須藤賢一さんと島みやえい子さんが新たに結成したユニット「SUDOMIYA」(ハートカンパニー)で思い出した、あの歌のこと
4月21日のstand.fm「音楽熱想」生放送にて、須藤賢一さんと島みやえい子さんによる新ユニット「SUDOMIYA」が発表されました。
今回はその中で特に島みやえい子さんについて語ります。と言うのも、彼女がかつて歌った「ある楽曲」がずっと私の心の奥底に残り続けており、それがこの新ユニット結成のお知らせによって呼び覚まされてしまったのです。
▼下記はSUDOMIYA結成後に公開された1コーラスデモ曲です。
音楽熱想ってなに?
音楽プロデュース企業である株式会社ハートカンパニーがstand.fmにて毎日放送を行なっているトーク番組です。日替わりで同社所属のアーティストや社員、業界関係者、そして社長(斎藤滋さん)が音楽業界に関する話だったり自社プロデュース事業だったりパーソナリティーの人生哲学だったり日々のよもやま話だったりについて語っています。
SUDOMIYAってなに?
ハートカンパニー所属のアーティスト、須藤賢一さん(ピアノ・コーラス)と島みやえい子さん(ボーカル)によって結成された音楽ユニットです。生放送での発表によれば、島みやえい子さんが昨年の音楽熱想フェスのことを斎藤社長に尋ねたことがきっかけで結成に相成った模様です。
須藤賢一さんはかつて茅原実里さんのバックバンド「CMB」においてキーボード兼バンドマスターを務めた実績があり、現在はTime Capsule Orchestraにて同様に活躍しておられます。
島みやえい子さんはかつてI'veという音楽制作プロダクションでボーカルを担当し、ゲームやアニメなどにおいて数多くの楽曲を残されました。
まずは楽曲を聴いてみよう
論より音楽。まずは聴いてみるとしましょう。
結成発表直後に公開された1コーラスデモ「羊はゆっくり目を覚ます」です。
ピアノの伴奏とボーカルのみの構成。一見静かに見えつつも激しさを感じさせるサウンドです。流石、ハートカンパニーが持ってくる音楽は一筋縄ではいきません。
歌詞の内容もなかなかに考えさせられます。安穏とした現状を生きる者たちを柵の中の羊にたとえ、其処は本当に安全が保証された約束の土地なのかと様々な言葉で警鐘を鳴らします。そしてサビでこう来るのです。
ちょっと気になってきていませんか?
いま聴けば、貴方はいま結成されたばかりのSUDOMIYAの歴史の1ページに触れたことになります。斎藤社長がよく言われることですが、最初は1度しかありません。SUDOMIYAの最初の生き証人になってみませんか?
時のかけら
…ところで私が何でSUDOMIYAにそんなに肩入れしたnoteを書くのかについて疑問に思う方もおられましょう。正直に言ってしまうと、私も最初聞いたときは「ふーん」くらいに思っていたんです。
須藤賢一さんは茅原実里さんのライブでおなじみです。演奏技術のみならずアーティスト(茅原実里さん)に対するフォローなど素晴らしく、人間としてもできた方だと思っています。
島みやえい子さんは…えーと、確かどこかで聞いたことあるぞその名前。何だっけ、何だっけ…?ほらあの人だよ。うーん記憶がどうもいまひとつ定かでないなぁ…。でも思い出せないってことは、どうせたいしたことじゃないんだよきっと。
そんな風に自分を誤魔化し、SUDOMIYAのこともその辺にほっぽり出して、いつもの日常を送っていたある日のこと。
私は偶然、寝しなの習慣でザッピングしていたYouTubeで「それ」を見つけてしまったのです。
記憶の底に沈んでいた、時のかけらを。
そこに「島みやえい子」の名前を見つけたとき、私は轟く雷鳴を目の前にした幼子のごとく、震えが止まりませんでした。
何故、私は忘れていたのだろう?
あれほど愛してやまなかった作品の主題歌を。
何十回、いや下手をすれば百回くらい聴いたかも知れないあの曲のことを。
「奈落の花」
その歌のタイトルは「奈落の花」。
我が国におけるサイコホラー&ミステリーコンテンツの金字塔とも言える作品「ひぐらしのなく頃に」。そのアニメシリーズの解答編にあたるタイトル「ひぐらしのなく頃に解」のオープニングテーマとなっている楽曲です。
ちょ、ちょっと待って!!私、決して「奈落の花」を忘れてたわけじゃないのよホントに!!ただこの歌詞があまりにも強烈な印象に残り過ぎていて、歌ってた人が誰なのかまで気に留めなかっただけなんですよたぶん。歌詞を書いた人っていうんなら忘れなかったんだってばさきっと!!
…と思ってもう一度YouTube動画をよく見ると「作詞:島みやえい子」って思いっきし書いてあるじゃん!!
ど、どうか、オヤシロさまの祟りだけは…。
うわあぁぁぁぁぁぁ!!!!!
