腹横筋
内腹斜筋に覆われ、側腹の筋では最も深層に位置する。
内臓を収める腹腔の内部を圧迫しお腹を凹ませる働きを持つ。
息を吐く働きの主力筋。
横隔膜と拮抗的に働き、脊柱の働きには関与しない(安定化させる)。
起始停止
起始
①腸骨稜の内側唇
②鼠径靭帯
③ASIS
④胸腰筋膜の深葉
⑤第7〜第12肋骨の内側
停止
①剣状突起
②白線
③恥骨
働き
肋骨の下制、脊柱の安定化
役割
脊柱のアライメントが歪まないように保ってくれている。スタビリティを保っている。
ドローイン
息をフウーーーっと吐き出して、腹筋を綺麗に見せる時の状態をいう。(コンテスト選手のポージングの時)
ドローインをすることで肋骨が下制し腹腔のスペースが狭くなり、圧がかかる。
よって脊柱の安定度がます。
ドローインがうまくできているかどうかの判断基準
①仰向けに寝る
②膝を立ててリラックスする
③息を吐いていく
この時、ASASの指二本分内側のちょい下が最初から膨らむようであればNG
最初は少し凹んでいき、最終的に膨らむというのが正しい。
位置
腹横筋の上には横隔膜、下には骨盤底筋群がある。骨盤が前傾していると骨盤底筋群の向きは前向きになり、胸郭が広がると横隔膜も前側に向く。つまり、腹腔内圧がうまく入らない。腹圧が弱くなる。
ウエスト
腹横筋は腹筋群の中で最も深層にある筋肉。腹筋運動で鍛えていくのではなく呼吸、つまり腹式呼吸やドローンでしか鍛えられない。
この呼吸でしか鍛えられない筋肉は、腰痛予防になるだけではなくウエストの引き締めにもなる。
腹横筋は鍛えていくと、外側に広がるのではなく内側に締め付けていくような働きがある。
つまり鍛えればウエスト引き締め効果があり、肋骨が前に浮き出るというようなこともなくなる。
胸腰筋膜
腹横筋は腰椎のスタビリティを保つために重要な胸腰筋膜に包まれている。
他にも胸腰筋膜に包まれている筋肉は、内側でいうと内腹斜筋や腰方形筋、大腰筋、多裂筋がある。これらが一体となって腰椎のスタビリティを保ってくれている。
外側でいうと、広背筋、脊柱起立筋を介して大臀筋についている。
つまり右の広背筋から左の大臀筋に斜めに向かってついている。(クロスするようにつながっている)このことから人間が最も安定するポジションというのは、しゃがんだ状態で大臀筋と広背筋がともに収縮している状態だとわかる。
ぽっこりお腹
腹横筋が機能していない、あるいは弱いと内臓が前にこぼれ落ちてぽっこりお腹になる。腹横筋をしっかり鍛えることで内臓の位置を正しい位置に戻すことができる。
フィードフォワード
運動するときに最初に使われる筋肉。
例えば何かものをとるときに、脊柱が安定していないのにいきなり動くと背骨はポッキリいくことが想像できる。そこであらかじめ腹横筋で脊柱を安定させておくために動き出す0.02秒前に腹横筋が脳からの指令で働くようになっている。
一部研究では腰痛持ちの方は腹横筋の反応速度が遅かったり機能不全であると言われることがある。
そのような人はドローンをすると良い。
ドローインで鍛えれるだけでなく、筋肉の使い方なども体に覚えさせることができる。
腹圧
①息を吸う
②腹式呼吸でお腹を膨らます
③肺が膨らみ横隔膜が下に下がる。
横隔膜が下に下がることで内圧がかかりお腹が膨らむ。
④その状態で息を吐く。
ここで吐いた時もお腹の膨らみをキープするのがポイント。
息を吐くと横隔膜は上に戻るがお腹を膨らました状態をキープすると、腹横筋や内腹斜筋が働いて腹圧を保ってくれる。
この状態でプランクなどを練習すると良い。
これをすることで腰痛の緩和に繋がることもある。
ほとんどのクライアントに処方する。
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