「ちよはち商店」開店までの軌跡 vol.2 / アフリカ初上陸・日本の「当たり前」を見直す機会に
マダガスカル初上陸
「とうとうマダガスカルにきてしまった。。」
2019年10月6日、日本からいくつかのフライトを乗り継ぎ、私(田中)が初めてマダガスカル首都にある空港に降り立った際の感情です。
(首都の名前は「アンタナナリボ」といいます。特徴的で長いですよね。)
自分で選んだ道だとはいえ、高揚感やワクワク感といった心情はほとんどなく、とにかく気を張っていなければいけない、、そんなアフリカ独特の雰囲気を無自覚に感じていました。
その日のうちに国内線に乗り継ぎ、私が従事することとなるODAプロジェクトの現場のある地方都市へ移動しなければならなかったのですが、そのフライトの出発は約5時間後。
当時は国際線と国内線ターミナルが併設されていたため、入国手続きが終わった後は、次のチェックインまで近くで待機しなければいけませんでした。
周りに日本人は私以外、誰一人いません。
モワっとした湿った独特の空気が体を覆い、空港内なのに照明は薄暗く重苦しい雰囲気が漂い、明らかに空港職員ではない眼光鋭く私を見つめる沢山の(身元不明の)男たち。。しかも私の様子を伺うように、近づいてくる者もいます。
「ニーハオ! How are you? Where are you going? 」
声をかけられていても反応しないようにしていました。特に発展途上国でこういった声をかけられた場合は、関わらないに越したことはありません(残念ですが十中八九トラブルに巻き込まれます)。
この時点で既に日本から24時間近くのフライトを経ていました。
空港内で落ち着ける場所を探そうにも、大容量のキャリーケース2つに加え、ラッピングされた段ボール2つも持ち込んでいた私は、汗びっしょりの状態で国際線出口付近の壁にもたれかかりながら、3~4時間後に始まる "はず" の国内線チェックインの時間を待ちました。
(マダガスカルに限らず、途上国の、特に国内線はチェックイン時間が急に変わることが頻繁にあります)
ここまで数か月、マダガスカル赴任が決まってから退職手続きや渡航準備で怒涛のような日々を送ってからの長時間フライトで満身創痍になっていました。
そんな中、この時の自分は、「安定した生活を捨ててまでマダガスカルへやってきたけれど、この国で自分はやっていけるのか? これから生きていけるのか?」という考えまで一瞬頭をよぎりました。
国内線のチェックインも、日本の当たり前とは異なり。。
入国後の長い長い待ち時間を終え、マダガスカル国内線のチェックイン時間がやってきました。
私の番になり、カウンターでパスポートとEチケットを見せてスタッフに言われた言葉はこうでした。
「あなたは荷物が多すぎる。エクセス(超過重量料金)を "向こうで" 払いなさい。支払えばそのレシートがもらえるからそれをまたこちらで見せて」
確かに荷物が多かったので、支払いは覚悟していましたが、近くにはエクセス料金を支払えるような場所は見当たりません。
案内カウンターもなく、空港職員に場所を聞こうにも、何か含みのあるニヤッとした顔をこちらに向けてくるため、なかなか聞く勇気がでません。
結局、空港内で右往左往した結果、支払い場所を見つけてレシートをゲットできたので国内線に搭乗することはできましたが、アフリカ上陸初日で異国で生活することの厳しさを感じた瞬間でした。
私の感覚ですが、日本の空港であれば、人々がもつあらゆる疑問に対して、案内カウンター等の方々が当然のように懇切丁寧に対応して下さいます。
誰かのサポートを求めていたその時の私にとって、日本のそのような当たり前がいかに有難く、素晴らしいものなのか、痛感させられました。
(念のためですが、マダガスカル人にも親切な人はたくさんいますし、された経験も数知れずあります。)
いざ、マダガスカルのために頑張ろう
そんなこんなで、無事に国内線にも乗ることができ、目的の都市まで移動することができました。
到着後には、既に赴任されていた日本人の方と合流し、ともに夕食を食べながら、現地の生活やプロジェクトの状況等について色々とお話しました。
日本から緊張しっぱなしで張り詰めた糸が、少し緩んだ気がしました。
そこでマダガスカルに行くモチベーションとなっていた、青くさい熱い思いも復活し、気持ちを新たにしました。
「いざ、マダガスカルのために頑張っていこう」
次の日から4年半に渡るマダガスカルでの仕事がスタートします。
次回以降の投稿では、マダガスカルの暮らしの中で「ちょっと良いと感じたもの」等も紹介していければと思います。
一緒に豊かな暮らしについて考え、作っていきませんか。
ちよはち商店公式noteを今後もよろしくお願いいたします。
ちよはち商店 代表 田中
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