ハンナ・アーレント

ドイツ系ユダヤ人哲学者であり、政治理論家であったハンナ・アーレントの伝記映画。いろいろな基礎知識があったほうが、理解しやすい作品だと思います。ハンナ・アーレントという方、きっと世界的に有名なんだと思います。さらに、世界史におけるナチスとユダヤ人の関係。これも、歴史をよく知っている人のほうが、作品理解に役立つはず。
などと偉そうに書きましたが、ぼくは上記の知識を持っていない。
そんなぼくの感想です。

「思考することをやめてはいけない」
一言で終わってしまいますが、そういうことだと思いました。
本作では、アドルフ・アイヒマンというナチスの将校の裁判が軸になるのですが、アイヒマンは与えられた役割をこなしていただけだった。というのが、重要な要素。この話から、「スタンフォード監獄実験」へと発展したという。って、これはwikiに書いてあったんですけどね。この実験でわかったことは、「人は役割を与えられると、そのような人間になってしまう」ということでした。逆のこともできるのだろうか、というのは気になるところです。たとえば、職場において「仕事ができる人」という役割を与えられると、仕事ができるようになるのだろうか、と。ファンタジーですかね。

それはともかく、常に思考し続けること。そうしないと、役割に流されてしまう。善悪の判断もできなくなってしまう。ということだと思いました。考えるってなんでしょうね。頭の中で言葉がぐるぐる回るのは、思考とは違うと思うんです。それは表面的なことであって、本当の思考ではない。自分は思考できていない、と認識するところから本当の思考がはじまるのかもしれません。

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