「みなみけ」私的考察~Mixa Animation Diary『みなみけ』開催記念記事②
本記事では「みなみけ」(桜場コハル原作)のテレビアニメ版に関する筆者の雑感をお届けします。私的考察なので過度な期待はしないでください。
前回は3月20日(日に開催される)イベントMixa Animation Diary『みなみけ』のご紹介ならびに作品のレビューをお届けしました。「みなみけ」って何?という方はまずこちらからお読みいただけることをお勧めします。
1.物語としての三姉妹
三姉妹というのは、その存在自体が物語を生み出す原動力たり得ると思っています。
近年はジェンダー的な問題もあってこの呼称にも物言いが付くのかなと思いつつも、それでも私は女3人がひとつ屋根の下で集まって一緒に暮らしてる日常ってドラマだと思うのですよ。女3人寄れば「姦しい」って言いますしね(この言葉もそのうち狩られるのかな)。
物語の作者はよく「キャラクターが勝手に動き出して物語を作ってくれた」と言いますが、そういうのを期待できるのはキャラクターに恵まれてこそ。「みなみけ」三姉妹は各々が見映えのする個性を備えているうえに、放っておけば好き放題動き回り、笑い、泣き、怒り、どつきあいしてるかのよう。だから「みなみけ」はおもしろい。冒頭でアナウンスされている通り、平凡な日常を描いているだけなのに引き付けられる。見ても見ても、次の話が見たくてたまらない。桜場コハルさんはよくもこんなかっぱえびせんみたいな作品を生み出してくれたものだと思います。
そこで思ったのですよ。これやっぱり三姉妹だからなのかなと。
たとえば同じように姉妹がドタバタを繰り広げるギャクコメディー漫画作品の「あさりちゃん」(室山まゆみ作)は二人姉妹です。こちらも押しも押されぬ人気作品ですが、「みなみけ」と同じように楽しめるかっていうと私的にはちょっと違うのですよね。
どうしてそう思うのかって言うと、あさりちゃんは強者(姉のタタミ)と弱者(妹のあさり)のヒエラルキーが前面に出過ぎてしまっているからじゃないのかなと。「みなみけ」に置き換えるとあさりが夏奈みたいなキャラで、タタミは春香の実権と千秋の頭脳を兼ね備えている(しかも春香みたいに優しいわけではない)みたいなもので、これではあさりに分が悪い。だけどそれが二人姉妹の限界なんじゃないのかなと思います。上か下かしかない世界なら、その中で各々の役割を演じざるを得ないわけですし。
でもこれが三人だったらどうでしょう。長女の下に妹が二人いる世界では、姉は単に立場が一番上というだけではなく、そのコミュニティ(三姉妹)の管理責任者みたいな立場にならざるを得ません。そして次女は姉を立てつつ妹の相手もするといったような中間管理職的な立場となり、妹は二人の姉から面倒をみてもらいつつ育つが、一番下という立場ゆえに自己主張が極めて強くなる…といったように、それまで「上か下か」しかなかった世界が、突如として役割を伴った「社会」になるのです。
(注記:ここに書いたことはモデルケースであり、一般的な三姉妹に当てはまるものであるとは限りません)
このことが明白に描写されているのが「うちの3姉妹」(松本ぷりっつ作)です。もともとは作者の子育ての日常を綴るブログからはじまり、やがて漫画、アニメ化に至った作品だけに、三姉妹のリアリティがまるで違います。この話では長女フー(愛称:おっぺけぺー)はかなりマイペースで突拍子もない性格ですが、それでも親に代わって妹二人の面倒をみる立場。次女のスー(愛称:リベロ)はちょっと困ったちゃんな印象の自由人。三女のチー(愛称:社長)は最も小さいので面倒を見てもらう立場…というふうに、役割分担が育ち方とワンセットで成り立ってしまっているのです。
同様のことは「キャッツ♥アイ」(北条司作)でも言えます。こちらは怪盗チームなので三姉妹の社会組織化がさらに洗練された形で体現されており、司令塔の長女(泪)、現場実行隊長の次女(瞳)、技術担当の三女(愛)というおおまかな役割分担のもとプロジェクト(美術作品の奪取)の達成を目指します。ここでも三姉妹ならではの育ち方が役割分担に反映されており、「みなみけ」に重ね合わせてもさほど違和感がないように思えます。
総括すると、三姉妹が各々の育ち方や役割に基づいて生きる世界は、それ自体が既に物語なのであると言うことができるのではないかなと。枝葉末節を切り落として言うと次のようになります。
三姉妹は、その存在自体が物語なのだ
と。乱暴な結論と言われるかもしれませんが、「みなみけ」を視聴して私はそんなふうに思うようになりました。
2.親はどこでどーしてる!?
あぁ言っちゃったよ!!誰もが思っていたけれど決して口にしなかったその疑問、聞いちゃいますか??ねぇ?ねぇ!?
