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元コンカフェ経営者がコンカフェの起業・経営手法を大公開!【経営・売却編】

この記事は元コンカフェ経営者がコンカフェの起業・経営手法を大公開!【起業編】の続編である。

コンカフェの開業準備についてはこちら↓

今回は私がどのようにコンカフェを経営して、そして売却したのかを公開していきたい。

コンカフェとは?

コンカフェのことがよくわからない方のために、改めてコンカフェについて説明させていただきたい。

コンカフェとは「コンセプトカフェ」の略で、そのお店が作るコンセプトに沿った世界観を楽しめる飲食店である。

代表的なものにメイドカフェがある。メイドカフェはご主人様がお屋敷にご帰宅して、メイドがおもてなしをするというコンセプトのもとで運営されている。

そして今、メイドカフェに限らず様々なコンセプトを持ったお店が全国に続々と登場している。

なおコンカフェには「カフェ」とついているが、最近はお酒を出すのが当たり前になっていて、カフェ&バー、スナック、ガールズバー、キャバクラなど様々なスタイルに変わってきている。

メイドカフェとコンカフェの違い

🚨以前からあるメイドカフェと最近のコンカフェはシステムが全然違う!

メイドカフェはほぼ一般的な飲食店で、そこに歌やパフォーマンス、お絵かき、チェキなどが加わったもので、あくまで飲食メインである。

そのためキャストと長時間話し込むことや乾杯することはない。

またお店のことを「お屋敷」と言ったり、ご来店のことを「ご帰宅」と言ったりして、メイドの世界観を徹底している。

それに対して、最近のコンカフェはお酒の提供があり、キャストとのコミュニケーションを楽しむお店がほとんどである。

コンカフェにはキャスドリ(キャストが飲むドリンク)やシャンパンがあって、キャストもジュースやお酒でお客さんと乾杯する。

またメイドカフェのような厳しい設定もないため、コンカフェ嬢は割とふだんと変わらないナチュラルな接客をする。

最近のコンカフェ嬢は、SNSにシャンパンタワーや空いたボトルの写真を載せたり、DMで営業したりとよりガルバやキャバクラに近いものになっている。

なぜコンカフェに参入したか?

私は参入する業界を決めるときに、その業界が儲かりやすいか、儲かりにくいかを1つの判断基準にする。

業界によって稼ぎやすい業界と稼ぎにくい業界があるので、ここでミスるとそもそも稼ぎにくい業界に参入してしまうことになり、後からがんばって努力しても効率が悪くなってしまうからだ。

コンカフェ業界が儲かりやすいか、儲かりにくいかを経営視点で見ていこう。

《メリット》

利益率が高い

コンカフェは利益率が高い。その理由は、

・原価率が低い。通常、飲食店の原価率は平均30%だが、コンカフェは10%くらいだろう。当店の場合は原価率が10%を切っていた。

・水商売はキャストが夢やストーリー、かわいさ、エロさなどを売るので値づけの自由度が高い。高額なTAXも取れる。

・コンカフェの給与は固定費の時給が通常の飲食店くらいで比較的低く、変動費のバックの割合が高い。

設備投資が少ない
初期投資といってもいい。都心でも1店舗あたり500万円程度で作ることができる。コンセプト次第ではもっと安くできる。うまくいけば半年以内でのスピード初期投資回収が可能だ。

必要運転資金が少ない
コンカフェは在庫を抱えないし、売掛もない。現金やキャッシュレス決済ですぐ売上を回収できる。ちなみに当店のキャッシュレス決済割合は35%程度だった。

リピート率がそこそこ高い
流石にサブスクまでとはいかないが、通常の箱型ビジネスと比べるとリピート率は高いだろう。これは「推しに会いに行く」という特殊なサービスを提供するからだ。

寡占的な広告媒体がない
業界によっては広告を出さないと圧倒的に不利になる広告媒体が存在する。結果、業界全体が搾取されることになる。美容業界のホットペッパービューティーなど。コンカフェ業界はそういった媒体が存在しない。

《デメリット》

参入障壁が低い
初期投資が安いので競争が激化しやすい。秋葉原、歌舞伎町、ミナミなどはもちろん、全国で参入が相次いでいる。最近は大手資本が高い内装費で参入するケースも増えてきた。

労働分配率が高い
利益のうちどのくらい人件費を占めるかの指標。キャストが商品なので、当然利益に対する人件費は高くなる。

上記のメリット、デメリットを考えた結果、私はコンカフェが稼ぎやすい部類に入ると判断した。

また自分好みの物件があったこと、かわいい女の子を集める自信があったこと、自分の店に投資することが一番利回りが高そうと思ったことなど、総合的に考えて参入を決定した。

私の経営方針

経営方針というと大げさだが、私がどういう考えで事業を行っていたかというと、

初期投資500万円程度(物件保証金除く)で1店舗作り、月商300万、月利益100万の店を3、4店舗つくる。規模を追うのではなく、収益性を重視する。

自分1人でコントロールできる範囲で、なるべく低リスクで出店しようと考えていた。

収益性を重視していたため、経営していたコンカフェ1店舗のデータを見ると、1年目は経常利益率35.3%、2年目は46.6%と高収益体質の店をつくることができた。(ただし2年目はコロナが発生したため参考値だろう)

大きく増やすのは投資、投機で行う。事業で稼いで、投資・投機で大きく増やす。  

自分が管理できるのが3、4店舗が限界だと思っていたので、それ以上の利益は投資や投機で稼ごうと思った。

ちなみに投機で大失敗している。

BitMEXという取引所でビットコインのレバレッジ取引を行い、2000万円に3倍のレバレッジをかけて6000万を元手に勝負を行い、5000万勝って6300万負け、-1300万円の損失を出した。

