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自給自足に憧れた平飼いたまご農家がカフェオープンに至るまでと、北イタリアでの修行を積んだシェフのたまごをめぐるお話。

北海道の生産者とシェフをつなぐ畑でレストラン動画シリーズvol.2。
今回は札幌市内にある平飼いたまごの永光農園さんと、teatro di massaの新田シェフのストーリー!動画では伝えられなかったけど、取材中に感動したエピソードをぜひみなさんにも知っていただけたら…!
読んだら明日からたまごへの思いが変わる…かもしれません。

▼動画はこちら

自給自足の生活と、現実のギャップ。

永光農園の永光洋明(ながみつ・ひろあき)さんは、自給自足の生活に憧れ自分が自分らしく生きることが大切であり、鶏も鶏らしく生きることが大事であるという思いから「平飼いたまご」を始めます。
ところが、運営していくうちに、一つの壁にぶち当たりました。それは、毎日の作業で休みを取れない日々が続き、家族で過ごす時間が少なくなっていたこと。こんな生活を目指した訳ではない。と永光さんは思いました。

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ところで、平飼いたまごって知ってますか?

「平飼いたまご」なんだか良さそうだけど、何が違うんだっけ?
そんな風に思いませんでしたか?私は思いました!(笑)「平ら」に「飼う」という意味だそうで、鶏たちが自由に動き回れる環境で、鶏本来の習性に合わせてたまごを産むことができます。
また、オスとメスを一緒に飼っているので、たまごは有精卵。ゲージ飼い(鳥カゴの中で育つ)と比べると、生産量が少ないため価格は割高になりますが、生命力あふれたたまごだなぁと生まれたてのたまごを見て感じました。みなさんも感じませんか?

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スタッフを雇用し、平飼いたまごの面積を拡大。
カラダに優しいたまごをもっとたくさんの方にお届けしたい。

永光さんは、スタッフを雇用し自分の休みを確保するため、鶏の数と面積を広げました。ただ、スタッフの雇用を続けるためには、販売力も必要です。規模を拡大した平飼いたまご。
この美味しいたまごをもっと多くの方に知ってもらいたい。食べていただきたい。そのためには、たまごを直接販売できる場所や、たまごを使ったスイーツで楽しんでもらえたら!と考え、敷地内に美味しさがつまった、たまご屋さんのシフォンケーキを販売する「コッコテラス」をオープンしました。

こっこテラス


新冠町出身の新田シェフがつくりたい一皿は、すぅーとカラダに馴染む、優しいお料理。

そんな永光農園の採れたて平飼いたまごを届けにお邪魔したのは、カウンターが素敵なteatro di massa(テアトロ ディ マッサ)。
新田シェフは北イタリアで4年間修行した後、北海道に戻ってきました。北イタリアは北海道と気候がよく似ていて季節がはっきりしているため、四季のサイクルに合わせた食材選びが大事なこと。またその食材が自分の体を作っていることを実感したそうです。

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お料理のアイディアは自分が食べてきたものから。

修行中、とにかく美味しいものを探しに休日は食べ歩きをしていたそう。
お給料は全部食事代で使い果たしてしまったとか!(笑)
修業先のあるレストランでは店舗にハーブを育てる菜園がありそのハーブを使ったセミフレッドが最高に美味しくて、北海道へ戻る際にはお店公認のレシピをもらってきたそう。
新田シェフのセミフレッド、私も食べてみたいな〜!

さらっとしていてカラダに馴染む優しさがあるのに、しっかりとした味を感じるたまご。

新田シェフが今回料理をしてくれたのは、お水を使わずにたまごをたっぷりと使ったパスタの「タリヤン」。ソースはセージとバター等にたまごを活用して使って作ってくれました。
黄身の色がレモン色で口触りもさらっとしているのに、しっかりとした、たまごの味わいを感じられるそうです。新田シェフは「ムリがなく、カラダにすぅーと馴染んでいくような、そんなお料理をこれからも目指していきたい。」と話してくれました。

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まとめ。
・元気いっぱい自由に歩き回ることができる環境で育つ永光農園の平飼いたまごは、生命力を感じるさら♪トロ♪たまごだった。
・自給自足を目指した結果、今は家族と従業員とともに平飼いたまごの美味しさをもっと多くの方にお届けしたいという気持ちに溢れていた。
・新田シェフの作るお料理はいつもカラダにすぅーと入ってくる優しさを目指していた。

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コッコテラス永光農園 facebook
teatro di massa facebook

取材・文/おくだめぐみ