1961年、大島渚監督作品です。

第二次世界大戦終戦間近の、ある村落が舞台。
村人が黒人を捕まえてくる。B29の操縦士です。
この黒人をどうするか、ということで揉めますが役場からの指示で、捕虜として面倒を見ることになります。小屋の中に鎖でつないでおきます。
村には本家があって、三國連太郎が家長です。彼にはある弱みがあり、肝心なところで弱腰になってしまいます。これが、彼の指導力を中途半端なものにしています。
村ではいろいろなことが起こりますが、本家の家長がそのような状態ということもあり、なにかと悪いことは黒人のせいにしてしまいます。
やがて、事態はさらに悪い方向に進んでいきます……。

戦時中の感覚というのを私は知らないのですが、この作品で表現されいている感覚というのは現代にも通用するものだと思います。
指導者と、そこに働きかける人間の存在、そしてスケープゴート。娯楽性は乏しいですが、大島渚という監督のすごさ、もしくは、60年代の日本映画が持っていた力を感じます。

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