あのとき1撃1億に固執せずに、+5000万円でよしとしていたら、と今でも後悔している。

一晩で-1000万の損失を被り、すしざんまいで涙と醤油が混ざったまぐろ5貫を食べた夜は絶対に忘れない。

それ以来、コアを株式の長期投資に切り替えた。現在は含み益ベースだが、負けを取り返している。

30歳までのアーリーリタイア(今でいうFIRE)を目標とする

学生の頃から早く一生分稼いで、資産運用しながらまったり暮らしたいと思っていた。

FIREは投機の失敗もあってずれこみ、30代前半での達成となった。

本記事について

今回は私が秋葉原でコンセプトカフェを経営・売却した内容を公開したい。

私自身は知名度があるわけでもなければ、インフルエンサーでもない。

コンカフェはすでにSNSで多くのフォロワーを持っている方や、知名度のある方が経営者になることも多い。その場合は集客や求人、資金調達に大いに有利となるだろう。

私はそうではなく、知名度のあるキャストをいかに集めて集客していくかという戦略、戦術を立てて実行した。

その意味である程度の再現性があるだろう。

また私はコンカフェを含め4店舗経営して、結果は全店舗黒字のまま終えることができた。

再現性を持って黒字の店をつくれたのは、つぶれにくい仕組みを作ったからに尽きる。

まず負けない体制を作った後に、売上を上げる努力をしたのだ。

つぶれにくい仕組みがあったからこそ、売上が低くなったときも赤字にならずに済んだし、メンタル面でも安心していられた。その仕組みをどう作ったかも公開している。

このような戦略は経営の根幹に関わってくるので、他の経営者と情報交換しても深くは教えてはくれないだろう。

記事内では上記の戦略以外にも、コンカフェ経営に関する各項目について、私の経験や考えをメインに書いている。

起業編でも書いたが、競合店に飲みにいくだけではわからない、表から見えない情報も公開していることから、情報を集める時間的、金銭的コストを削減できるだろう。

そして売却編ではコンカフェのM&Aについても記載している。

私は経営する4店舗からイグジットするときに、M&A、事業譲渡、居抜き、経営委託の4つの手法を使った。

店舗経営の場合、撤退時に物件の原状回復を回避すれば出費を大きく抑えられるので、様々な手法を検討して、各店舗に合いそうな手法を実行したのだ。

全部書くと記事が膨大になってしまうので、今回はコンカフェのM&Aにしぼって書いている。

コンカフェの出店数は増加しているが、M&Aによる売却までいった店はまだ多くはないだろう。

その意味で、コンカフェがどのくらいの売上、利益でどのくらいの価値がついたのかを測る1つの指標になるはずだ。

当店のM&Aマッチングサイトの掲載情報

※画像の補足をすると、この掲載情報はコロナ禍の2020年の売上高、営業利益で通常よりも低くなっている。正確な数字は記事内に記載している。

売却編ではコンカフェのM&Aの流れを説明しながら、成約までに私がした工夫を随所に記載している。

例えば、M&Aアドバイザーへの報酬。私は複数のアドバイザーに仲介を依頼していたが、その報酬を全社共通でいくらに設定していたかを記載している。

複数のM&Aアドバイザーとやりとりするとわかるが、彼らは報酬をまず高値から提案してくる。

せっかくお店の売却に成功しても、仲介者に多額を支払うと手残りは少なくなってしまう。ただでさえ株の売却益には20%の税金がかかるのだ。

とはいえ、あまりに少なすぎても仲介者はこの案件を後回しにするだろうし、彼らにももちろん人件費がかかっている。それらを考慮した上で私なりの仲介手数料の額を決めた。

もちろんこれが絶対的な正解ではないが、実際に成約した1つの基準を知っていれば交渉は進めやすくなるだろう。

経営やM&Aは動く金額が大きい。この記事を参考にして、少しでも売上を上げられたり、経費を削減したり、または事業売却を進められれば、有料記事の料金は一発でペイできるだろう。

今回はコンカフェの経営・売却について以下のような内容を記載している。

【経営編】
・つぶれにくい仕組みづくり
・求人
・価格設定 
・時給とバック
・広告とPR
・イベント
・ゲスト出勤 
・給与計算
・シフト 
・キャスト管理
・売上金の管理 
・洗濯 
・詐欺 
・節税 
・年収

【売却編】
・売却価格とトータルリターン 
・売却理由 
・M&Aマッチングサイトへの登録 
・M&Aアドバイザー
・買い手との面談 
・意向表明書とデューデリジェンス
・最終合意
・従業員への連絡とクロージング

ぜひコンカフェの起業・経営・売却に本記事をお役立ていただきたい。

※私が10年かけて起業・経営して得た知識、経験を公開するものですので、有料での公開とさせていただきました。ご了承お願いいたします。(コンカフェに1回飲みに行ったくらいの価格にさせていただきました。飲み放題3000円+TAX20%)

※有料記事は新聞図書費として全額経費に計上できます。ぜひ節税にお役立てください。

※M&Aにてコンカフェの運営会社を売却したので、経営していたコンカフェの店名は伏せさせていただきます。

※構成や文章能力につきましては、温かい目で見ていただけますと幸いです。

※内容に関するご質問があった場合や、記事に書ききれなかった新たな内容などは加筆修正していきます。一度購入していただければ、記事の購入金額が上がっても、追加料金一切不要で読み続けていただけます。


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