見出し画像

パソコン通信の時代からネットの世界は「戦場」今もそれは変わらない

インターネットを始めた25年以上前からパソコン通信で見ず知らずの人と交流を行い、そこで意気投合した人と実際に会った回数もそれなりに多い。

そんな私からみれば、パソコン通信でよく起こっていたトラブルも今のSNSで起こっているトラブルもさほど変わらない。

ただ、分母となる利用者の数がここ25年で爆発的に増えた分、数の暴力ゆえの悲劇も爆発的に増えたことは間違いないだろう。

といっても、フォロワーが数百人程度であれば、トラブルに遭遇する確率はパソコン通信の頃とさほど変わらない印象もある。



昔も今も、顔も名前もわからないネットの世界は戦場だ。決して優しくもなまぬるくもない、食うか食われるかの世界。ずっと私はそう感じてきた。

ある意味、言葉もわからない海外で生活するよりキツいものがある。それが25年オンライン交流を続けてきた私の正直な感想だ。

「SNSなどで自ら発信するにあたっては、常に心の中で銃を構えるくらいがちょうどいい」

私の書き込みにキツい口調が多いのは、たぶんそのような気持ちが常に心の片隅にあるからだろう。もちろんそれがいいことだとは決して思っていないが。



私自身、過去の交流においては数回深刻なトラブルに巻き込まれた。時には警察に相談したこともある。

アカウントを消してしばらくなりを潜め、ほとぼりが冷めてから新しいアカウントを作ることもあった。

特にダメージがひどかったのがネットユーザーとしての経験が浅かったパソコン通信の頃だった。(SNSでも炎上の経験はあるがそれほど堪えてはいない)

パソコン通信には、こちらが新参者だと知るやしつこく言いがかりをつける悪質な輩がそこそこおり、連日個人メッセージやメールで言いたい放題の罵詈雑言を送られたこともあった。

私が参加したニフティのフォーラムはSNSよりクローズだったので、攻撃の手口も陰湿かつ悪質だったと記憶している。

個人を特定されて家の周辺をうろつかれ、警察に相談したのもその頃だった。ただ、当時は警察もその手のトラブルには慣れていなかったらしい。実に頼りない対応だった。

もはや頼れるものはない。自分で自分を守るしかない。そう思うようになったのは、パソコン通信で経験したそのようなトラブルのせいだと思う。

思わぬところから弾や爆弾が飛んでくる恐怖も、パソコン通信が教えてくれた。

その教訓のおかげで、私は現在SNSで炎上しても持ち堪えていられるのだろう。



異なる背景や思想、価値観を持つ不特定多数の人間が集まる以上、どれほど注意しても人間関係のトラブルは避けられない。ましてや、顔や本名すらわからないオンライン上であればなおさらだ。

それが苦痛になった場合はそこから距離を置くのが鉄則。もちろん正常な判断力を保てているうちに……だ。

ネットの場合はアカウントごと消し去るのが手取り早い。そうすればフォロワーとの関係が切れ、それに伴うトラブルやストレスからも遠ざかることができるからだ。

私自身も過去ずっとそうやって自分の心と体をトラブルから守ってきた。でなければ、とっくにおかしくなっていただろう。

(ついでに言えば、オフラインの付き合いでも「まずい」と思ったら極力相手との関係をリセットし、それが難しい場合は大きく距離を置いている)



どうしてもアカウントを消したくない場合は、ロム専アカウントにする方法もある。

ただ、心身を病むほどストレスになっている場合はやはりアカウントごとリセットする方がいい。身近な人がそれで悩んでいれば、絶対それを勧める。

もちろん、アカウントごと消したところで、自分の書き込みやアカウントの履歴が完全に消えることはない。

しかし、少なくとも理不尽な攻撃やさまざまな軋轢によるストレスを最小限にとどめることはできる。私も過去そうやって自分を守ってきた。

何もおかしくなるまで我慢することはない。無責任な付き合いができるネットこそ、困ったらさっさとその場から退散した方がいいに決まっている。

重ねて言うが、四半世紀前からネットの世界は戦場だ。今もそれはまったく変わらない。

一見優しい世界に見えることもあるが、それは幻想にすぎない。そう思っていればネットの付き合いに多くの期待をせずに済むし、期待を裏切られた時のダメージも小さいだろう。

現在脅威となっているコロナ禍のせいで、ネットの「戦場」はますます戦況が悪化し、致命傷を負うリスクが上がっている。

そんな中、私たちは改めてネットの世界との距離を見直した方がよさそうだ。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?