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"不妊"呼び反対運動

私は"不妊"呼びを反対している。
今更難しいのだろうか。
でも「不妊」って言葉をやめてみたら、それだけでもきっと妊娠する可能性が上がる人はグッと増えるんじゃないかと思う。

不妊治療、不妊症、不妊クリニックなど、不妊と言う言葉が世の中で通りすぎていてもう変えられないのだろうか。
でも不妊って言っても、不妊治療してる人はみんな不妊症っていう訳ではないし、不妊症って病気ということではないし、妊活っていう極めてポジティブな活動をしてるのに、「不」がつくだけで萎える。
しかも「不妊」という漢字って「不安」っていう字面と恐ろしいほど酷似している。
不妊という文字を見るだけで、不安になってしまうという暗示にかかっている。妊活ってメンタルステートが何よりも重要なのに、不安に引っぱられたら元も子もない。
日本は不妊治療大国らしいけど、冗談抜きにこの名称のせいも私はあると思っている。

一方、英語で不妊治療は何て言うかというと、Fertility Treatmentと言う。
Fertilityを直訳すると日本語は「不妊」という言葉しかないので、不妊になってしまうが、Fertilityの動詞はfertilize(受精させる)って意味なので、まるで逆のような意味なのだ。だから不妊ではなく、受精っていう意味に近い言葉のほうがやっぱりしっくりくる。
実際「不妊」っていう言葉がいけないって警鐘を鳴らしてる人はいっぱいいるみたいで、他の名称に変えようと、「望妊」っていう言葉があるらしく、それが結構勢いをつけてるみたいだけど、あまり認知度はないような気がする。というか、ぼうにんってタイピングして、自動変換されない時点でハードル高くて道のりが長い気がするし、そもそもぼうにんっていう読み方すら合ってるのかわからない。それでもあえて「望妊」って使ってる団体やクリニックは「不妊」って言わないようにする配慮がとてもあたたかいと思う。

今日犬の散歩をしてた時、スキンヘッドに限りなく近い坊主で尖ったファッションをしてた女性も自分の犬を散歩させていて、うちの犬のことについて彼女から話しかけられた。お洒落な人に話しかけられるとテンションが上がるし、今日この時間にこの散歩ルートに来て良かったって思える。話した後、その女性は二歩先の美容室に入っていった。その女性は美容師だったのだ。美容師なのに髪がない!と思った。まあ、髪をいじりすぎた挙句傷んじゃって切るしかなかったとか実情としては色々な理由はあるかもしれないけど、青く染めてたし、「あえて」坊主にしてるっていう感じだった。とにかく彼女のスタイルも振る舞いもカッコ良かった。NANAの世界から出てきた人かと思った。

脱線してしまったが、つまり何が言いたいかというと、美容師だから髪があるとかそういう固定概念に囚われてはいけない。坊主だってヘアスタイルの一つだし美容室はそういう色んな攻めた髪型を提案する場所でなければならない。
妊娠できないから「不」妊って言ってしまうのは、決めつけが早すぎる。不妊治療するための場所だから不妊治療クリニックって名をつけるのは安易すぎる。未来の自分のためにする卵子凍結とかは不妊治療ではないと思うし、色々な人に色々な可能性をもたらしてくれる活動や場所なのだからもっとポジティブな名前にするべきなのだ。

私の本音では、不妊治療が全部、受精治療とか、着床治療とか、もっと言えば、妊娠治療って直球に言ったらええやんと思う。
そしたら職場で「不妊治療してます。」って言いづらかった人も、全然言いやすくなると思う。
少なくとも「不妊」よりは絶対にもっと良い呼び名があるはずである。


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