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『ソーシャルネットワーク』感想・レビュー

どうも!chomminです!
初めてレビュー投稿をするので緊張しますが、正しく伝えられるように頑張ります!

今回ご紹介するのは、2010年公開の「ソーシャルネットワーク」!
Facebookの創始者マークザッカーバーグの起業時代を描いた物語です。
この映画はまだインターネットのプラットフォーム化が進んでいない時代、いわゆる明瞭期のネット社会で、天才的ITオタクであったマーク(ジェシーアイゼンバ-グ)と、その仲間たちがとあるサービスを考えるところから物語は始まります。

 この作品は公開当初から存在は知っていたのですが、食わず嫌いというだけで見ていなかったものです!笑 アカデミーノミネートもされてたのにね
 今更ですが、やっと見た作品のレビューを行います!
この作品の面白ポイントは、「サービスの着眼点」「合理と感情」「名声欲」の三つです。
 主人公のマークはITサービスにおいて特出したセンスを持っています。大学生でありながら、同じ大学生に向けてどのようなサービスが需要を持つかを考えます。そして、「コミュニティ活動の充実」が答えであると察知し、同じ講義を取っている人と自動的にマッチするサイト等、身近な環境の人とネットで繋がれるサービスを作っていきます。

「サービスの着眼点」
 これは大学構内だけだと見えない人と繋がれる点で、利用者のコミュニティを広げてくれる利点があるのですが、一方で「身近な人を扱う」ことによるリスクが露わになっていきます。それは、マークが恋人に振られた腹いせで作った、「Facemash」というサイトです。
 このサイトは、学生の情報がまとめられている大学サーバーに無断で侵入し、女学生の顔写真、その他の情報を抜き出して、女学生同士を比較して勝敗をつけるという、なんとも悪趣味なサイトです。
 このサイトは全学生の注目を集め、4時間で学内ネットワークをダウンさせてしまいます。このことが問題となり、理事会で犯行動機を問い詰められますが、マークは「学内ネットワークセキュリティの脆弱性を気づかせてあげた」というなんとも乱暴な屁理屈で、半年間の様子観察までに実刑を抑えました。この事件が噂を呼び、「全学生が自由にプロフィールを書けて、繋がれるサイト」を作りたいため協力してほしいと要望する学生が現れます。その依頼に応え、会社としての事業にまで持って行くのですが、支部拡大や数字の向上を優先したいがために、立ち上げメンバーとの衝突が生まれ、メンバー同士の裁判が行われてマークは苦しみます。さて、facebookの普及の裏には何があったのか、、、
 というのが物語の展開となります。

「合理と感情」
 当時のITは今よりコアな分野であったため、マークはいわゆる「オタク」でコミュニティにおいて劣等感を感じているようです。そのマイナスを埋めるために、よりIT能力を高めることに没頭していきます。学内向けサービスを発足したのもそのためです。故にITソリューションがマークの特技・アイデンティティになっていき、周りに対する自信の材料としてのみそれらを使ってしまうのです。プログラミングが得意なマークは人より物事を数学的にとらえる傾向があり、恋人と愛について語り合っても俯瞰的な発言しかできず、距離を取られてしまったり。事業拡大のため移住したNYで出会った経営者の売上主義的な意見に飲まれ、立ち上げメンバーに会社の口座を凍結されてしまったり、、、マークはそれらの結果に確かに罪悪感や不安を感じるのですが、それを素直に出す術を持ち合わせていません。
 マークは決して感情に乏しい人間ではありません。人並みに寂しがり、他人を愛し、他人に救いを求める人間です。しかし学生コミュニティにおいて、今までの経験上マイナーな部分に熱中している、少し変わった人物であるとなんとなく距離を置かれ続けた彼からすれば、自分の人間性に自信を持てなくなるのです。そのため、人間性ではなく自分の「能力」で周りに受け入れてもらおうという欲を、自発的に抱きやすくなってしまいます。その結果、周りとの繋がりよりも結果を重視してしまうという、なんとも本末転倒な行動を起こしているように見えます。

「名声欲」
 
マークの「ソーシャル(=人間関係)」に対するトラウマは、コミュニティそのものの改善よりも、自分のプロフィールの改善へと考え方がシフトしていきます。今まで人間社会を見てきた結果、人は他人の「肩書きタグ」に注目しているとわかったからです。コアで一見地味な分野に熱中するあの子は、盛り上がりにくくて暗い人、メジャーで躍動感のある分野(映画ではカヌー部でしたが)に熱中する人は、みんなが大好きなメジャーに人気のある容姿を持った明るい人、という風に、その人のプロフィール要素がその人の評価を大きく動かしえる、それがマークの「人間社会観」になります。振られた恋人にもカヌー部はイケメンばかりと比較されたマークは、そのカヌー部の二人から依頼されたFacebook作りをなんとかして完ぺきにこなし、劣等でないことを証明する必要がありました。しかしその結果、仲間の気持ちよりも数字を優先し、罪悪感に苛まれるという結果に陥り、自分が向き合うものが何かについて気づき始めるのです。

「感想」
 私がこの映画を見終わって一番最初に思い浮かべたのは、マークの孤独についてでした。マークは「ソーシャルサービス」にこだわる点で、決して人間関係に興味がないわけではないと思います。そしてそれは、映画冒頭で彼女に振られるシーンから始めることからも推察するに、「人間関係」について不得意な部分があるのでしょう。そのために仲間に対する愛情に自分自身が素直になれず、「会社の成功=自分の能力の昇華」という無感情な部分に救いを求めてしまう、経営者故の孤独がそこにはあるなと感じます。
 自分の人間性ゆえの欠点を能力や結果といったラベルの部分で補おうとする人はよく見かけると思います。そしてそんなタイプの人はいつでも、少し煙たがられてしまうことが多いと思います。しかしそんな人にこそ、自分の好きなことに向き合うのは自身はもちろん、他人を愛することにも繋がると教えてもらえるきっかけになる作品だと思います。既にSNSが普及した現在、SNSが普及する前のネット感覚にもちょっと戻れるタイムスリップな作品でもあると思います笑
 グランドイリュージョンでも開花していた、ジェシーアイゼンバーグの知的でスピード感のある演技も見心地の良さをもたらしてくれます。人間関係に悩んでいる方に、ぜひ見てほしいです。

 以上、chomminでした!
 また別の映画で、お会いしましょう🌙

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