールは、体内で合成できる数少ないビタミンである、ビタミンDの前駆体であり、細胞膜を作っているのもコレステロールです。

一時期マヨネーズや卵などを食べるとコレステロール値を上げるので良くないと言われていましたが、2015年にアメリカと日本でコレステロールの上限量は撤廃されました。

撤廃された理由は簡単で、体に大した悪影響がないからです。

体内にあるコレステロールのおよそ80%は体内で合成されており、食事から摂取されるコレステロールはおよそ20%にすぎません。

仮に大量のコレステロールを摂取して割合が食事から30%となった場合、一時的に体内のコレステロール量は増えますが、すぐさま制御機構が働いて体内の合成量が70%になり一定量を保ちます。

つまり一瞬コレステロール量が上がる時もありますが、中長期的に見るとホメオスタシスが働いてコレステロール量が均一に保たれます。





善玉・悪玉コレステロール

これも聞いたことがあるかと思いますが、コレステロールには善玉(HDL)コレステロールと悪玉(LDL)コレステロールがあります。

善玉と聞くと良いコレステロール、悪玉と聞くと悪いコレステロールと言うメージがあると思いますが、この2つの違いとしては低密度か高密度かと言うだけです。

コレステロールは水に溶けないため、リポタンパクとなって血中を移動し必要なところに届けられます。これがHDL、LDLになります。

HDLコレステロールは末端や血管にあるコレステロールを肝臓に戻す役割をもちます。

LDLコレステロールは反対に肝臓から全身にコレステロールを行き渡らせる役割を持ちます。
そこで血管などにLDLコレステロールを残してしまうと動脈硬化などの原因になってしまうため悪玉と呼ばれます。

この善玉と悪玉の合計値がコレステロール値となりますが、コレステロール値が高い方と低い方ではどちらの方が死亡率が高いかわかりますか???

その真相についてお話しします。




コレステロール値は高いと死ぬ?

悪者扱いされ続けてきたコレステロールなので、コレステロール値が高い方が死亡率も高い気がしますが、実はコレステロール値が低い方が死亡率が高いことがわかっています。

面白いですよね!

これについて、韓国で行われた大規模な研究があります。

2001〜2013年の間に定期健康診断を受け続けた人1300万人のコレステロール値と死亡率の関係を探ったコホート研究です。

そもそも被験者が1300万人という半端ない数での研究なので、この研究結果は信憑性が非常に高いのではないかと思います。

この研究によると、被験者1300万人のうち70万人が亡くなってしまったということなのですが、被験者の平均コレステロール値と死亡率を相関グラフにしたデータがこちらです。


コレステロール死亡率相関グラフ


これを見てわかるように、U字カーブを描いています。

コレステロール値が高すぎても死亡率は上がっていますが、低い場合はさらに死亡率が高いことがわかります。

これは男女でも若干違いますが、年齢でもさらに変化します。


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このように、コレステロール値が210〜230くらいでは死亡率がどの年代も比較的低く、特に35歳以上になるとコレステロール値が180を切ったあたりから死亡率が高くなっていることがわかります。


このことから、コレステロールを気にしすぎて全く摂らないというのはかえって死亡率を上げてしまうのではないかと言われています。

しかし、コレステロール値が高すぎるのも死亡率が高くなるのは間違い無いので、遺伝的にコレステロール値が高い家系の方は低コレステロール食を意識的に食べることをお勧めします!


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