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過去を懐かしむことでそこにある「今」が愛おしくなる。

ふと、何かがキッカケになってあるひとつの過去を思い出し始めると、その過去の世界にどっぷり浸ることをやめられない。

あの瞬間に見てた景色とか、匂いとか、温度とか、会話とか、表情とか、感情とか、とにかくそこにあった全てを思い出して、胸を熱くする。涙がにじむまで熱くする。それくらい、とにかく入り込む。

過去の自分がいる世界をスクリーンに投影して、大好きな映画の世界に入り込むみたいに、どっぷり浸かるのが好き。

その世界にいるのは今の私じゃなく過去の私であって、それは全くの別人で、今の私がそこにいたらきっと全く違う世界になっていたと思う。

だから、あの頃に戻りたいと思うことはなくて、ただひとつの過去の全てを思い出すことに夢中になって、過去の私が映るスクリーンを観ている今の私がどう感じ取るのかを楽しんでいる。

何度も何度も同じ過去を懐かしむ瞬間を繰り返し、過去になった今を確かめて、この瞬間に感じることを確かめて、そうすると過去への思いが変わったり、変わらなかったり。


過去を懐かしむことについてnoteを書いてみたいって言ったら、
そもそも過去ってどこから過去になるのかな?なんて話になった。

たとえば、いつかの恋を思い出して、懐かしいなと思うとき。

好きになった人を想い続けている今。何ならちょっと先の未来を思い描いたりもする。過去に変わる瞬間はきっと、その人に恋をしている自分に終止符を打つとき。恋をしている今が終わって、初めて過去になるんじゃないかと思う。

それで、また次の恋が始まって、それが終わって、ふと思い出す昔の恋は、また違った感覚なんだろうなあ。

過去になるときっていうのは、きっと、今の自分に区切りがついたとき。

楽しすぎる時間を過ごしてまだ帰りたくないと駄々を捏ねる一日の終わりだってそうなんじゃないかなって思う。

自分の気持ちに区切りをつけなきゃいけない瞬間が何度もあったりして、その度に何度も自分と向き合って、誰かと向き合って、その気持ちに終止符を打つ。目の前にある今が過去になった今になる。


区切りのひとつひとつを何度も懐かしんで、人生のいろんなところにある今を、何度も愛おしく思っていたい。


読んでくれて、ありがとうございます。

美保


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