見出し画像

CRAFTXの松田さんに聞いてみた2/3 「ブランドとお客様の距離感とは?」

こんにちは。「ちょど研」研究員の巣内です。
前回は松田さんの好きなブランドなど、パーソナルな視点から色々探っていきました。

ここからは、いよいよブランドの話。

CRAFTXとユーザーの距離感について、探っていきたいと思います。新商品の立ち上げをクラウンドファンディングで成功させたりと、ユーザーの声に耳を傾けることを積極的に行ってきたCRAFTXのブランドストーリーは、どんなものなのでしょうか?

画像5

画像15

画像16

CRAFTXのこだわり

画像16

巣内 では、ここからはブランド「CRAFTX」とユーザーの関係について、お話を聞かせてください。

松田 はい。

巣内 最近のCRAFTXは、“クラフトビールブランド”から、ビール以外のお酒も扱う“総合アルコールブランド”として、ブラッシュアップを行いましたね。味やラインナップ、デザインなども一新するなど、いろいろな取り組みをしていましたが、松田さんが考える、CRAFTXのこだわりや特徴ってなんでしょうか?

画像4

画像16

松田 僕らが当初からずっと掲げているのは、「美味しいビールを高い鮮度でご提供しながら、お客さまの声をもとにアップデートしていくブランド」、いうことです。更に、今すごく大事だなと思うのが、お酒を飲んでいるシーンを楽しく華やかにするような立ち位置でいたいな、と。前回のwhite clawとかの話にもつながるんですけど、“美味しいから絶対飲んでください”というアプローチだけだと、ナショナルブランドと変わらないと思っていて。当然、美味しさに自信はあるんだけど、CRAFTXのビールを飲むことで楽しい時間が過ごせる、というメッセージも発信していきたいなと思っています。

巣内 最近の目立った取り組みでいうと、どんなことがありますか?

松田 例えば、父の日のギフトセットです。ビジネス的にも大きな成果になったんですけど、自分の好きなブランドから、ギフトセットとして贈ることができて嬉しい、と企画としてもすごく喜んでいただいて。多分、“このビールを飲んで喜ぶお父さん”という光景を、イメージしてもらえたからだと思うんです。そういう、お酒のある楽しい時間を、どんどん発信していきたいですね。

巣内 それも、ブランドとユーザーの間に生まれるコミュニケーションですよね。

画像5

ユーザーの呼び名

巣内 ブランドのユーザーは、「お客さま」「ファン」「ユーザー」など、ブランドによって様々だと思いますが、CRAFTXでは何と呼んでいますか?

松田 これ、すごくはっとする質問ですね。実は、特に想定して決めてないんです。でも、僕もみんなも、気づいたら呼んでいるのは「お客様」ですね。「ユーザー」というのは、個人的には結構無機的な印象を受けるんです。USEDしたらもう終わるというか。それよりも、お客さまという言葉は、継続的にお付き合いしていく方だというニュアンスを含むような気がするんです。PRチームとかは、「ファン」っていう言い方を使うこともありますし、本当は一貫して決めた方がいいんでしょうね。こちらがどう呼ぶかで、買ってくれる方たちと我々との距離が決まってくると思うので。

巣内 多分、決まってないブランドが多いと思いますよ。でも、その呼び方からお互いの距離感が見えてきますよね。例えば、お笑いコンビ・オードリーのラジオでは、リスナーのことを「リトルトゥース」って呼んだりとかしてますよね。大泉洋さんは、ファンを子猫ちゃんって呼んでいたり。

松田 ありますねー。ラジオは、結構呼び名を自分たちで作っているのが多いですよね。

巣内 もともとのファン層が厚いから、呼ばれて嬉しい人だけ残る、というのもあるでしょうけど。オードリーのラジオは、一時期、話のオチが全部「リトルトゥースです。」になってましたね(笑)。

画像17

松田 僕もリトルトゥースのキャップ被って、ミーティング出てますよ! あの距離感までいけるといいなーって思うけど、お客様から見て調子にのってるっていうふうに見られたくないし、結構難しいですよね。関係の構築が。

巣内 「お客さま」は、結構丁寧ですよね? 真摯な思いが感じられます。

松田 お酒を通しての楽しさは提供したいんですけど、一方で、丁寧に真摯にやりたいという思いはあって。「僕らと一緒に飲んで盛り上がろう!」というよりは、「うちのお酒でいい時間を過ごしていただけたら嬉しいです」みたいな。もうちょっと、距離を近づけてもいいかもしれないですけどね。

巣内 アップルストアに行くと、フレンドリー過ぎてびっくりする時があります。「これ、いいでしょー?」とかいきなり言われたり(笑)。あれはひとつのカルチャーだから面白いんでしょうね。

画像17

CRAFTXのお客様はどんな方が多い?

巣内 CRAFTXのお客さまって、どんな方が多いですか?

松田 これまでの傾向を見ていると、美味しいビールを飲むためにはコストをかけられる、一都三県の、いわゆる「士業」の方が多いんです。それもめちゃめちゃありがたいんですけど、今後の広がりを考えていくと、CRAFTXのクラフトビールとかレモンサワーを喜んでくれる人たちは、実はもっといると思っていて。

巣内 もうちょっとライト層にも届けていきたい、ということですね。イベントなどを通して、お客さまとのコミュニケーションで嬉しかったことってありますか?

