[アニメ感想] 86―エイティシックス―:とにかく死なないで。出会うべき人と出会って欲しい。
これは、私のイチオシアニメのひとつである。
『86―エイティシックス―』は、現実世界より科学技術がだいぶ進んでいると思われる架空の世界。
この物語の良さを語るためには、登場人物たちが置かれている状況を語らねばならないのだけど、ネタバレしすぎない程度に説明するのがけっこうムズい。
がんばって説明してみるよ。
物語は、ある人種のみが人間とされる狂気的な超差別思想により成り立つ架空の共和国から始まる。
この共和国は、敵対する帝国と長年に渡り戦争をしている。
主人公のひとりであるレーナは、共和国において、血統的に最も優れているとされる純血の白銀種であり、若きエリート軍人である。
彼女は、指揮管制官に就いて無人兵器へ指示を出し、帝国の兵器を撃退する任務についていた。
そうして我々は彼女の目を通して知ることになる。
彼らが無人兵器と呼んでいるマシンには、人間として認められていない他の人種の者たちが乗り込み、最前線で使い捨てのように無謀な作戦を戦わされているのであった。
彼らは共和国の存在しない地区 86区(強制収容所)に暮らし、86(エイティシックス)とも呼ばれる。
レーナが担当することになった86の部隊は、これまでに担当した何人もの司令官が精神を病んでしまった曰く付きの部隊で、死神の異名を持つアンダーテイカーと呼ばれる男が率いる部隊だった。
86も人間だとの思想を持つレーナは、この曰く付きの部隊とも交流を図ろうと、音声通話で毎日彼らに語りかける。
そして、死神アンダーテイカーが、自分と同じ歳くらいのシンエイ・ノウゼンという名の少年であると知るのだった。
レーナは育ちもよく、清く正しく、そして自分は差別などしないと思って生きてきたが、実際に86たちと語り合うことで、まるで現実を見れていなかったことを知って行く。
そして、86のみんなも、最初は偽善の塊のお嬢様だと思っていたレーナの熱心さや大胆さに徐々に心を開きそうになったりしていく。
ちなみに、レーナと86たちは音声のみの通信でお互いの顔はずっと知らないままに会話をしている。
この物語では、複雑な環境下における人間どおしの心の交流が細かく描かれ、がっつり感情移入させられる。
そんで、その後に、愛してしまった登場人物たちがバンバン戦地に送り出されて行くのだ。
シーズン1は本当に辛くて辛くて、観るのが辛くなってしまう人もいるだろう。
でも頑張って見続けてほしい。じゃないと浮かばれないから。
『86―エイティシックス―』は、このように感情を揺さぶられる人間ドラマに加えて、一風変わったマシンの動き、帝国軍の驚愕の真実、そして狂気にみちた世界の構造…など、次々と驚くべきことが展開され、手の汗が全く乾くことなく没頭できる物語なのである。
そして、とにかくエモし。
この二つのエンディング曲が全てを表しているとおり…、ひたすらエモい。
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