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南Q太傑作短編集 ぼくの友だち/南Q太

良すぎた なんて有難くて最悪 記号にはめられないわたしたちでも、直截的に言うと歪でも、わたしたちしかわからない文脈で、わたしたちしかわからない豊かさで、その共鳴だけを信じて。 そうはいっても捨てられない”見られ方”と戦いながら、 理解のための分類に縛られないで、誰かに理解されるための私たちではないと今日も自分に言い聞かせる。 そう心から思えなくても、言い聞かせる。 社会性(一旦サボってこの表現)と自分の信じたいものを常に天秤にかけながら。 バランスをとるのが正解か、

    • 一人称単数/村上春樹

      村上春樹の本を久しぶりに読んだ。 「つまり」「要は?」の存在しない世界 大きなものやあいまいなものをそのままの大きさと抽象度でそこに置くことを許す その豊かさをこの人から教えてもらった 私の脳はまだあいまいを完全には受け入れられないくらいには子ども 村上春樹の本は、表現の箱って感じ 宝箱って言うとなんか大袈裟だし、海っていうとなんか広すぎる。 けど箱ってよりはもう少し有機的、ん、一旦箱 なんか村上春樹の言葉って絵を描いてるみたい。 その点を点として捉えるみたいな言

      • 傷口

        ただ切実に懸命に生きているだけなのに、なんの前触れもなく通り魔に襲われることが私の人生では中々にある。 ナイフの当たりどころがよかったのか、痛みに慣れたのか、私の治癒力が上がってしまったのか、ここ1年は過去に感じていたような痛みは感じなくなり、回復も早くなった。 今の私は、大抵の傷は自分の力で治すことができる。 しかし極たまに、まだ治療法のわからない急所を刺されることがある。 刺された直後はあまり痛くなくて、時間の経過につれてその痛みをじわじわ自覚する。 そして、刺

        • 戸田真琴著『そっちにいかないで』を読んで

          「美しい」と思った。 見えている世界、冴え渡る感受、編まれた言葉、それらすべてそのものである著者を、美しいと思った。 ”美しい”以上の表現を知らない自分が悔やまれるくらいそう思った。 そしてこの本を読み終えた今日は、昨日より世界が少しだけ美しくみえた。 この世界でもう少し生きてみようかな、そう思わせてくれる本だった。 彼女の、妖艶で明晰な表現の世界に足を踏み入れたとき、まるで映画を見ているような、いやそれ以上に、自分がその世界の一部になったかのような、まるで著者と同じ目

        南Q太傑作短編集 ぼくの友だち/南Q太

          世界はおもっていたよりはあたたかい

          起きてすぐ、あ今日無理だってなって、友達との旅行をドタキャンした。 すごく嫌なことがあった。昨日までかすり傷かと思って、今朝見てみた傷口からは、血が溢れでていた。 私は、コンタクトをつけず、暖かいベージュのコートを着て、ラルフローレンのグリーンのマフラーをして、もこもこのバケットハットをかぶって家を出た。 そしてコンビニで、スターバックスのカフェラテを買い、いつもの公園のいつもの左から二番目のベンチで池を眺めていた。 すると、おじさんとおばさんが隣のベンチにやってきた。

          世界はおもっていたよりはあたたかい

          嘘つき

          𓁷 ねぇどうしてあなたは嘘ばかりつくの? 𓆗 手にある全てものを守りたいからだよ。 自分も誰かもなにもかも。 𓁷 あなた傲慢なのね。 𓆗 じゃあ、あなたは嘘をつかないの? 𓁷 つくわ。でも私は嘘をつくのが上手いのよ。 嘘が嘘であることを悟らせないわ。 𓆗 それこそが傲慢よ。 きっと、あなたの嘘を、嘘だとわかっていながら嘘のままにしてくれている人がいるのよ。 あなたはそうやって誰かに守られているのよ。 なのにあなたに、嘘を暴く権利は

          ”正解”だけを選べたら

          人はいつも正しくは生きていけない 正解なんてないという言葉は、今回は論点がズレるから1度脇に寄せておく。 幸せや平和や安定が約束された事実としての正解がこの世には存在する。 たとえそれが自分の心の声と異なるものであっても。 事実としての正解を選ぶことで、 誰かを傷つけたいわけじゃない むしろそこに応えたい一心だ でもそれは綺麗事で、 結局は自分自身が 正解の先に約束された幸せを夢みたいだけかもしれない。 事実としての正解にいつか自分の心が追いつくと信じたいだけかもしれ

          ”正解”だけを選べたら