大事なことなのでもう一度貼り付けました。
「ひぐらし」をご存じない方もぜひ聴いてみてください。
「奈落の花」は凄い歌です。私は以前のnoteで「昔ながらのアニソンとここ近年のアニソンの傾向の違い」(アニソン境目問題)について語ったことがあるのですが、そういう意味では「奈落の花」はどちらかというと旧来のアニソンに近いです。なぜならあの歌詞から「ひぐらし」世界のことしか想像しようがないからです。
何度も何度も繰り返される惨劇の世界。そんな中でも希望を見出さんと精一杯足掻く者たちを島みやえい子さんは「奈落の花」と呼んでいます。そこに向かって張り裂けんばかりの心の声で放つメッセージ。
歌詞はこのあとにこう続きます。
「ひぐらし」の物語をご存知の方なら、彼ら彼女らがどれほどまでにこの世界にからめとられ、惨劇の主人公として奈落に咲き誇ってきたかがお分かりだと思います。砕け散った時のかけらは次なる惨劇の舞台なのか。その輪廻に対し「そこじゃない!そこは貴方の咲く場所じゃない!」とどんなに叫んでも当の本人たちにはまるで届かない。そんな現実を叩き付けられるような楽曲、それが「奈落の花」です。
ただし「ひぐらし解」の世界には希望があります。そこにいる登場人物がすべての謎を解き、すべての状況において適切な判断をすれば運命を打ち破れるという真の正解が。そう、この歌は単なる絶望の叫びのみならず「運命を乗り越えて!」という祈りを込めたメッセージでもあるのです。
「ひぐらし解」はTVアニメだと全24話なので、少なくともこの話を観た者は最低24回は「奈落の花」を聴いたことになります。私のようにひとつの話を何度も繰り返し観た人なら、その倍以上聴いていてもおかしくありません。
そうするとどうなるか。
付いてくるんですよ、「奈落の花」が。
作中のオヤシロさまの祟りとやらのように。
いつでも耳に残っていて、どこに行って何をしていようとも「奈落の花」が頭から離れなくなるのですよ。
最近は聴こえなくなっていたのですけれども。
SUDOMIYAをきっかけに思い出してしまったじゃないですか!!
どうしてくれるんですか斎藤さん、責任とってください!!(←逆恨み)
あ、それと。
「ひぐらし」の歌と言えばこれも島みやえい子さんです。
原作では「出題編」と呼ばれている…言うなれば物語の前編にあたるシリーズです。世間的にはこっちの方が有名かもしれません。
こちらは物語がすべて惨劇で終わるため、これを見て懲りた人が次の「解」を観なかったせいで「奈落の花」はいまいちメジャーじゃないのかも(絶対それ考え過ぎか気のせいです)。
でも、と私は声を大にして言いたい。「ひぐらし」は「解」を観ないと本当に作者が伝えたかったことが分からないんですって。いつか「ひぐらし」の真面目な考察書きますからね本当に。私「ひぐらし」のことならひと晩中でも語り通せますから!(それなのに島みやえい子さんのことを忘れてたのは人としてどうなのか)
そんなこんなで、SUDOMIYA注目してみます!
ということで、私の中の封印が解かれてしまいました。
本来なら私の今年のGWはリゾート地にでも行ってパリピなバカンスを満喫するつもりだったのに、ふと気が付けば背後の視線を気にしつつ夜な夜な「ひぐらしのなく頃に解」の動画を見返しているという休日を送ることになってしまいました(注:適当に誇張していますw)。
そこで私に残された問題は
「で、SUDOMIYA結局どうすんの?」
ということになろうかと思いますが、こういうのも何かの縁なのでしょう。いますぐ応援するとは約束できませんが、とりあえず今後とも注目していきたいアーティストとして心に留めておきます。私が「ひぐらしのなく頃に」そして「奈落の花」好きだったからつながったみたいな縁ですけれども。
そんなSUDOMIYAは今年の秋に開催されるという「音楽熱想フェス in 河口湖2023」に出演されるとのことです。
SUDOMIYAは9月9日(土)夜公演ですね。まだチケットの価格とか出てないから確かなことは言えないのですが、ちょっと前向きに考えていることは確かです。
これワンチャン「奈落の花」歌ったりしないかなぁ。島みやえい子さんがハートカンパニー所属のときの楽曲じゃないから無理かもしれないけど、YuReeNaさんだって前回のフェスで以前の持ち歌とか歌ってたし。ちょっとこれは言うだけ言ってみる価値あるかも?ということでstand.fmのおたよりコーナーからダメモトでリクエストしてみました。もしSUDOMIYAがほんの少しでも「奈落の花」検討してくださるなら、私は確実にこの公演取りにいきます!作詞&歌った人忘れてたのに本当に恐縮ですが、あの歌は私にとって本当に大切な1曲なので。
ちょっと久々に音楽関連で熱く語っちゃいました。
皆様もよろしければ、SUDOMIYAの始まりに注目してみては。
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