遠い日の記憶

3.11 が近づくと、いろいろな記事を見かける。もう10年もたつのだなと思う。わたしは東京であの地震を経験したのだけれど、そのときのことをいろいろ思い出す。

ところが

このCMのことは、この記事を読んでも全然思い出せなかった。
当時、TVをつけると確かにACばかりが流れていた、というのは記憶にあるのだけれど、肝心のそのACのCMが全然浮かんでこなかったのだ。ポポポポポーン、と文字を追っても、全然メロディが浮かんでこなかったのだ。え、有名なはずなのに、絶対目にしてるはずなのにどうしてだろう。かろうじてこんにちワンをかすかに思い出せるかなという状態だったので、YouTubeで検索して探した。そして見てみたら、確かに「あぁこれこれ」と思い出すことはできた。でも、なんとなくあの頃見たのと違うような、微妙な違和感もあったりして。あくまでも(個人的に)自分の感情に直接的に訴えかけてくるような内容ではなかったからかもしれないけれど、みごとにすっぽりと抜け落ちていた。

当時のことはいろいろ覚えていると思っていたのに、なんだか人間の記憶って曖昧なんだなぁと実感してしまった。忘れてないだろうと思っていても平気で忘れていたり、下手したら都合よく上書きされたり改ざんされていたりすることもある。もちろんそれがそれが全て悪いというわけではないけれど。

そんなふうに考えたら、例えば今のこの567禍のことも、そのときはどんなに強烈な印象でも10年後にはきっと忘れてしまう部分があるのだろうな、なんて。だからこそ、自分にとって大切なことはどんなに些細なことであってもどこかに記録として残しておくべきなのかもしれない。みんなにとって大切なことは、ネットの大海のどこかにたぶんあるはずだから、自分が残しておきたいことはむしろささやかなできごとでいいんだな、とも。

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