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特別展「やまと絵 -受け継がれる王朝の美-」

「やまと絵」の定義は時代によって変わるそうだ。

本展では、平安時代、鎌倉時代、室町時代を中心に、絵巻物や屏風を展示している。目玉になるのは4大絵巻(「源氏物語絵巻」、「信貴山縁起絵巻」、「伴大納言絵巻」、「鳥獣戯画」)。

自分が知らないだけなのかもしれないが、平安時代に描かれた「阿字義」という絵巻物には、カタカナでフリガナが振られていて驚いた。

また、鎌倉時代の絵巻には庶民の姿が描かれていた。源氏物語の作中にはほとんど庶民の姿は描かれない。そう考えると、時代が変わったのかなと思う。また、鎌倉時代の作品としては、西園寺実氏夫人願文も時代の変化を感じさせるものだった。鎌倉時代に書かれたもので、死後の冥福を祈って書いた願文だが、使われているのが漢字なのだ。女性も漢字を使うのか。

このように、いろいろと驚きながら眺めていた。なにしろ細かい作品が多いので単眼鏡は必須だ。ただ、単眼鏡で眺めていると、逆に発見がありすぎて、時間がいくらあっても足りないというのが困ったところではあった。

とにかく大量の絵巻が一堂に会してるという点で、個人的には大興奮な展覧会だった。

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