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2月読了本「沖で待つ」絲山秋子 を読んで、会社の同期、上司に思うこと

先日、下記本を読みました。

私は、LINEの読書オープンチャットに入っているのですが、そこで紹介されていた本です。134回芥川賞を受賞している本だそうです。

あらすじ

第134回芥川賞受賞作。待望の電子化!

仕事のことだったら、そいつのために何だってしてやる。そう思っていた同期の太っちゃんが死んだ。約束を果たすため、私は太っちゃんの部屋にしのびこむ。仕事を通して結ばれた男女の信頼と友情を描く芥川賞受賞作。待望の電子化。「勤労感謝の日」「みなみのしまのぶんたろう」併録。

この本には、3つのお話が描かれています。

◉沖で待つ

会社の同期。新入社員で一緒に福岡に飛ばされ、切磋琢磨した主人公と太っちゃん。主人公がメーカーに務める総合職の女性ということも、自分を投影してグッときてしまいました。
会社の同期って、不思議な距離感だと思います。同じ時期に同じ会社に一緒に入り、どの部署に行っても苦楽を共にし、距離的には遠いけど近い存在。すでに会社を離れた同期もいるけど、それでも昔と同じ距離感で語らえる、稀有な存在なのかなって思います。

◉勤労感謝の日

訳あって退職した女性がお見合いする話。相手は会社大好きクズ人間。1番印象に残ったのは、お見合いを飛び出して後輩と飲みに出かけた際の後輩のセリフ。

「鳥飼さん、仕事で憧れってありました?」
「憧れ?」
「社内じゃなくても、この人みたいに働きたいとか、こういうふうになりたいとか」
「ない。一度もなかったね。」
「私もなかったです。これって私たちの不幸ですよね。総合職という場は用意されていながら、誰もビジョンなんて持っていなかった」
「沖で待つ」絲山秋子 p40

この本の舞台は、少し前の日本なので、総合職が始まったばかりの頃で、女性の扱いが今より難しかった時代だとは思いますが、古い体制の会社で働いている身としてははっとした部分がありました。
今の直属の上司はとても尊敬できる課長で、仕事の面でも課長のようになりたいな、とは思っているのですが、やはり男性的な面があることは否めないのです。かといって、女性営業は私より上にはおらず、目指すべき存在(イメージ)が湧いておりませんでした。
やはり、今の私に必要なのは、もっと外部に目をむけ、目指すべき働く像を考えることなのでしょうか。(それをもっと固めていれば営業で残れたかしら…あぁ…)

働く女性におすすめしたい本

何かしら琴線に触れるものがある本だと思いました。
本は薄く、サラッと読めるので、ぜひ読んでみて下さい。

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