読書:変身

カフカの変身を読んだ。2回目である。

主人公であるグレゴール・ザムザが、目覚めたら虫に変身しており、ザムザ一家の環境ががらりと変わってしまう話である。

グレゴールには妹のグレーテと両親がおり、そのグレゴール一家4人と使用人1人を雇い生活をしていた。
グレゴールは大事な働き手で、お金を稼ぎ一家を支えていたのはグレゴールだけであった。

そのグレゴールが虫になることにより、一家は働き手を失うかもしれない危機に陥り、生計が危うくなる。
家族はその事を受け入れることが容易にはできず、虫になったグレゴールに対して、厄介者のような扱いをし始める。

グレゴールを雇っている支配人も、日頃の不満をここぞとばかり言ってくる。

グレゴールに対して酷い状況ばかり起こるので、全体的に鬱々とした話であると感じた。

この話を最初に読んだ頃とは違う見方で読めたので、今回はそれについて話していこうと思う。

今回、変身を読むにあたって、虫に変身した主人公が、仕事ができないほどの怪我や外見が醜悪化した状態だったらと考えながら読んだ。

芥川龍之介の河童のように、人で実際起きたらありえないような表現をすることで、自分の思想を詰め込んだと捉えたのである。

そうすると、生きていく中で障害を持った人に対する理不尽な扱いを行なっているように見えてくる。

急にお金を稼げなくなった人は、親から距離を置かれてしまうのだろうか。

このことのついて考えると、ある程度のお金を稼げる能力と、見た目がないと扱われ方が異なるのだなと感じた。

人は生きているだけで素晴らしいのであるが、生きるための努力が必要なのである。その努力が物理的にできない人は生きてはいけないのだろうか。

貧しいながらも生きている人たちは多くいるにもかかわらず、元の生活からの落差により排除されてしまう世の中になっているのかもしれない。

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