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ちょびっとの悲劇
2021年12月11日 00:17
玄関を開けると、部屋は闇で真っ黒に塗りつぶされていた。 手探りで電気のスイッチをオンにすれば、見慣れた玄関先の光景が目に映る。大学に進学後、一人暮らしを始めて一ヶ月ほど住んでいる部屋だ。結斗の手には、アパート入口のポストから取り出した封筒や広告が握られている。 靴を脱ごうとして、足元に落ちている便箋に気付く。ドアに開いた投函口から放り込まれたようだ。 まっ白な便箋。そこには宛名も差し出し