南家には親が登場する場面が一切ありません。
(これは「もうひとつの南家」もそう)
注記:これを書いている現時点で当方が参考にしているのは「みなみけ」第1期~第4期のテレビアニメ版とコミック1~3巻+最新刊の一部、そして「みなみけ」設定資料集、ウィキペディアですが、いずれも本記事に書いた以上の事柄について南家の親に言及した部分は見受けられませんでした。
描かれないだけで本当はそこにいる…というわけでもないようです。というのも、家事全般を長女の春香が対応しており、そのために彼女がバレーボール部に入ることができないということになっているためです。
(「もうひとつの南家」では次男のナツキが食事担当をしており、このためにバレーボール部の練習にほとんど出られないことになっています)
つまり、いないんですよ。親。
少なくとも育児に参加できるようなところにはいない。
親がいないのに衣食住には不自由せず、学校にも通えてる。
これはいったいどうしたことか。
三姉妹が住んでいるのはそれなりに良さそうなマンションで、しかも年がら年じゅう誰かしらが遊びに来ており、来客に晩ご飯を振る舞うことも決して珍しくはありません。
学校は三姉妹とも制服があるようなところ(公立か私立かは不明)。
極端に贅沢をしているわけではなさそうですが、お金に困っているような感じにも見受けられません。
お金回りのことから考えると、どうも三姉妹が両親不在の孤児とか、奨学金で生き永らえているとかではなさそうな気がするんですよね…。
以上のことから考えると、いくつかの推論が導き出せます。
① 両親は他界しているが、三姉妹が暮らしていくのに困らない程度の遺産が残っており、その貯蓄または運用にて暮らせている
遺産の資産運用…春香ならそれくらいやりそう…?
② 両親は海外で仕事しているなどの事情により一緒に住むことが出来ず、三姉妹に生活費を送金している
これが一番、みなみけ世界でありそうなのですが…。
③ 両親が離婚。父親が親権を取り三姉妹と暮らす。母親は養育費を振り込む関係。その後父親が他界。母親は戻らないが養育費の振り込みは継続
なんでこう思ったのかと言うと、第1期3話で春香が千秋に父親のことを言うシーンがあるのです。藤岡の雰囲気が父親に似ていると。
春香は父親のことを知っているが千秋は知らない。
春香は高2で千秋は小5だから、2人の年齢差はおよそ6年分。
いや、千秋が物心付くまでにかかる年数も見たら8年くらいか?
そのおよそ8年間くらいの間に、父親になにかあったのだとしたら…?
な~んて想像もしてしまったりするのですよ。
あと南家の親族関係を推理する手掛かりとしては「タケルおじさん」という親戚の方がいるのですが、彼について分かっているのは「母親のお姉さんの息子さん」ということだけなので、母親がどこでどうしているか分からない以上、このことからこれ以上なにかを導き出すのは難しそうです。ちなみにこの情報は春香がどこかに電話して教えてもらった(第1期7話)のですが、どこに電話したのかが気になります。もしかして母親…?いや、敬語を使っていたからそれはないか。
いずれにせよ、ここに書いたことはぜーんぶ邪推です。
仮に作者の桜場コハルさんに「南家の両親はなぜ出てこないんですか?」って聞けたとしても、きっと返ってくる答えはこんなところではないでしょうか。すなわち、
出てくる必要がないから。
きっとそうだと思いますよ。
だって前章で書いたように、三姉妹で物語が回っちゃってるんだから。
だから、出す必要がない。
もし「みなみけ」が、三姉妹に両親がいないという事実にことさらスポットを当てて話を作っちゃったら、さっき私が書いたような遺産だったり親権だったり養育費だったりみたいな問題がいっぱい出てくるはず。でもそんな話は「みなみけ」じゃない。そこらへんはきっともう、私らが見えないところで解決済みなのです。だから話題に上がることもないし、話題にする必要すらない。きっとそれがこの話の結論です。
分かってたけどねー、それが結論だって。
でもここは「みなみけ」を見た人が誰しも引っかかるところだと思うので、あえて自分なりの邪推を書いてみました。
よろしければ皆様の邪推も聞かせてくださったら嬉しいです。
3.アニメ第2期は失敗なれど駄作に非ず
テレビアニメ版「みなみけ」は大きく次の2つに分類することが可能です。
・第1期と第3期(おかえり)~第4期(ただいま)
・第2期(おかわり)
以上の2つです。本章では第2期について語ります。
この第2期「みなみけ~おかわり~」は、第1期「みなみけ」の後番組として放送開始されたのですが、これがそれまでの「みなみけ」の良さをことごとく破壊したとして、猛烈なバッシングの嵐にさらされました。
いわく、
