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忘れがたき故郷

カナダに戻ってきて、もう2週間が過ぎました。
今では、「本当に日本に帰っていたのか!?」と
思うほど、夢のような毎日でした。

待ち時間も合わせると、20時間くらいかかりましたが
何よりも親や妹、その子ども達に会いたい一心で
手配もパッキングも1人で頑張りました。


先日、子どもがNetflixで安室透「ゼロの日常」を見ていました。
その中で、主人公の安室がギターで「ふるさと」を弾き語る
シーンがあり、思わず涙がこぼれました。

「ふるさと」

文部省唱歌として、長く教科書に掲載されている有名な曲です。

子どもの頃、「3番は『立身出世』などを謳った歌詞のため
現在ではあまり歌われない」というような説明をうけたことを
覚えています。

でも、今、自分が外国に住んでみると
無性にこの3番が気にかかるのです。

私の子どもの頃ですから、ウサギは追わないし
小ブナも釣りません。

でも、慣れ親しんだ街並み、近所の「お地蔵さん」を
見るにつけ「あぁ~そうだった。こんな感じだった!」と
思い出すのです。

いろんな思いから、仲の良かった実家・地元を飛び出し
カナダの地まで来てしまいましたが
今ではこの町も悪くはありません。
そうなると思ってしまうのが「あと何回、親に会えるだろう。
あと何回、子どもの姿を見せられるだろう。」と
考えてしまいます。
子どもなんてすぐに大きくなってしまうのに。

そして、私は、まだカナダで何も達成してはいません。
町の新聞にも載ったし、2月には演奏会のゲスト奏者には
選ばれましたが、どれもボランティア。
私は自分でお金を稼いで自立したいのです。

いつか・・・胸をはって地元に帰る

それが今の自分の目標です。

そう思うと、「ふるさと」の隠された3番に
罪は無い気がしてきます。
今は、毎日のように口ずさむ1曲です。

いつか子どもが
「あっ、かーちゃんがいつも台所で歌ってた曲だ!」と
言うときが来るんでしょうね。

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