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『うた新聞』2020年8月号

からーんとした真昼の家に寝ころびぬ会はねど足るる関はりばかり 栗木京子 会わなくても心が通じてる、とかよく言われたが、作者は自分の持つ人間関係が、要するに会わなくても構わないような繋がりでしかなかったと気づいた。もちろん、向こうもそう思っているのだろう。身も蓋もないが、真実を抉り出している。

竹槍で敵兵刺すと日暮れまで励みし児童眼するどし 島田暉 児童は作者のことだろう。眼光鋭く、竹槍で敵を倒そうと訓練していたのだ。真剣であっただけに痛々しい。戦後75年、今年は体験者の声が各メディアで取り上げられた。国民性は変わっていない、など考えることも多かった。

2020.8.16.Twitter より編集再掲