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バンクシー展を見た―肝の据わった男の軌跡

バンクシーは自分の視点でずっと訴え続けている男だったのだ、と今更知った。ずっと訴え「続けている」。

横浜のバンクシー展に行ってきた。東京を出たのは3月以来だった。

それまでのバンクシーのイメージはイギリスの覆面画家、ストリートアーティスト、シュレッダー事件程度だ。(シュレッダー事件とは、オークションにかけられた絵が落札された途端、額に仕込まれたシュレッダーで裁断された事件。シュレッダーは途中で止まり、結果的に絵の価値は高まったが、本来は最後まで裁断されるはずだっという映像を公開)

今回のまとまった展示を見て、遅まきながら認識を改めた。

彼は自身の視点をずっと持ち、訴えたいことがぶれずにずっとあり続け、それを製作・表現し続けているのだ。考えて、発表して、行動している。その形がストリートアートだった。

当たり前のようでいて、当たり前ではない。鋭い視点と表現力。

今回はかなりまとまった数が出されており、作品群ごとに見ることができる。彼の作品はストリートに多いので、すぐに塗りつぶされてしまうことが多い(今でこそ、そのために価値が上がって売り出される建物もあるが)。今回は多くのオリジナルの作品以外にも写真や動画もあり、見ごたえのある展示だ。

ブレグジットやイギリス王室のパロディやオマージュもあり、彼がイギリス人であることを改めて感じる。

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動画や彼が一時的に開いた遊園地(!)にも、ダイアナ妃へのオマージュが出てくる。

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これがそのディズマランド。この動画が流れているが、怖い…。

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彼は子どもをモチーフによく使っている。愛らしい顔で兵器を持っていたり、祈っていたりする。ここにはアップすることを考えてしまう作品もある。残酷ではない。私がつらく感じるだけだが。


作品はまだまだ多く、コーナーごとに特色もある。機会があったら見てほしい。彼にも今のコロナの状態はつらいのだと知った。

だがバンクシーは表現し続ける。消されても、持ち上げられても関係ない。自分の作品を描き続けるだけだ。壁に、ストリートに、あるとき、ふいに。

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写真は自由に写せる。解説も丁寧だ。無料の音声ガイドもある(QRコードから)。

場所は横浜駅直結のアソビル。9月27日まで。事前予約制。

https://banksyexhibition.jp/

今後、都外に出るのは先になりそうだ(見たのは7月頭)。

ただ、私が行ったときは予約制とはいえ思ったよりも混んでいたので、お気をつけください。



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