[アニメ感想] どろろ:リアルな百鬼丸に心奪われ私は帰ってこれない…
私は手塚治虫の漫画で育ちました。
私の脳味噌の大部分は手塚治虫の漫画でできていると言っても過言ではないほどに。
そんな中でも『どろろ』は私の推し中の推しなもので、なかなか見る勇気がなかった。
がっかりするのが怖かったのかな。OPが良すぎたのもあって…。
で、結果から言うと、めっちゃよかったのだ!!!
見てよかった (T T) まじでよかった。
物語の舞台は戦国時代。
盗みを働きながらたくましく生きていた孤児 どろろは、ある時、全身が作り物の体でできている謎の青年 百鬼丸と出会う。
百鬼丸は体を妖怪に奪われており、手足に仕込んだ刀を使って妖怪たちを倒し自分の身体を取り戻す旅をしている。
どろろは百鬼丸についてまわり、彼の戦いを目の当たりにしていく。
2019年版の『どろろ』と、原作の『どろろ』とでは、百鬼丸の設定が大きく違っている。
ここがミソなのだ。
原作では超能力的な力で普通に動いたり意思疎通できたりしている百鬼丸なのだが、アニメでは取り戻していない部分の感覚がないことになっている。
だから、皮膚や手足の感触などはなく、目や耳を取り戻す前には視力も聴力もなく、百鬼丸はただぼんやりと、人の気配のみを察知して暗闇の中に生きていることになっている。
そんな状態なので最初は言葉も発せず、精神も赤子のままみたいな、本当に動く人形といった感じで百鬼丸は登場する。
妖怪との戦闘においては超人的な身体能力を発揮し、無敵感ある百鬼丸だけど、通常の日常生活となるとひとりでは人間らしい生活をほぼ送れない不憫な面が残酷なまでに描かれる。
それがすごくリアルで、ここに本物の百鬼丸がいる…!!! と私は思った。
ここまで原作と違うキャラとして描かれた場合、そしてそれが超絶推しだった場合…「こんなの百鬼丸じゃない!!」ってなるのが普通なのかもしれないけど、私はこの2019年版の百鬼丸にすっかりドはまりしてしまった。
まるで実在する百鬼丸に出会えたような。
また、この物語の舞台は戦国時代であり、そこら中死体だらけ、浮浪児や手足を失った子供たちも出て来る。
戦争下の子供たちや、身体障がい者について生々しく描いているところもすごい迫力だった。
『どろろ』って原作の連載当時は、このダークで残酷な世界観のために不人気だったというけど、このアイディアやテイストは脈々と現代の漫画やアニメに受け継がれている。
時代が『どろろ』に追いついてなかったんだね。もしも今連載していたら、きっと途中で終ったりしなかっただろうな。
…そう、原作の『どろろ』は未完なんだ。
私はこの推し漫画が未完で終っていることでずっともんもんとしながら生きてきたんだけど、この2019年版『どろろ』で私のモヤモヤも晴れたような気がする。
彼らの旅路にひとつの終点をもたらしてくれて本当にありがとう…って一ファンとして感謝の気持ちでいっぱいだ。
このOPは腰抜けるほどかっこよいので必視聴。
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