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肩書きについて書こうと思ったけど、日常がたりでだいぶ長くなってしまった(星野源とユーグレナ篇)

書簡を貰ってからしばらく返信があいたが、そのあいだに、計算高い星野源ライブを見たり、ある企業の個人投資家説明会というのに出てみた。往復書簡ゆえ簡単に報告する。(と書いたが、書いてみて結構なボリュームになってしまった)

星野源ライブは一言でいえば自然体を大規模のなかでやるというものだった。服装、演出、MC、もろもろが自然体。終始パーカー姿の源氏だった。とはいえ、演奏はリッチ。バンド+弦楽器、管楽器、ダンサー入りでコスト高な感じのメンバーであった。かけるところにカネをかけていて好感が持てました。楽しめました。計算高かろうが、この人ソングライターとしてはちょっと他にいないなと感じました。弾き語りから打ち込みからいろんなバリエーションの曲があるんだが、メロディにどれも星野源らしさみたいなものを感じるし、イージーリスニングでありながら曲が凝っている。コード進行が多かったり、コピーするバンドキッズには難しい。そんなところも計算高いのです。きっと。褒めてます。ライブ報告はこれくらいに。

個人投資家説明会というのは、ユーグレナという会社。数年前から数口持っていて、だいぶ処分してしまったが、まだ一口投資しているので、せっかくならちゃんと話しを聞こうと会社まで足をのばした。(処分したお金で大学院の足しにしたので役立ってくれた)

この会社の最近の業績はイマイチで踊り場ともいえる。株価はさえない。俺がポジションとった時からはだいたい半値になっている。時々大企業との提携などサプライズなニュースが出るが、株価が上がりきらないのはいまの本業であまり黒字が出ていないから。キャッシュを稼ぐ食品、化粧品ビジネスが踊り場。それらは主に通販事業。いま流行りのサブスク的ビジネスですね。

今までは広告投資に対して比例的に売り上げが上がって来たのだが、広告効率が下がっている。いぬ氏は詳しそうだが、ようはダイレクトマーケティングの天井来ている感じ。で、BSの重い環境・エネルギー事業というのが立ち上がるかという全く別のビジネスも走らせていて結構大胆な事業をしている会社です。この会社はSDGsの環境的要請があるバイオジェット燃料の需要に対して市場創造できるかというのが爆発的になれるかの境目なんだけど、ストーリー通りにいけば芽が出始めていて5年後くらいにはカタチが見えてくるという感じ。バイオ関連株といえばそうだけど、最近の創薬ベンチャーバブル(なんです、先月くらいから)に比べればリスクは少なく楽しめる投資先という感じでもある。

最近経営陣が変わったのはあまり好かない。今まで取締役だった営業と開発のトップに変わって社外取締役の学者とコンサル?みたいな女性が入ってそれだけは反対票を入れた。ま、こういうの大体起案が通ってしまうのだが。赤字だし、経営陣を変える判断は正しいと思うのだけどね。より効率的な「普通の」会社になっていくのは株主的にはウェルカムと思う面と、戦略と現場の乖離が増していきそうなリスクと両方を感じている。

もう少しだけ書くと、HRの面で不安がある。実態は知らないが、事業の割にヒューマンさがあまりないイメージがある。それを確かめたくて説明会に行った。定性的だし、こういう意見はきっと捨象されるとは思う前提で俺自身の振り返りのために書く。

社長はビジョナリーだし、実質的な番頭の副社長は凄い理知的で戦略的にも安心。しかし、この会社ならではの「健康」というイメージが対面する社員からしなかった。この会社は人と地球を健康にしたいという理念でやっているのだが。頭が良すぎる経営陣と、実際に顧客接点になる社員の差がありそうなのだ。すごく定性的にいうと社員が「使われている」感じ。誇りが足りない感じ。説明会の感じでいえば、笑顔で接するというよりは、お金の出し手の個人投資家から怒られたくない感じ。一言でいえば叱責とか失敗を恐れる「ディフェンシブ」な感じ。説明会で丁寧に対応するのって大事なんだけど、スタッフの慇懃無礼な感じが「普通の」説明会だったのね。慇懃無礼が言い過ぎとしても応援してくれて「ありがとう」より先に、カネの出し手を怒らせたくないって感じかな。とはいえ、来場者も投資家としてカネ出しているからか上から目線のコメントもあるし、そういう雰囲気になりがちなのは仕方ない(だいたい説教したいおじいさんが多いのよね)ま、俺がもらった配布資料がミスプリだったりして、必要以上に厳しい目線になったりもした。

