【業界研究】大手総合ファームのタイトルと報酬水準を比べてみた!(2021年6月版)前編
※スライド中のアビームコンサルティングへのアナリストの経験年数が誤っていたようなので差し替えました
(2021/06/15-21:09)
どうも、外資系うさぎのちょこさんです。
先月は「Big4は外資じゃない」ってお話がそこそこ伸びましたが、今回もみんな大好きなBig4+αのお話です。
さらにみんな大好きな各ファームのタイトル(役職)や報酬水準の違いをまとめてみた(ちょこさん調べ)という感じなので、就職/転職活動をされる際のご参考にしてみてください。
なお、内容が盛りだくさんになったので、前編、後編に分けることにしました。
前編は各ファームのタイトル比較、後編は報酬水準の比較を行います。
前後編とも、ゆっくりみていってね!!!
あ、そうそう、「Big4は外資じゃない」ってお話が未履修の各位はぜひ↓も併せてどうぞ。
例によっていつものコピペです。
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今回下調べが結構たいへんだったので、ぜひともチョコレート代のご支援をいただけると大変うれしいです。
大事なことなので2回言いました。
では本編どうぞ。
◆そもそもタイトルって何なのよってところから
コンサルファームや監査法人に馴染みのない各位にとっては、”タイトルってなんぞ?”状態になりがちかもしれないので、最初に簡単にこのあたりを解説しておきます。
ひとことで言ってしまえば、タイトルとは役職、肩書のことです。
プロフェッショナルファームと呼ばれるコンサルファームや監査法人は一般的な事業会社と異なり、部や課などの組織単位を持たず、その結果として部長や課長などの役職を当てはめてもしっくりきません。
このタイトルをどうやって決めている(何を表している)かというと、ファームの経営や、プロジェクトの運営における裁量の範囲と思っていけばだいたい合ってると思います。
これを大まかに分けると、こんな感じになります。
そしてこれも大事なことなのですが、みんな大好きお給料も、このタイトルに応じてほぼ自動的に決まります。
Twitterとかでもコンサルクラスタは自分の年俸を割と惜しげもなく公開していることが多いと思いますが、これもタイトルが分かればだいたいの年俸はぐぐればわかってしまうので別に隠す必要がない、って理由が大きいと思います。
これが普通の企業だと、同じ役職でも会社や部署や下手すると個人単位で大きくお給料が違っているのが普通なので、そうおいそれとお給料なんて公開できないんですよね。
というわけで、まずはタイトルは裁量の範囲を表す肩書であり、お給料もタイトルによってほぼ自動的に決まる、ということを覚えておいてくださいまし。
◆ファームによって微妙に呼び方が違ってややこしい
どんな感じでややこしいかというと、まずは見たほうが早いと思うので、各ファームが採用ページなどで公開しているキャリアパスを御覧ください。
- デロイトトーマツコンサルティング
- PwCコンサルティング
出典:PwCコンサルティング、PwCアドバイザリー新卒採用パンフレット
- EYストラテジーアンドコンサルティング
- KPMGコンサルティング
- アクセンチュア
- ベイカレントコンサルティング
- アビームコンサルティング
と、まぁこんな感じで、各ファームとも、パートナークラス、マネージャクラス、スタッフクラスというグループ分けはだいたい共通なものの、肝心のタイトル構成や呼び方がかなり違うということがおわかりいただけたことかと思います。
◆アクセンチュアの"コンサルタント"とデロイトの"コンサルタント"ってどっちが強いの?って話
各ファームでタイトル構成や呼び方が違ってくると、ファーム間のタイトルの比較ってどうやればいいのかってなりますよね。
↑の見出しについては、結論としてアクセンチュアの"コンサルタント"の方が強いです。
アクセンチュアではマネージャ手前のタイトルが"コンサルタント"であることに対し、デロイトではマネージャ手前のタイトルは"シニアコンサルタント"であるため、同じ"コンサルタント"というタイトルでも、裁量の範囲は求められる期待値が大きく異なるというのが理由です。
あと、ファーム間の昇進のスピードの違いなんかも気になるポイントですよね。
というわけで、各ファームで順調に昇進できた場合、マネージャにたどり着くまでにどれくらいかかるかってのをいい感じにまとめてみたので、心して見てください。
なお、"順調に昇進できた場合"とは、各タイトルごとに標準的に定められている経験年数ジャストくらいで昇進した場合のイメージです。
常に平均以上の評価を取れている前提になると思うので、中のヒト各位は別にこのスピードで昇進できなかったらダメだとか心配しすぎなくともとりあえずは大丈夫です。
