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あの日見た円グラフの使い方を僕達はまだ知らない。

予感自体は結構前からあったのです。いつか、こんな日が来るのだろうと。

note投稿時のカテゴリを5つに分けているのですが、その偏りが正直「何も考えていない」レベルになっていたのです。

1. 本当はもっと早く教えて欲しかった仕事術: 13本
2. 言葉のフロンティアリサーチラボラトリー: 10本
3. 正解なんて無いキャリア構築術: 7本
4. 海外経験ゼロでもなんとかする英語術: 2本
5. 日常から学ぶ仕事術: 40本!

まあ、正直にいうと、こうなっているかなという感覚はうっすらとはありました。「えーい、区分考えるの面倒だから、とりあえず『日常から学ぶ仕事術!』」と区分してきたことが何度あったか。

その結果がこの惨状です。本来はある程度均等になるようなカテゴリの定義をしておくべきだったのですが。。

ずいぶん昔になってしまいましたが、こんな感じの雑な区分を基にした円グラフを見た恩師がぼそりと、「このグラフ何も言ってねぇなぁ」と呟いたのが印象深く、ふと思い出されました。

そんなことから、今日は円グラフにまつわるお話です。

コンサルはあまり円グラフは使わない

円グラフは非常にポピュラーなグラフです。おおよそ、どのプレゼンテーションにも1つは紛れ込んでいる、というグラフではないでしょうか。

一方で、コンサルの資料では、あまり円グラフを使いません。その理由は、メッセージ性が薄いからです。

例えば、冒頭のnote区分を円グラフにし、メッセージを付けてみるとすると、以下のようになります。

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ただ、このスライドには2つ良く無い点があります。

1つめは、比較対象が良く分からないということです。

確かに、1つのカテゴリが大きく割合を取ってしまっており、多そうに見えるのですが、それは何と比較して大きいと言えるのでしょうか

人は無意識に何かと何かを比較して多い少ないを判断しています。一方で、その比較対象をクリアに揃えてあげないと、人によって多い少ないの解釈を自由にしてしまうことを意味します。

この場合、おそらく私はあるべき割合と無意識に比較をして多い少ないを判断していたのだと思います。ただ、その感覚は人によってバラバラであり、誰もが同じ感想を持つとは限らない、ということは大切な認識です。

もう1つは、「だから何?(So What?)」なメッセージなことです。

スライドのメッセージは、1つのカテゴリに偏っている、と言っているのですが、それが良いのか悪いのか、対策としてどんなアクションを取るべきなのかが分かりません「で?」なんですよね。

それは、このグラフ単体では、構成割合しか示しておらず、強いメッセージを言えないからです。やはり比較対象があってこそ、より言いたいことが浮かび上がります。

このメッセージ性が弱いという問題は、円グラフが割合しか示さないことから、基本的な性質として持っている弱点でして、そのためコンサルの資料ではあまり使われないという傾向があります。

比較や変化を示す時には確実に棒グラフが良い

では、どのように割合を示すのが良いのかというと、面白みは無いかもしれませんが、やはり棒グラフがお勧めです。

その際の、棒グラフの出し方として、2つ方法をお勧めします。

1つ目は、上にもあったように、比較対象を明示することです。

先ほどのグラフを棒グラフにし、比較対象を入れると、メッセージがクリアになり、ぐっと説得力が増していることが分かります。

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もう1つは、変化後の割合を入れることです。

今度は、先ほどのグラフを変化前、理想とするグラフを変化後として示してあげています。やはり、メッセージがクリアになり、アクショナブルな提案としてスライドが機能しています。

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このように、単純に現状の割合を示すのではなく、もう1つ割合を示してあげると、スライドの持つメッセージは圧倒的に強くなります。

ちなみに、円グラフを並べるのはダメです。やってみると分かると思いますが、全くもって変化を見にくいのです。

というように、メッセージ性を強めるという観点から、円グラフはやはりお勧めできず、棒グラフがお勧めのグラフになります。

それでも円グラフを使う時とは

と、ここまで円グラフにダメ出しをしておきながら何ですが、円グラフを使った方が良い場合も2つあります。

1つめは、割合自体が圧倒的な驚きをもらたす場合です。

明確に比較対象の数字としては出せないのだけれども、これまで常識として思っていたものと全く異なる割合が出てきており、割合を示すこと自体が非常に大きな価値を出す場合、などです。

この場合には、スライドの中で面積を大きく使う円グラフを出して、割合自体を強く印象付けた方がインパクトがあります。

もう1つは、通常取ることが出来ない割合を取ることができた場合です。

世論調査やアンケート、さらには、紙の資料をマニュアルで集計した時など、取ることが大変で通常取ることが出来ない数字を取ることができた場合には、その数字自体が大きな価値を持っています。

そのように、集計すること自体に価値があることを集計できた場合には、やはり割合をダイレクトに見せた方が効果が高いでしょう。

この2つの場合に共通することは、数字自体がパワーを持っているケースである、ということです。

料理でも、素材が良い時には下手に調理せずに味を引き出すようにした方が良いように、スライドでも数字自体がパワーを持つ場合には、下手な見せ方の工夫をせずにダイレクトに示した方が受け手に伝わりやすいものです。

そのため、円グラフを使うかどうかの判断は、「その割合を示すこと自体に価値があるか」が基準になるのです。

まとめ

ということで、円グラフと割合の見せ方にまつわるお話でした。

とてもシンプルに言うと、できるだけ円グラフを使わないように考えた方が結果として上手くいくことが多いよ、ということです。

円グラフを作りたくなったら、なんとなくこんなことを言っていた人もいたなと思って頂けたら、このnoteがお役に立てたということで嬉しいです。

問題は、このnote書いて若干満足してしまい、自分のnoteのカテゴリをどうするか、またおあずけな状態であることです。

課題に対して、手段が合っていなかった典型的な例ですね。

本来は冒頭の課題感からは、「こういう考えでカテゴリの方法を変えようと思います!」というnoteを書かなければいけなかったはずです。

・・・

ま、いっか。

ではでは。


<このnoteを書いたしょこらはこんな人です>


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