『うた新聞』2020年7月号
①100号おめでとうございます!! 一本のトウモロコシ持ちレジを指す子がゐて行方もつあたたかさ 佐佐木頼綱 仕掛けのある一連。洒落たお祝いだ。数字の処理が難しいところだが、この歌は上手い。トウモロコシも子の指も「1」の形状になっている。
②大辻隆弘「〈てにをは〉を読む」いつまでを友だったのかセロテープ透ける向こうが学生時代 小島なお〈もちろん、小島の歌の「いつまでを」の「を」は格助詞である。この格助詞「を」には主に二つの用法がある。一つは「本を読む」「ご飯を食べる」といった目的語を現す用法。もう一つは「空を飛ぶ」「一日を働き続ける」のように「動作の移動する場所や持続する時間を示す」(『広辞苑』)用法、英語で言えばthroughやduringに当たる。もちろん「いつまでを」は「動作の持続する時間を表す」duringである。〉
これには違和感を感じる。during「~の間中」は前置詞なので、during the meeting, during the dayのように、ある期間を表す名詞が後ろに来る。「duringいつまで」の「いつまで」はそうした名詞とは違うので、奇妙に響く。言語体系が違うので一部だけ入れ替えても機能しない。微妙な助詞だからこそ日本語で説明して欲しい。
2020.7.17.Twitter より編集再掲