◆タイトル比較はこちら
前置き(と、ディスクレイマー)が長くなりましたが、Big4同士、それ以外(アクセンチュア、ベイカレント、アビーム)で同じフォーマットでまとめてみました。
- Big4版
各ファームとも、だいたい新卒入社で6~8年でマネージャ昇進が見えてくるスピード感かと思います。
学部卒だと28-29歳頃でしょうかね。
そして中途採用の場合もだいたい各タイトルの滞在年数とも↑の年数くらいで昇進していけるはずです。(パフォーマンスに問題なければ)
こうやって並べてみると、PwCだけスタッフクラスの呼び名がアソシエイトだったり、マネージャにたどり着くためのタイトルがちょっと少なかったりって感じですね。
そして、特に最近結構大きな動きがあったのがEYです。
前デロイトトーマツコンサルティング社長の近藤氏がEYストラテジーアンドコンサルティングへ移籍、2020年10月には社長に就任されています。
その近藤社長率いる「プロジェクト・ドラゴン」にて、EYは2023年までに人員、売上を倍増させる急拡大路線を取っています。
その一環で、報酬水準の引き上げや、プロモーションの早期化など、かなりアグレッシブな施策が次々と繰り出されているようです。
これまではEYは監査法人は大きいけどコンサルはプレゼンスが弱い、というイメージを持たれることが多かったようですが、この「プロジェクト・ドラゴン」の成果で今後そのイメージがどう変わっていくのか注目ですね。
- Big4以外版
ご存じの各位も多いかと思いますが、アクセンチュアはコンサル部門とそれ以外の部門でタイトル構成や昇進のスピードが違うのが特徴です。
そして、コンサル以外の部門の方だと比較的昇進へのプレッシャーもゆるやか(お給料もゆるやか)と言われています。
続いて、ベイカレントはグローバル系ファームと違って海外本社の統制を受けなくて済む利点を活かし、優秀な若手は各タイトルを1年ずつとかですっ飛ばしていって一気にマネージャまで昇進させる、とかダイナミックな評価ができるのがウリですね。
これもイメージどおりだと思いますが、アビームは各タイトルを比較的ゆっくりと経験していくスタイルのようですね。
◆今回のまとめと次回予告
というわけで、今回は各ファームのタイトルの構成や標準的な経験年数についてまとめてみました。
このあたりで4,000文字を超えてきたので、一旦切り上げようと思います。
次回は各ファームの報酬水準(ちょこさん調べ)について解説していきます。
そうそう、なんで↑のスライドが"マネージャまでの道のり"になっているかというと、マネージャ以上はの昇進は結構ケースバイケースなところがあるので、単純に比較しづらいってのが理由です。
※おそらく標準的にはどこも各タイトル3-5年くらいの滞在で昇進していくはずですけどね。
あと、ちょこさんが今はマネージャクラスなので、その先のことはどうしても実体験を持って書きづらいってのもあります。
やはりマネージャへの昇進がコンサルファームにおける最も大きな壁のひとつであったり、ちょこさんnoteの想定読者層も最初の目標はファームでしっかり生き残ってそこからマネージャを目指すくらいの各位だと思うので、そのさきのお話はまたの機会でってことでお願いします。
◆オススメの1冊
定期的にビジネス誌でコンサル特集が組まれるので、そういう号はもれなく読んでおくと、いい感じで業界横断で流行っていることとか共通の課題になっていることをなんとなく掴めるのでおすすめです。
まぁ、↑はちょっと記事の質に賛否があるのは否めないのですが、各ファームのトップインタビューとかは記事の質に関係ないので割と有益だと思います。
そろそろ賞味期限切れ感もありますけど、ちょこさん的には記事の質はこっちの方が高かったと思うのでぜひ読み比べてみてください。
◆おまけ
いつものこれは有益な情報なのですがシリーズなのですが、↓のツイートについて"微妙に違うよ!"ってお声をたくさんいただくものの、具体的にどこがどう違うか指摘すると漏れなく所属がバレる呪いがかかってるせいか、誰もどこがどう違うか教えてくれなかったので、もう一回ちゃんと調べました。
後編で使う予定のスライドですが、色々なことの役に立つと思うのでぜひご活用ください。
ではまた後編で!
あ、そうそう、このnoteは有益だったなぁ…って余韻に浸ってるそこのあなた!
そう、モニタの向こう側のあなたのことです!
よかったらチョコレートのご支援もぜひよろしくおねがいします!(4回め)
今後も取り上げてほしいトピックやご意見ご感想などありましたら是非コメントなどお寄せください。
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