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子どもより親の方がわがままなのでは?

先日ある集まりで釈放としない出来事があった。その顛末は以下の通り。

巷でおいしいと評判のあるスイーツを家族で食べに行った際、以前からその種のスイーツを苦手としていた子どもの一人(小学生)が別のスイーツを食べたがったという。よほど食べたくなかったのかどんなに言い聞かせても頑として言う事を聞かなかったらしい。

すると母親が「みんなと同じものを食べるのが当たり前。勝手な行動は許さない」と言い、それを食べないなら何も食べるなと申し渡した。父親は「そこまで厳しくしなくても」と言ったようだが母親の意思は固かった。また、子どもも中々気が強い子で意地を張り、結局何も食べなかったようだ。

その子が以前からそのスイーツを嫌いなことを知っていた私は思わず「そこまで厳しくしなくても。パパの言う事にも一理あるのでは?」と言ってしまった。するとその母親は「お前は一体何を言い出すのだ? 」という顔でこう言った。

「そんなわがままを通したら外でも同じことをするでしょう? みんなが同じものを食べている時に別のものを食べたいと言ってひんしゅくを買うような大人になってしまう。これはしつけだ」

私はその言葉にひどく違和感を覚えた。だから「そこまでして食べに行かなくても良かったのでは?」とつい言ってしまった。すると案の定彼女にはいやな顔をされてしまった。

また、一緒にいた女性(年配者)は「彼女はえらい! それに引き換えなすびさんは結構子どもに甘いのねえ」なんて言う。

でもそれはしつけとは言わないのではないだろうか?「そもそもそんなの親が我慢すれば済むことでしょう? どうして我慢できなかったのよ? 」とのどまで出かかった。

でもその母親に余計嫌な顔をされるのがわかっていたのでそれ以上は言わなかった。所詮はよその家の話。うちはうちと割り切ることにした。

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子どもが嫌いなものをわざわざ足を運んでまで食べに行く理由は「親がそれを食べたいから」だ。

また、その場で子どもが「別のものを食べたい」と言うのが「わがままで協調性がない」と思うならなぜ親もそのスイーツを食べず、毅然とした態度で「そんなわがままを言うなら今回はここで食べるのをやめましょう」と家族全員で即座に店を出ないのか? 少なくとも私は子どものわがままを容認できない時にそうしてきたのだが。

実はその理由もはっきりしている。「子どものしつけのために親がそのスイーツを食べたい欲求を我慢する」ということができないのだ。要するに、親自身が子ども以上にわがままなのだ。それでは子どもが我慢できる人になるわけがない。

子どもは親の言う通りにはならない。

けれども親がしている通りにする。

……まったく、「子どもは親の背中を見て育つ」とはよく言ったものだ

「人のふり見て我がふり直せ」。今回のことで改めてそのことを痛感した。

私自身はもう子育ても終わり手遅れかもしれないが、改めて今回気づいたことを教訓とし、これからも子どもにあまり悪い手本となるようなことをしない、つまり嫌な老人にならない努力をしようと思う。きっと今なら間に合うだろう。

#コラム #エッセイ #日記 #子育て #しつけ

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