『相関関係』と『因果関係』の因果な関係
「成功要因を見つける」ってよく言われますがとっても大変。
もう10年ぐらい前のお話ですが、ドイツのAmazonの検索画面が話題になったことがあります。
金属バットを検索すると、目出し帽と催涙スプレーが関連商品に出てきたんですって。真偽は不明ですが。
このように、通常起こり得ないはずのことでも、そこにもう一つ要素が加わると、点と点が繋がって見えることが多々あったりします。
ただ「もう一つの要素」を見つけるということは簡単ではないのです。
ということで、今日はそんな原因と結果に関するお話です。
1,000組の家を訪れて気付いた共通点
少し前に『1,000組の家を訪れて気づいた共通点』という話が話題になっていました。お金持ちのお家には家具が少ないというものです。
また、お金持ちの方に何故家具が少ないのか聞いたら、「家具が少ないとオーラが宿る」というイケイケな言葉が返ってきたことで、さらに盛り上がっていました。
ただ、ちょっと「お金持ち→家具が少ない」はロジックが飛んでいるかなぁと感じたりするのです。
先ほどの目出し帽とバットの関係のように、関係があるような無いようなそんな事象にも、一つ視点を足すと関係性がクリアになることもあります。
Amazonの例で言えば「泥棒」という3つ目の視点によって、バットと目出し帽が関係付けられます。バットと目出し帽には関係性があったのですが、原因は別の「泥棒」という要素だったのです。
同じように、1,000組のお家を回って見つけたお金持ちは家具が少ないという関係性は、「成功した人の持つ思考の深みとこだわり」という原因の結果です。
お金持ちになるぐらい成功する人は「ものすごく色々と考え、ものすごくこだわる人が多い」のです。そのため、家具を買うときも安易に買わず、ものすごく吟味して買うので、物が少ない、ということでしょう。
このように、関係性があるからといって、それらが原因と結果になっているとは限らない、というのは往々にして起こることです。
相関関係と因果関係
この、関係性があること(=相関関係)と原因と結果であること(=因果関係)は違うということは、仮説検証の大きな壁の一つです。
2つは関係していそうだけれども、どっちが原因でどっちが結果か分からない。それどころか、どちらも結果であって原因は全く別のところにある、なんて話も日常茶飯事です。
昔、営業改革のお手伝いをした時の話なのですが、ものすごく営業成績の良い営業の方がいたんですね。あまりに成績が良いので、何がすごいのか、1日同行させて頂いたことがあったんです。わくわくで。
でも、結果としては、営業スキルに違いは無かったのです。トークも至って普通。でも、やっぱり長期的に営業成績が良い。
なんでだろうと悩んでいた時に、営業先のお店様から「あー、あの人は老舗のお店を口説き落としたからね。この界隈では一目置かれてるんだよ。」とのお話を聞きました。
おお、と。営業スキルが高いから受け入れられてる、のではなくて、最初にすごい結果が出て、それが口コミが広がって、結果として他のお店からも良い結果が出ていた、ということだったんです。
これも、営業スキルを原因だと考えていると絶対に出てこなかった視点でして、むしろ結果がさらに次の結果の原因になっているという逆転のお話だったんです。
このように、因果関係は、何がどう関係しているのかは正直よくわからないことが多いというのが実際のところだったりします。
因果関係の乗り越え方
ではそんな良く分からない因果関係をどう乗り越えるのかと言うと、2つ方法があります。
ひとつめは、共通項から地道に検証していく方法です。相関のありそうな事象をできるだけたくさん持って来て、それに共通することがないか考えるのです。
そして、これは原因かもなと思うことを抜き出し、それを変えた時にどうなるかを調べるという地道なトライアンドエラーの繰り返しです。
この方法をnoteで例えると、スキされやすいnoteを書くために、公式さんの出している注目記事を読みまくり、似たような要素をピックアップして、それを自分のnoteに盛り込んでいくという感じです。
私も注目記事はなるべく読むようにしているのですが、スキの数が多い注目記事の共通項として、ものすごくエモーショナルなものであるという印象を受けています。
ストーリーを語るものでしたら、ダイレクトに感情に訴えるようなお話ですし、説明のような文章でも、ものすごいパッションを感じる文章はスキが多いなと感じます。
このように、文章から伝わる熱量は、かなり原因に近い要素では無いかなと思ったりしています。
もうひとつは、因果関係を解き明かすのをギブアップし、相関のありそうなものをひたすら作りまくるという方法です。
またまたーって思いましたね、今。いえいえ、結構この方法は採られていまして、例えば大手製薬会社の薬の開発などはこの方法がメインです。
製薬会社の開発の方からお話を伺ったのですが、薬というものは一人の研究職の方が一生に一度、市販できるレベルのものを創られたらラッキーというぐらいに開発成功の可能性が低いものなのだそうです。
そのため、大半の研究は世に出ることなく終わってしまいます。それは薬の開発が複雑な研究であり、効果検証に時間が掛かるものであり、環境がすぐに変わってしまうものでもあるからです。
このような環境から、製薬会社の戦い方というのは、とにかく数を打ち、何かが当たるのを待つという作戦が一般的なのです。ザ・体力勝負。
他には、化粧品業界も結構その傾向があります。微細な色の違いで当たる当たらないが変わってしまうので、推しはあるものの、どの商品がバズるかまでは分からなかったりします。
そんな環境ですから、売れた製品をリプロモーションによってさらに伸ばすという手法が採られています。
どちらのケースも、ある程度の優先順位はあるものの、因果関係を読み切れないので、数で勝負するしかない、というものです。
これをnoteに応用してみますと、様々なスタイルで書きまくってみて、評判が良かった書き方に収斂していくというような方法もアリかもなと思います。
このように、因果関係を乗り越えるというのは結構難しいことというのが一般的な考え方です。
そのため、できることとしては、上のひとつ目とふたつ目を混ぜて、少しでも成功確率を上げるために考えつつ、数多く打席に立つことが基本です。
結構前に、勝ちたかったら戦い続けるしかないという趣旨のnoteを書いたのですが、やっぱりそういうことなのかなと。
名探偵みたいに、ズバッと因果関係を解き明かせればかっこいいんですけれどもね。
ちなみに「ズバッと」は死語らしいです…笑
まとめ
ということで、相関関係と因果関係は違うよ。そして、因果関係を特定するのって結構難しいよ。というお話でした。
他には、原因が分かっても対応できなかったりするというのはこれまたよくある話です。
先ほどの営業の方のお話で言うと、地域で一目置かれる老舗のお店を引き込むことは皆ができることではないので、原因は分かったけれども打ち手としては不採用でした。残念。
まあ、人生ってそんな簡単じゃないよね、ということですかね。自分にできることは、ひたすらバットを振り続けるしかないのかなと思っています。
と、いつか逆転満塁サヨナラホームランを打てる日を夢見て、がんばって打席に立ってみようと思った、今日この頃なのでした。
ちなみに、なんでも野球に例えるのって、おじさんの特徴らしいです。
いっぱい使っちゃった(・ω<)テヘペロ
ではでは。
<このnoteを書いたしょこらはこんな人です>
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