松田 少し前から、飲食店さんに置き始めたんです。それを見かけたお客さまが、「たまたま入ったお店でCRAFTXのビールが飲めるようになってる!嬉しい!」ってポストしてくれて。うちはこれまでは、基本的にオンラインでの販売だったので、お店で出会って、飲みたい時にすぐ飲める、という機会を作れたことは嬉しかったです。それも距離感の話かもしれないですけど。

画像17

巣内 どういうお店に置いてもらってるんですか?

松田 ダイニングバルとか、カフェとかですね。あとは最近、クラフトビール屋さんから置きたいという話もいただき始めて。そういうのは、すごく嬉しいです。

巣内 一番詳しい人たちですもんね。好きなビアバーとかあるんですか?

松田 あります! 代々木の「ウォータリングホール」っていうクラフトビアバーが好きですね。

巣内 あぁ、いいですよね。あのお店のSNSとか見てると、店員さんが、休みの日にブルワリーに手伝いに行っているのが見れたりして。それがまたいいですよね。みんな、イカついタトゥーが入ってたりとか。あれもカルチャーかなという気がしますよね。カルチャーへのリスペクトというか。

松田 そうなんですよね。これは、自分たちのポジショニングの話になると思うんですけど、僕らも「クラフトビール屋」だと名乗っているからには、そのあたりのニュアンスも必要かなと思うことがあるんです。パンキッシュだったり、タトゥーとかグラフィティとか、そういう要素が、クラフトビールが好きなマニアな人たちにもコア受けするのかなって。僕もそういうのは好きだし。でも、それはすでに一大カルチャーになっているし、僕らはもっと、クラフトビールの世界を知らなかった人たちにも、「こんなに美味しくて香りが良いビールがあるんだ」と喜んでもらえるほうが、存在意義としてはあるかなと思うんです。

画像17

巣内 クラフトビールのコアなカルチャーに行くための、入口作りのブランドでいるということですね。

松田 はい。実際、CRAFTXのビールは本当に美味しいので。お客さまが、CRAFTXのビールってこういう人たちが作ってるんだ、と知るようになって、ブルワリーから直接買うようになるとか。そういう流れが生まれるのが理想ですね。今はその逆で、ビールを作っているパートナーのお名前を”使わせていただいている”部分の方が大きいので。そこは精進あるのみですね!

画像17

関係性を作るための施策

巣内 お客さま向けに、これまでどんな施策をやってきましたか?

松田 コロナ禍ということもあって、オンライン飲み会とかもやりましたね。CRAFTXの第一弾ビールとなった「クリスタルIPA」というビールを飲みながら、ブランド立ち上げのエピソードをお話しして、参加者の方からは、感想を聞いたり、おすすめのつまみを提案してもらったり。でも、ここもまだ伸びしろだと思ってて。今はまだ、アプローチの仕方が自分たちのためなんです。新商品を知ってほしいとか、買ってほしいとか。それでクーポンを出したり、アンケートを出したり。まだまだ自分たち主体なので、もっとお客さまのための施策というのを充実させていきたいですよね。

巣内 CRAFTXというブランドを通じて、今度お客さまとどんな関係なっていきたいですか?

松田 そうですねー。安心と信頼の…「お酒の場を良くしてくれる屋さん」として、認識されたいんです(笑)。CRAFTXを見に行ったら、市販では置いていないような、間違いなく美味しいお酒がある、という信頼感。なおかつ、ひとりでも、夫婦でも、ホームパーティーでも、CRAFTXのお酒を飲めばその場が上質になる、と認識してもらえるようになりたいです。

画像17

巣内 お酒を楽しむシーンが良くなるように、ということですね。時間が豊かになるような。

松田 そういう意味でいうと、缶の正面中央に配置しているQRコードから、その商品に関する動画のコンテンツを見せる、とかも、飲む時間に対して働きかけてるというのは、僕らにとっても新しい試みでした。お酒のあるシーンを楽しく演出するためには、お客様とどういう関係であるべきか、もっと考えなくちゃいけないんだろうなと思います。

巣内 お客様との関わりを、もっと増やしていきたいということですね。この前松田さんと2人の時にもお話しましたが、仮想ペルソナを育てる、みたいなことができるといいのかもしれませんね。不特定多数に向けると、どうしてもターゲットがぼやけちゃうので。CRAFTXのメンバーの誰かにピントを合わせてもいいかもしれません。

松田 そうですね。

巣内 ありがとうございました!次回は、CRAFTXがお客さまとの関係を育てていくうえで、今後どんなことをやってみたいのか、妄想企画なんかも含めて、未来の話について聞いていけたらと思っています!

画像17

画像15

画像16

#ブランドと生活者のちょうどいい距離感研究所 #ちょど研
#ブランディング #ブランド #ちょうどいい #距離感 #D2C #CRAFTX  
#クラフトビール

ちょど研サムネ_2


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?