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ビジョンとは、人を惹きつける”英雄物語”の原点である

今日は、「いまビジネスがビジョンを必要とする理由」について。

最近いろんなところでビジョンの大切さが説かれていますよね。

-内発的な動機づけになる
-人を巻き込むキッカケになる
-行動指針、立ち返るコトバとなる

などなど、ビジョンにはいくつもの役割があると思います。

その中でも、今日僕からお伝えしたいのが、

「ビジョンは、人を惹きつける物語の原点になる」という視点です。

共感を生むストーリーは、すべてワンパターン

図1

こちらは、ジョーゼフキャンベルの言葉。

「千の顔をもつ英雄」の中で彼は、「時と文化を超え、あらゆる神話には同じ基本的な要素が、変わらぬ一般的な手法で盛り込まれている」と言います。


共感を生みだす全ての物語は、「旅立ち→新たな世界(出会い)→帰還」の3部構成で成り立っているそうです。その構成がこちら。

【旅立ち】
英雄はお告げを聞くが、初めは拒絶し、その後一線を越えて新しい世界へ踏み出す。

【新たな世界】
新しい世界では厳しい試練が課され、底知れぬ絶望を味わう。だが、その過程でたいていは良き指導者が現れ、かけがえのない授けものをもたらしてくれる。

【帰還】
そして英雄は、新たな人格を持った人間へと生まれ変わる。その後、もとの世界に戻り、2つの世界の長となり、両方の世界の改善に全力を傾けるのである。
 「ハイコンセプト」-ダニエルピンクより


これらのストーリー構成を図解すると、こんな感じでしょうか。

図4

たとえば、「スターウォーズ」や「ロードオブザリング」、「マトリックス」もこの構成に当てはまります。

日本の漫画でいうと、「ワンピース」や「ナルト」、「宇宙兄弟」から「ジャイアントキリング」まで、すべて英雄物語をベースとしたストーリー構成になっています。


ここでのポイントは、魅力的な物語には読者と約束したゴール(VISION)が共有されている点です。


たとえば、ワンピースの大きなビジョンは、ルフィが海賊王になることでしょう。さらにワンピースには、小さな「英雄の物語」が大量に仕込まれています。

「アーロンを倒す、クロコダイルを倒す、ロビンを奪還する」など、

海賊王を目指す大きな英雄物語に小さな英雄物語が入り込んだ、いりこ構造になっています。

長期的なビジョンと短期のビジョンを混ぜ合わせることで、読者を引き放さないそんな仕組みになっています。

それくらい、ゴール設定(ビジョン)って大事なんです。何を目指しているのか分からない物語だと、途中で人が離脱しますからね。

人に、物語とビジネスの区別はつかない

ここまでの話をきくと、「英雄物語なんて、所詮フィクションの話だろ」と思うのではないでしょうか?

でも、「人の心に、物語とビジネスの区別はつきません。」

むしろ最近は、個人の自由度が大きくなり、人は現実世界に物語を欲している気がします。(僕の個人的な意見ですけど。)


「この船(チーム)に乗り込めば、面白い冒険を体験できるのではないか?」

「自分はさらに成長できるんじゃないか?」

魅力的なビジョン(ゴール設定)こそが物語の原点であり、その原点が共感を生みだします。

だからいま、魅力的なビジョンを掲げる企業・プロダクトに人が殺到しているんです。

たとえば、「日本の工芸を元気にする」をビジョンに掲げている中川政七商店であったり。

「日本にベビーシッター文化を」をビジョンに掲げるキッズラインにも、たくさんの人材・顧客が集まっています。

経沢:
今回、キッズラインの技術顧問をやってみてもいいかなと思ってくださった理由を教えていただけますか?

名村:
理由は、会社にちゃんとビジョンがあるからですかね。今世の中にある大きな課題を解決したいと思っていて、ちゃんと目指す世界観があって、そこに対して足りない部分があって、そこで自分が何か手助けができることがあればむしろ是非やらせてほしいと

国宝級エンジニアと称される名村さんが技術顧問になられたのも、ビジョンへの共感だそう。

やっぱり皆、現実世界に物語性を求めているのだと思います。

おわりに

今日は、英雄物語を例に、ビジョンが人を巻き込む理由について書いてきました。

-惹きつける物語には法則がある
-共感を生むビジネスもまた、物語を必要とする
-魅力的なビジョンこそ人を惹きつける

という話でした。

図4

ちょっと余談になりますが、、

この神話を構成する英雄物語は、掘り下げるといろいろな思考ができます。個人で影響力を持つインフルエンサーもまた、この英雄物語に乗っかっています。

たとえば、イケハヤ氏であれば、「現実(東京で就職)→新しい世界(ブログに出会う)→帰還(自由な生活)」というストーリー構成ですね。

このように、人を惹きつけるには物語が必要です。


「自分にはどんな物語を紡げるだろうか?」と自問自答してみるのも面白いかもしれません。どんな物語にも、明確なゴール(VISION)が必要ということをお忘れなく。

本日は最後までお読みいただきありがとうございました。

ちなみに、この英雄の物語は、ダニエルピンクのハイコンセプトから話を引っ張ってきました。GWの読書のお供にどうぞ。

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