コミュニティへのオンボーディング
オンボーディングという言葉は、乗り物に乗っていることを表す「on-board」に由来しているそうです。それが今では、コミュニティに入ったばかりの新メンバーやサービスを使い始めたばかりの新ユーザーに慣れてもらうプロセスのことを指すようです。
コミュニティを楽しんでもらうためにも、サービスを継続的に利用してもらうためにも、提供者側はこのオンボーディングを行う必要があります。
オンボーディングをしないと、コミュニティやサービスの価値を体感する前に脱退することになり、お互いにとってもったいない。
では、コミュニティでは実際にどんなオンボーディングが有効なのか。いくつかのコミュニティデザインを通して得た知見をお伝えします。
(サービスのオンボーディングについては専門外なので割愛します)
1.自己紹介をしてもらおう
コミュニティに入会してくれた新メンバーには、まず自己紹介をしてもらいましょう。
これによって運営者は、新メンバーがコミュニティに入った「目的」やほかのメンバーとコラボレーションが生まれそうな「接点」を把握でき、コミュニティの運営方針やコンテンツ企画・イベント企画に反映させることができます。
また、新メンバーにとっては、他のメンバーに自分のことを知ってもらえているという感覚が、コミュニティで活動する際の後押しになるものです。
2.イベントへの参加を勧めよう
新メンバーにとって未知の場であるコミュニティでは、まず何をすべきか分かりません。だから、自己紹介を参考に興味を持ちそうなイベントやコンテンツを勧めてみましょう。また、特定の新メンバーの目的や関心を反映させたコンテンツやイベントを企画すると、参加しやすいですね。
コミュニティの規模が大きい場合には、いきなり大人数の場に参加して馴染めないことを懸念する新メンバーもいるので、8人以下の少人数の座談会を開催して招待すると、知り合いも増えて場の雰囲気もつかめて他のイベントにも参加しやすくなります。
3.1on1をしよう
新メンバーとの1on1は、自己紹介よりも深くその人のことを知ることができる良い機会です。1on1で運営者が新メンバーと関係性を築いておけば、その後もアクティブに参加してもらいやすくなります。
1on1をしていると、新メンバーのやりたいことが見えてきます。そのやりたいこととコミュニティの重なりを見つけてコンテンツやイベントを生み出すことができれば、その新メンバーはただの参加者ではなく、一緒にコミュニティを作り上げていくパートナーです。
そうしてコミュニティへの関与が深くなれば、さらにアクティブに参加してもらえることでしょう。
4.イベントで他のメンバーとつなごう
新メンバーがイベントに参加したときには、ぜひ他のメンバーとつないでください。それも自然に。
コミュニティに知り合いが増えれば、その知り合いが参加するイベントには参加しやすくなり、そのイベントでまた知り合いが増え、さらに参加しやすくなる、というループが回り出します。
運営者がひとりひとり意識してつないでもいいですし、イベントのなかにメンバーどうしをつなぐ仕掛けを仕込んでおくのもいいですね。
さいごに
オンボーディングを通じて相互理解を深め、関係性を築くことで、新しいコラボレーションが生まれやすくなります。
そういったコラボレーションによってコミュニティは少しずつかたちを変えていき、進化していくのです。
とてもシンプルで基本的なことばかりですが、だからこそ大切なオンボーディングをしっかりとやっていくことが、コミュニティデザインの要です。
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