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しのせかい3

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ぽえむ15

ぽえむ15

「青」 ほうふ しなこ

それは 私が気づかなくていいように
穏やかに 確実に 変わっていく

見上げれば 晴れていた
青々と 広がっていた

端っこは 白かった

見上げれば また

かもめが鳴いている

それは 私が気にしなくていいように
静かに たしかに 変わっていた

潜れば 青かった
キラキラと 光っていた

端っこは 黒かった

潜れば もっと

くじらが泣いていた

青は やはり私

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ぽえむ14

ぽえむ14

「海が消えた日」 ほうふ しなこ

濁る海面と唸る曇天が相まって
潮と雨の匂いは世界を統べるの

迷うことなく境はなくなって
落ちる滴はただ塩辛く

すべてはただ一つと思わせた

誰も悲しまないわ
誰ももう何も言わない

そこに何もなくなってしまったから

目の前にはただ灰色

それが何かを忘れてしまったわ

ぽえむ13

ぽえむ13

「出発」   ほうふ しなこ

 さぁ 出発だ

 挑むは深き海原か
 挑むは高き山脈か

 さぁ 出発だ

 色が犇く世界へ

 さぁ 出発しよう

 安寧の地へも

 到着地はどこだって

 それは 自分の出発だ

 何を望んで 臨んで 覗くのか

 それは 君の出発だ

 さぁ さぁ

 雨の中 太陽をのぞんで
 陽の光に 雨粒を重ねながら

 さぁ 出発だ

 誰かの答えではない

 さぁ

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ぽえむ12

「見えなくて」 ほうふ しなこ

 心が見えなくて 良かったなぁ
 嫌いなあの子を 傷つけずにすむもの

 心が見えなくて 良かったなぁ
 好きなあの子に 気持ちを伝えられるもの

 心が見えなくて 良かったなぁ
 誰かを想うことが できるもの
 こっそり決心できるもの

 心が見えなくて 良かったなぁ
 優しい嘘を 見抜かなくてすむもの
 あなたの心に 寄り添えるもの

 ただ ひとつ

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ぽえむ11

「それでも明日は来る」  ほうふ しなこ

 明日なんてない

 時間はいつでも人間が感じるもの

 明日と定義するものはない

 時間の呼び名は人間が決めたもの

 でも 明日は来る

 わたしが あなたが

 誰もいなくても

 明日は来るんだ

 だから 終わるまでは 一緒に見よう

 昇る陽を

 わたし達で 名前をつけよう

 その時間を

 明日と呼ぶ

 その時を あなたと