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あなたも笑いの中心に立つ教師になれる

【笑いがある価値】


学校、学級に一番ふさわしいのは、笑顔だと思っています。
笑いが生み出すものは、楽しさだけではありません。
一人一人の個性を引き出します。
なにより、学校が楽しくなります。
では一体、何が笑いを生み出すのか?
私は、「安心」だと思います。
志村けんさんも生前、本にこう書いています。
「お客さんにすれば『多分こうするよ、ほらやった』と自分も一緒になって喜ぶ笑いと、『意表を突かれた、そう来たか』とびっくりする笑いの二種類あると思う。『待ってました』とか『おなじみ』という笑いをばかにしちゃいけない。」
つまり、安心して笑える状況が好きなのだと思います。
今回は、私が実践してきた笑いのネタを紹介します。


【子供は音が好き】


音が出るおもちゃを手元に用意してください。
「ピンポン」「ブーッ」と音が出る〇×マシンでも大丈夫。
子どもとやり取りする中で、自然にならすと、笑いが巻き起こります。
特におすすめなのが、赤いサウンドマシン。
ボタンを押すだけで、子供たちが踊りだします。
それから、ドリフターズのように、定番ネタを子どもたちと一緒に作り出します。
コントのオチに使われている音:天然系の女の子と私で、振り付けを一緒に考えたダンスをする。
グラスをたたく高い音:変顔のチャンス
というように、お決まりを作っておくと、「くるぞ、くるぞ、来た!!」という笑いが起こります。


【明石家さんまさんみたいな大人が好き】


子どもたちの前に立って話すときは、明るくて大きな声がおすすめです。
イメージは、お笑い芸人さんのバラエティーの司会。
中でも、明石家さんまさんになりきってみるのが、おすすめです。
一度、実験したことがあります。
低くて小さな声で子どもたちの前で話すと、とたんに子どもたちは元気がなくなります。
(よく言うと、落ち着いてしまいます)
高くて大きな声で話すと、子どもたちは元気になって、動き出します。
一番のポイントは、先生が面白くなくても、笑いを作り出せることです。
面白い役割をするのは、子どもたちに任せてしまうのです。
基本は①フリ②オチ③フォロー、です。
踊るさんま御殿を見るとわかるのですが、さんまさん自身が面白いことを言って作り出す笑いは1割程度です。
巧みに話題をゲストに振って、面白さを引き出します。
つまり、教師は子どもたちにフリを入れて、オチは子どもたちに言わせるのです。そして最後にフォローを入れます。
例えば、こんな感じです。
教師:黒板に書いた文字、見えますか?〇〇さん、大丈夫ですか?
子ども:先生、黒板で先生が見えません!!
教師:え?黒板で先生が見えないの!?(と言いながらミニ黒板の後ろに隠れて板書を続ける)
面白いオチがきたら、大きなリアクションで「繰り返す」が基本です。
「黒板で先生が見えない」→「黒板で先生が見えないの?」という具合。
先生は、一つも面白いことを言わなくても、笑いをとれるんです。


【友達の日記が好き】


私は、ほぼ毎日、日記を宿題に出します。
はじめは書けなくて苦しんでいる子もいますが、教師が楽しむことで、子どもたちも楽しみ始めます。
ポイントは、笑いながら読むことです。
「これ、最高!!」
とか小声で言いながら…。
子どもたちにとって先生の存在は大きい。
子どもの1年の幸せを決めてしまう存在、と言ってもいいくらいだと思います。
だから、その存在感がある先生が、日記を楽しむって、すごく大切なのです。
朝の会、子どもたちの前で読みます。
ポイントは、声色を変え(女の子の日記なら、女性っぽい声で読みます)、テンポを変えながら、面白いところの前には、間を作って読みます。
これだけで、笑いが起きます。
みんなの前で楽しみながら読むことで、子供たちの日記はどんどん個性的で自由になっていきます。


【緊張からの安心が好き】


真面目な子どもと一緒に、ネタを仕込みます。
例えば、私は百円ショップに売っている白いうちわに「三浦先生大好き」と太い文字で書き、そのまわりをきらきらしたシールやモールなどでデコレーションしたのを常に用意しておきます。
イメージは、ジャニーズファンの子が持っている顔写真入りのうちわです。
事前にうちわを一番後ろの席にいる真面目な子に渡して「サインを出したらふって」と言っておきます。
そして、朝の会などで、
「おい!!ちょっと!!なにやってるんだ?!おい!!」
とか言って、怒った雰囲気を出します。そして、教室の後ろに歩き出します。
子どもたちは一気に緊張し始めます。
「おい!!こんなところに先生のファンがいたぞ。」
とか言いながら、「三浦先生大好き」と書いたうちわをもっている子のところに行きます。
「いや、先生、絶対仕込んでるでしょ!」
と突っ込みが来ますが、否定してください。
すると、この真面目な子に、みんなが、
「たのまれたでしょ?たのまれたでしょ?」
と話しかけ始めます。
真面目な子の中には、自分からコミュニケーションするのが苦手な子がいるので、みんなに声をかけられる経験がない子もいます。
こうやって、先生がネタを仕込む中で、コミュニケーションの種を作ることができます。


【子どもたちは、ちょっと弱い大人が好き】


教師はちょっといじられる弱みを子どもたちに見せるとよいと思っています。
私は39歳の時、40歳、つまり初老になる恐ろしさを普段からネタにしていました。
何か失敗したら、初老のせいにするのです。
そして、落ち込んで見せます。
すると、子どもたちから、40歳をネタにいじり攻撃が始まります。
「先生、あと142日で、40歳ですね!!おめでとうございます」
「うっ!!もうすぐ初老がやってくる。その言葉、ぐさっ!!」
とか言いながら、傷つくふりをすると、これだけで大盛り上がりです。
イメージは、出川哲郎さんです。
親しみやすい感じを出しておくのです。
この距離感が学級を経営するうえで、重要になります。
子どもたちが、声をかけやすい大人が普段から近くにいてくれる安心感が、最も大切だと思っています。

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