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本が読めないと言いながらも本を読み続けることについて <むしろ読めすぎる場合>

6月中はひたすらに「読めない」を連呼していたにもかかわらず、7月になって急に「読め出した」。
意味がわからない。
読書時間が上がるのにつれて、文字を書く時間は減っていく。
インプットとアウトプットのバランスがとれることは、ついぞない。
だいたい、インプットできていない時はアウトプットもできない。
インプットしている時はアウトプットの時間がない(何かしらは脳内に蓄積されていく)。
吟味する時間がない。

読めすぎるのも、困ることがある。

マジで生活に影響する

本が読めすぎて、というか、シリーズものにどっぷりハマった際に、比喩ではなしに日常生活に支障が出ることがある。
わたしの場合、ここ数年は『本好きの下剋上』シリーズと「八咫烏」シリーズがこれにあたる。
別にこの2シリーズが特別なわけではなく、有栖川有栖にどっぷりだった時期、「十二国記」のとき、「図書館戦争」シリーズのとき、とシリーズにどハマりしてひたすら繰り返す時期がある。
これは近年の話ではなくて、昔からそうだ。
特に気に入ったシリーズはひたすら読みかえす。
読み返して読み返して、もうだいたい内容は暗記したよというくらいまで読んで、一度寝かしてから数年後に読み返す。
そういうことをずっとしている。

数年後、になればそれほど支障はない。
問題なのは、とにかくハマって読み返しまくっている数年の期間である。
日常生活を送るのが困難になる。

その1:電車を乗り過ごす

これが一番多い。
あ、次だな、と思って目を上げた後、気がつくと3駅くらい先にいる。
やばい、戻らなきゃ、と思って反対方面に乗って、よし、あと2駅。
気が付くと、降りる駅を1駅越えている。
大慌てで戻る。
これを4セットくらいやったときには、流石に相手方に断りの連絡を入れた。
遊びやらの予定ならまだともかく、出勤時にやると命が危ない。
1駅乗り過ごしただけで大変なことになる。
汗だくになって始業2分前に職場に着いたことがある。

その2:長風呂をする

お風呂に本は持ち込まない主義だ。
持ち込まない主義なのだが、最近は長編は電子書籍で買ってしまう。
つまりスマホを持ち込んでいつまででも読んでいられる。
さすがにスマホを水没させたことはないが、平日のくせに1時間以上湯船に使っていることがある。
自分だけなら問題ないが、家族がお風呂待ちをしていると流石に苦情がでる。
申し訳ない。

その3:睡眠時間を削る

これもありきたりだが大変な問題だ。
電子書籍の罪がここにある。
紙の本なら、電気さえ消してしまえば読めなくなる。
寝るしかない。
電子書籍だと、たとえ部屋の電気を消しても読めてしまう。
あと少し、もうひと段落、あと数ページ、もうすぐ読み終わるから、次の巻の最初だけ。
翌朝、しょぼしょぼの目と寝不足のぼんやりした頭を抱えて仕事に行く。
日中眠い。

ちなみに、紙の本でうっかり徹夜したことがある。
図書館から借りてきた「図書館戦争」シリーズ4巻。
夕方の4時ごろから読み始めて、お風呂、ご飯と中断し、布団にこもって「あとちょっと」と言いながら4冊読み切った。
朝の5時だった。
朝ごはんを食べて寝た。

その4:他のことに集中できない

そりゃあもう集中できない。
仕事に集中できないのは当然のこと。
いや、仕事はいいんだ、仕事と休憩の切り替えがスパンとできるということだから。
問題なのは、娯楽の方だ。
映画を見に行っても、直前まで本を読み、座席が明るくなると直ぐに本をとりだす。
映画の余韻そっちのけである。
せめて映画に想いを馳せろ、自分。
友達と会っても同じである。
待ち合わせまで読んでいる。
じゃあねと手を振ったらもう本に戻っている。
なんなら会話でも本の話をする。
よく愛想をつかれないなあ、と我ながら思う。
いい友人がいてありがたい。

読書の隙間を読書で埋める

紙の本を読んでいると、出先で読み終わってしまうことがある。
どうしよう。
SNSは極力開きたくない、となると、電子書籍で軽めの本を読むことになる。
その本が有栖川有栖なのか神坂一なのか阿部智里なのか香月美夜なのか、はたまた森薫なのかはそのときによる。
とにかく何かを読み出す。
家に帰ると、「次の本」がまっている。
わたしは主に移動中に本を読むので、次の本は次の日のカバンにはいる。
が、ここで電子書籍が邪魔をしてくる。
新しい本を読むか、昨日の続きを読むか。
これはその日の気分次第で、電子書籍をキリのいいところまで読んだら紙の本に移ったりする。
こういうときは、数冊平行して本を読むことになる。
隙間を埋める本は、基本的に既読本なので、それほど困ることはないが、これが物語×物語だとあまりよろしくない。
そうしてまた紙の本がなくなると、次の本を買うまで、といいつつ懐かしのシリーズに戻っていく。
物語×物語だった場合、うっかりすると、そこで懐かシリーズのほうにどっぷりして、「次の本」を探せなくなってくる。
できれば併読するのは実用書とかがいい。
そうすれば、世界に没入したまま別の本が読める。

そんな感じの現在

そんな感じで、現在わたしは「はじめて読む実用書」と「実家のような懐かシリーズ」を反復横跳びしながら読んでいる。
実用書の重みによって、間に挟まるシリーズものの冊数が増えたりするが、それはまあ問題ではない。
ないが、シリーズを読み切ってしまうと、次の隙間シリーズを選定しないといけないわけで、しかもあまりどっぷりいかないやつにしなければならなくて、ここの選書が意外と難しい。
難しいのは実用書も同じで、というか「新しい本」も同じで、新刊本だろうが古本だろうが、ぴぴっときたものしか手に取らないわたしは、ここで「読む本がない」ループに陥りかねない。

なるほど、「読む本がない」は、こうやって併読して行った時に、「身近な本」と「新しい本」、どちらも「これ」というものがない時に陥るのか。
そうかそうか。

傾向がわかったところで、これを一体どうしよう。

できることならば、何かを読んでいる時に「次の身近本はこれ」「次の新本はこれ」と候補を決められればいいのだ。
でも、読書の気分は本当に気まぐれなので、そう易々と自分の思い通りにならない。
未来の、明日の私の気分は、今日の私の思い通りにはならない。

今現在、わたしは2冊の実用書を抱えているのだが、「身近本」は「八咫烏」をひと段落読み終えて落ち着いてしまった。
電子書籍に入っていて最近読んでいないものといえば、有栖川有栖だろうか。
正直「またか」と思わなくないのだが、今読んでいる本がだいぶゴツいので、サブで持つなら紙の本でも小さめの本がいい。
そうするとやはり文庫になっているものが便利なわけで、こういうときに「久しぶりにこれを読もう」と思っている連中が軒並み単行本なのが辛い。
辛いけど、そろそろ読み返しのターンが来てもいいはずの本が何種類もあるので、いい加減そちらを読みたい気持ちがある。

あきらめて、文庫本を買うか。
それとも思い本を2冊持ち歩くか。

That is the question.

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