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『傷モノの花嫁』1~3巻感想

ネタバレ全開です。ネタバレがお厭な方はスルー推奨。


不幸な女の子が、強い男性に惚れられて、幸せにしてもらう物語

ストーリーを簡単に言うと、こういうことです。
『落窪物語』はお好きですか? 私も好きです。『落窪物語』が好きだったらこちらも楽しめると思います。
大正浪漫風なあたりが『わたしの幸せな結婚』に似てるって言われそうだけど、「閉鎖的環境から引き揚げられた度」はこちらが上だと思います。
あと、暁美姉さんの顔芸を全力で推します。

個人的推しポイント3つ

(1)暁美姉さんの顔芸がヤバい

主人公・菜々緒ちゃんのいとこで、「ヒロインを虐めぬく意地悪な女」なのが暁美姉さん。

この方、「品が無い」んですよ。
男に媚びる、連れ合いとなる男を使って自分の地位を上げる、金銭で取り巻きを作る…… などなど、「厭な女」のエッセンスを凝縮したようなお人柄で。
品の無さががっつり出ている表情を要所要所で見せてくれるんですが、それについ笑っちゃうんです。

コミックス2巻で、漫画を担当されている藤丸豆ノ介先生が
「暁美姉さんの顔芸を描くのが楽しみになりつつあって、若干危険」
こうコメントされているのですが、一読者として楽しまれている理由が分かる気がします。

(2)若様の自信がヤバい

この暁美姉さんの顔芸に匹敵するヤバさと思えるのが、若様の自意識過剰さ。

この若様と菜々緒ちゃんは幼い頃婚約していて、お互いに好意を寄せあっていた関係ですが、菜々緒ちゃんが『傷モノ』となったことで御破算となり、暁美姉さんが若様の花嫁になりました。
その後は、若様を暁美姉さんと菜々緒ちゃんで取り合う……とはならず。若様も菜々緒ちゃんを苦しめる側に回っていたという事情があります。

なのにね! なのにね!
この若様は菜々緒ちゃんが今でも自分を想っていると勘違いするわけですよ。
さらには、別の男に搔っ攫われて、惜しくなっちゃうわけですよ。

勘違いから「可愛いあの子を取り戻せ」という行動に移るのですが、傍から見てて、こいつヤバいという感想しか出てこない。

自分を捨てて他の女を抱いた男に今更恋し直すと思うなよ!!!!
そう叫びながら顔面に生卵ぶつけてやりたい。

(3)夜行様の色気がヤバい!!!!!

その菜々緒ちゃんを見出して惚れ込んだ夜行様が素敵なんです。

年上らしい落ち着きと、菜々緒ちゃんへのピュアな想いと、仕事熱心さや誇り高さがあって、どこから見てもカッコいい。
朝が苦手なのは可愛いとしか思えない。
暁美姉さんと若様に怒りの形相で対峙されるのも、カッコいいし頼もしいし、惚れ直せます。

菜々緒ちゃんに「見つけてくれて、ありがとうございます」という科白があるのですが、分かる分かるよ~とニヤニヤしてしまいました。

ねぇ。一緒にこの二人をみてニヤニヤしよう?

続きが来るぞ!

原作の友麻碧先生が小説もお書きになったので、そちらも拝読しました。

小説で物語の筋は知ったけど、やっぱり暁美姉さんの顔芸を見たいと思ってコミックスも買っちゃった。
コミックス3巻でストーリーは小説版ラストまでたどり着きました。

ああ楽しかった……と思った3巻ラストで、これまた顔芸がお上手そうな女人が御登場されまして。
今度は誇り高さからくる顔芸が繰り広げられるのではと予測
楽しみです。

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