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はじめてのお点前


今日はワタシがはじめてお点前をした時のお話をしましょう。


割り稽古の段階を経て、いよいよお点前。

《わー、いよいよお茶だ》

という気持ちと

《え、お茶碗にお茶とお湯、ほんとに入れるのか……本当に飲めるようなものができるのかな……。お客さん、誰がするんだろう……。ちょっと怖い。緊張する……》

気持ちは色々入り混じります。


はじめてまともにお茶碗にお茶とお湯を入れて、こわごわ茶筅をふるひと(=ワタシ)のお茶……これ、一体どなたが飲んでくださるのだろう。いえ、飲まされる、あるいは飲むめに遭うといってもいいくらい、ワタシは出来上がりが心配でした。

でも、いつまでも空っぽのお茶碗を前にしているわけにもいきません。次へ進むにはやるしかない、です。


さあお点前、で襖を開け総礼をするとお茶室は明るく眩しい広い空間に見えました。キュッと身体の芯に力が入ったような気もしました。お客さんとしてお席に入っているのとは全然違う景色です。


ところがお道具を持ってお席に入り、お点前の位置についても全く手が動きません。

『えーっと、何をするんだったっけ……どうしよう……。割り稽古ではできそうな感じだと思ってたんだけど……』

そこで先生のお声。ハイ、言われた通りに。それも不安げに恐る恐る動く、という感じです。


割り稽古を経てお席でお点前をするようになると、パッと見にはちょっとお茶をやってる感じもしますがワタシは何もわかっていませんでしたし、景色も全く見えていませんでした。


じゃあ、お客さんとしてお菓子とお茶を頂いている時は大丈夫なのかと言うとそうではなく、タイミングよく食べるのに必死で、気づけばもうお茶が出ている! はやくお菓子を食べなくちゃ、という具合なので、お点前をどんな風になさっているのか、全く見る暇がなかったのです。


目の前のことに必死で、それも言われた通りに動くので精一杯なので、終わってから何をやったのか覚えていません。ヘトヘトの日々、絶賛継続中な具合で『今日もお菓子、美味しかったなぁ』これだけです。とにかく行って、言われた通りに動く。そして家に帰ると、頂いたお菓子のことを母に話す、そんな日々でした。



今日もお読みくださりありがとうございました。

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