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とおりすがりの花たち

夜遅い時間に、とある場所で咲き誇っていました。

最初は絵だと思ったのですが、刺繍なんですね。
こういうのなんていうんでしたっけ。クロスステッチでしたっけ。

立派な額に入っていて、とても手が込んでいて、持ち主の方はきっと大切にしていたのだろうな。

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これが置いてあったのはとある古い理髪店。
何度か通りかかったことはありますが、一度も入ったことはありません。
店主がどんな方かも知りません。ただ、70代くらいの女性が、店の前に置いてある植木やプランターの花に水をやっているのを見かけたことがあるくらいです。そういえば、お店の入り口のところには、ときとき花手水のように、大きめのお皿にきれいなお花を浮かべて飾っているのを見たこともありました。(この間も飾ってあったけれどお花の名前がわからなかったわたし、、、とても綺麗で癒やされました)
ことばをかわしたこともないけれど、きっと、お花が好きな方に違いないな、と。ときどき、その花に癒やされていたなぁと。


少し前から、「ほしい方がいたらどうぞ」ときれいな食器とか小物とか、こんなふうにお店の前に並べていることがありました。大切にしていて、捨てるに忍びないモノたちなのでしょうね、きっと。区画整理か再開発で、近いうちにお店をたたむことになったようで、店内に飾っていたものを出しているのかもしれません。そういえば、お店の前の植木たちも最近減っていたような。

薔薇好きなわたし、しばしの間しゃがんでこれを眺めました。できることなら連れて帰りたかったのですが、結構な大きさ(額を含めるとA3よりも大きい)ので、飾る場所がないと断念しました。きっと、これが似合うお家の方がいるだろうなと。

数日後、またここを通りかかると、もうこの絵はありませんでした。
きっと、素敵な方のところにもらわれていったのでしょうね。
たとえ、一瞬でもこんな素敵な花を愛でることができて嬉しかったです。感謝。

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