で、目下キャッシュを産まなくてはいけない通販事業のダイレクトマーケティングの人たちが疲弊してないかとか気になった。いちおう人事職的にはねwそういう感じを持った。数字あわせでは会社は悪化してないし、攻めの投資をしているんだけど、言ってみればダイレクトマーケティングの人らはキャッシュというガソリンの供給役ではあるけど、会社が社会から主に求められている環境ベンチャー事業からすると「脇役」なんで、経営陣が思う以上に卑屈になったり逆に稼いでいるんだと態度がでかくなったりするもんだから。

そんなで、モチベーターの存在がいるかどうかが気になった。社長だけでなく、現場で鼓舞する愛されキャラ的なアニキ、ネエサン的な存在が。そういう人で現場って持つじゃない。みんなが資本主義で勝てる猛者でもないし、生活のほうが大事なのが普通の従業員なんで。それをサラリーマンというし、どんだけ起業家のように働けと言えども実態はサラリーマンなんで。取っているリスクの度合いが違うのでベンチャーだろうが会社ではそれが現実なんで。

いぬ氏が最近好んでいる?幸福学的にはこの会社ならもう一段階欲しいという感じかな。でも、そうはいっても俺の幸福の考え方が最近のビジネスご時世にしては甘ちゃんなだけなんだと思いはする。ベンチャーでマイペースとか、IT業界でマイペースとか、上場企業でマイペースとか。じゃ、どんなところでマイペースで働けばいんですかwwとは思うけど。

でもさ、ちょっと踏み込んで書くと、主婦とか働き盛りの世代的には仕事への過剰なコミットばかりというのはしらけるんだと思う。言い換えると正社員としての求められるコミットと生活で大事にしたいことのバランスが悪くなる。主夫をやってて感じたあまちゃんな面の立場から、今しかかけそうにない感じたことだから書いておく。ま、俺なんかは出来るだけ生活コスト下げてインカムは少し下げてでもマイペースでやれる基盤をつくりたいと志向しているので、なんか違う働くかたちがないかなあとは思っているんだけどね。

ちょっとだけ会社をフォローしておくと、会社のトイレに、お客様の声の直筆アンケートが置いてあって、それは良いなと思った。ションベンしながら読むのもどうかとは思うがwなかなか難しいけど、いちばんいいのは、本当にずっと使ってくれていたり買ってくれた人を招いたり会いに行ったりして、生の声を従業員に聞いてもらう、というのが出来たら良いねと思ったりした。従業員は喜ぶだろう。今日もアテンド役でなく実売している社員の人らからはそういう雰囲気を感じた。

まとめとして、本当にザックリというと「コミュニケーション」の課題がまだまだありそうということだろうね。個人投資家向けにやっててIR積極的だし、オウンドメディアも始めているし、情報開示は多い会社だと思うけどね。贅沢な話、さらにヒューマンなコミュニケーションをHR的には社内で、マーケティングおよびIR的にはお客さんと深いレベルでやってほしいなというのが総じての所感でした。

ボリューム増えすぎるので今回は考察できないが、お金と働くということで最近気になった記事も関連でご紹介しておきたい。こういう考え方もあるのねということでリンクと引用だけ。俺も手を抜いて働きたいわけではないけれど、アスリート的に数値目標とギャップだけを指標にしたくないっていう感じがある。そうしないと人は(給与は)評価できないんだけど、そうすること(評価主義のみ)で損なわれる面もあるって感じてもいる。ユーグレナなんかも、きっと評価主義が進んでいるんだろうけれどさ。

僕は、社会的不幸とは何かというと、選択できないことだと思っています。今は、今の貨幣経済の仕組みの中でしか、誰もが生きていけない。だから、従っている。でも、本当はいや。もちろん、今の仕組みが好きな人もいます。今の競争社会の中、今の資本主義の中でやっていきたい人、成功する人もいるでしょう。でも、それでは生きづらい人や「違うんじゃないの?」と思う人も確実に存在している。いやだという人が選べるようにしたいんです

さて、肩書きの質問に答えられていなかった笑

肩書きについては、正直なにも思わないので書けない。肩書きがあればコミュニケーションが早くなるけど、ラベリングの弊害のほうが大きそうな気もしている。社長、とかはいいなと思う。責任が明確だから。名刺もつくってもらったラーニングファシリテーターはいい肩書きだけど、人材育成に興味がなくなったし、人の学びは勝手にするもので、人から押し付けられるものではないと思っている。企業の人材育成は押し付けて、それが言い過ぎなら方向付けるものであるが、それが嫌いだ。なので、ファシリテートよりもそもそものモチベーション(学びたいとかある価値に共感して働きたいと思っていること)のほうが大事だよなと思っている。

ちょっとeuglena社でいろいろ思っちゃって書きすぎてごめんな感じで。

Dag.

(画像は散歩で撮影したソニー創業の碑です。ま、ソニーが爆発的に伸びた時代は商いで社会を変えていける「パワー/実感」が原動力になったんだろうなーと思ったので企業を考察したこの書簡に使ってみた)

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