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なぜ今、共感マーケティングでモノが売れるのか

どうも、マーケターのエルモ(@elmo_marketing)です。

最近よく流行っている共感マーケティングについて書いていきます。

ちなみに、僕はこの「共感」マーケティングという概念は別に新しいものではないと思っています。コトバ自体に取ってつけた感がありますし、実際には、生活者から共感を得ただけではモノは売れません。

とはいえ、今共感をベースにした経済活動は流行っているわけですし、その本質がどこにあるのか、私なりの考えを述べていきます。

先に結論を言っておくと、共感マーケティングの本質は、生活者の承認欲求と貢献欲求を同時にハックしたものです。

【良品計画】共感マーケティングの事例1

共感を起点にうまくマーケティングが行った事例たくさんあると思います。ちなみに、共感マーケティングで検索してトップに上がってきたのはこちらの良品計画の記事でした。

無印は、消費者によるSNS発信と店舗の世界観が見事に統一され、ここ数年で爆発的にヒットしていますね。ちなみに私の妻も大の無印好きで、ほぼ毎週末一緒に足を運んでいますw

インスタで「#無印」と検索すると、こんな検索結果が見れます。あくまでイチ消費者が、アップしているのがポイント。

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たしかに良品計画は、企業発信もさることながら、消費者自身がコンテンツを発信し、モノの良さを広めた好例だと思います。

【箕輪編集室】共感マーケティングの事例2

私が知っている中で、一番うまくいっている共感マーケティングは箕輪編集室です。箕輪さんは幻冬舎の編集者として、自分が出版に関わる本を次々にベストセラーにしてます。多動力や、お金2.0、メモの魔力などですね。

この箕輪編集室は、箕輪さんが主宰するオンラインサロンで、参加者は箕輪さんから編集まわりのクリエイティブ学ぶことができます。あとは、実際にアウトプットを提供する場も設けられていて、その一部が実際の出版時に使われるようです。(※外から見ているだけなので、もし内容が違っていたらすみません。)

この箕輪編集室、何がうまいかというと、無印と同じで出版に携わる発信者を一気に増やしたことにあります。箕輪さんは個人としても十分に影響力を持ったインフルエンサーですが、そこにさらに、箕輪編集室に参戦している人たちを「本を薦める」発信者の仲間に加えています。

共感マーケティングの本質は、消費者を仕掛け側に回したこと

先程から少しネタバレをしている状態ですが、近頃共感マーケティングが大成功している理由は、消費者を仕掛け人側(発信者)にしたことにあります。

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仮に、従来のマーケティング手法を図解すると、売り手から消費者に声が届くシンプルな図式になります。当たり前ですが、消費者はモノを消費することを楽しみにしているので、「売り手→消費者」の1レイヤーの関係でおしまいです。

次に、共感マーケティングがやっていることを図解するとこうなります。

図3

先ほどの図ではイチ消費者であった人が「売り手」に変身します。すると、消費者に届くリーチが最大化されるんですね。

1人がメガホンで声をかけるより、3人でメガホンを持って声を届けた方が、多くの人に声が届くのは想像に難くないと思います。しかも、この真ん中にいる人達は売り手ではあるもの、あくまでイチ消費者です。

売り手が自ら発信するコンテンツ<<<消費者のリアルな口コミ

この方程式が成り立つので、消費者を引き寄せる威力が、企業(売り手)が発信するコンテンツよりも増すわけです。

ここまでの共感マーケティングがうまくいく理由をまとめると、

①イチ消費者を売り手側に巻き込み、リーチ最大化に成功
②さらに、消費者のリアルな声は、他の消費者の心に伝わりやすい

この2点がかなさり合って、今共感マーケティングがうまくいっているわけです。

なぜ人は仕掛け側に回りたくなるのか?

なぜ、人は仕掛け側、発信者になりたがるのでしょうか?そのニーズを深掘りすると、承認欲求と他者への貢献欲、この2つに行き着きます。

SNSが流行る理由も、「いいね」の承認が得られるからです。承認欲求のほうは、よく聞く話だと思います。

そして、もう一つが他者への「貢献欲」。誰かに貢献したいという欲求が、共感マーケティングの根源にあります。

ここで、引用したい言葉が、アドラー心理学で大ベストセラ―になった「嫌われる勇気」にあります。

 人間にとって最大の不幸は、自分を好きになれないことです。この現実に対して、アドラーはきわめてシンプルな回答を用意しました。すなわち、「わたしは共同体にとって有益である」「わたしは誰かの役に立っている」という思いだけが、自らに価値があることを実感させてくれるのだと。

つまり他者貢献とは、「わたし」を捨てて誰かに尽くすことではなく、むしろ「わたし」の価値を実感するためにこそ、なされるものなのです。

人が自らに価値を見出すのは、誰かに貢献しているときだそうです。

 しかも、現代は機械化の波が凄まじいです。機械が人の代わりを代替するようになり、人to人のコミュニケーション回数が減ってしまいました。ゆえに、「ありがとう」を伝える、言われる回数が減ったのではないでしょうか。簡単なことはスマホや機械に頼れるからこそ、他人への貢献感を感じる機会も減ってしまったのです。

 つまり、人類史上最大級に、貢献感への欲望が欲されている時代なんです。そこに、仕掛け人側への誘いが来たら誰だって乗りたくなります。人は役割を与えられて、ありがとうと言われるのがとてもとてもとても嬉しい生き物なのです。

 心の底から良いと思えるモノを誰かに伝えて、ありがとうと言われたい。

共感マーケティングの根底には、他者貢献への欲望があるのだと思います。

まとめ:

今日は、共感マーケティングの本質について書いてきました。どんなに小さな行動であっても、人が動くときは、何かしらの欲望スイッチを押される必要があります。

消費者を仕掛け人側に巻き込む共感マーケティングには、

発信で「いいね」もらい、承認欲求を満たす
素晴らしいモノを伝えて貢献欲求を満たす

この2つが根源的な欲求として隠れていたわけです。

共感という言葉は聞こえが良いですが、その根底には何かしらの人の欲望があることも、ぜひぜひ覚えていてほしいです。

今日はこんなところでおしまいです。

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