「それまでのみなみけとは打って変わってシリアス路線に転向した」
「それに伴って全体的に雰囲気が暗めになった。むしろ鬱になった」
「季節も全話を通じて冬であり、雪も積もって暗さに拍車をかけた」
「美術的には絵柄が一変し、不自然なリアルさが強調された感じに」
「オープニングテーマとエンディングテーマも雰囲気が違いすぎる」
「物語に直接関わらないモブキャラの姿が真っ黒に塗りつぶされた」
「さらに暗い雰囲気を持つ隣人フユキが南家の隣に引っ越してきた」
「隣人フユキはオリジナルキャラで原作にはこんな奴は登場しない」
「だいたい冬キャラは冬馬がいるのに、原作ちゃんと読んだのか?」
「フユキの行動の影響で春香の妹達に対する風当たりが強くなった」
「そのため南家の雰囲気がギスギスし出し、後味の悪い話が増えた」
「そしてフユキはあれだけ世話になった南家に挨拶もせずに消えた」
「みなみけには第2期なんて、そもそも存在すらしなかったんだ!」
…と、ネットの水底に沈殿する怨嗟の声をまとめるとまぁこんな感じです。嘘だと思うなら「みなみけ 2期」とでも検索してみてください。
一応「みなみけ」テレビアニメ版を第1期~第4期まですべて視聴した私からみても、これらのことはおおむね事実としか言いようがありません。
見てない方に分かりやすく例え話で説明すると、
サザエさんだと思って見たものが実はエヴァンゲリオンだった
みたいな感じですかね?分かりづらければ
弥次喜多珍道中だと思って見たものが実は忠臣蔵だった
でもいいかも。同じようなことを言ってるのでお好きな方で。
とにかく「みなみけ」ファンが見たいと思っていたような世界をことごとく破壊し、期待を裏切った作品であることは間違いありません。そのあまりの酷さに「みなみけ~おわり~」なんて言ってる人もいるくらいです。終わらずに第3期以降が作られたことはまさに奇跡と言って良いでしょう(しかもテイストを元の「みなみけ」に戻した!)。
だけれどもです。
ここまでボロカスに書いておきながら、実は私、第2期好きなんですよ。いや、先ほどまで書いてたことはすべて私なりにその通りだと思っています。そのうえで、アニメ作品としての「みなみけ~おかわり~」には、これはこれで見るべき価値があると思っているのもまた事実です。
前述したように、オリジナルキャラのフユキが登場したことによってみなみけ世界の様相は一変します。みんなが面倒くさがることを積極的に引き受けるフユキの存在は、どうしたってだらけがちな南家と対比的な意味を持ってしまいます。そこで春香は妹2人に言うのです。「明日は町内清掃に参加せよ」と。「お隣の冬木くんだって参加してるそうよ?立派だと思わない?」という言葉がこれに続き、愚図る夏奈を一喝して強行します。これでフユキに対して良い感情を持てという方が無理でしょう。
これを機に春香の妹たちに対する風当たりがどんどん強くなっていきます。
清掃をサボッて遊んでいた夏奈と千秋にご飯抜きを宣言する春香(第2期4話。でも2人はそれまで真面目にやっていたわけですし、なにもそこまでしなくとも…とは思います)。
そして最も春香の恐ろしさが如実に出たのが、夏奈と千秋が春香のプレゼント用のアクセサリーを壊してしまったときの話(第2期5話)。千秋と夏奈は結託してごまかそうと画策するのですが、結果的にバレてしまうことに。
春香:全部聞いたわよ…。
千秋と夏奈に対する春香の怒りの形相。
暗闇の中で猫のように光る眼。
氷のように冷たい声。
暗い玄関で正座したまま泣きじゃくる千秋。
震え上がる夏奈。
夏奈:ぁ、、、ぁ、、、。
春香:私は別に、これを壊したことを怒ってるわけじゃないのよ。分かるわね?
確かにあれは2人の行動が駄目過ぎたとはいえ、あの春香がそこまで怒りを露わにするのかと思わずにはいられませんでした。
この回は後味こそ良くないものの、その凄みは冗談抜きで背筋が凍るものがありました。春香も、夏奈も、千秋もです。通常の話では出てくることのない南家の暗黒面。それは第2期のテイストでなければ絶対に出てくることがなかった類のものでしょう。
そして次の回(第2期6話)、かねがねフユキを良く思っていなかった千秋がついに爆発します。
千秋:来たければ来ればいい。何故素直に言わないんだ。
フユキ:そげな…僕は別に…。
千秋:お前見てるとイライラするんだよ。
フユキ:(小声で)そげんやったら、ほったらかしとってよ。
千秋:はぁ?(そう言ったあと、雪玉を冬木にぶつけながら)言いたいことがあるならはっきり言え!
このやりとりのあと2人はヒットアップし、やがて春香と夏奈が割って入って雪合戦に発展するのですが…あそこまで感情をむき出しにした千秋もまた第2部以外では見られないものです。
問題人物のフユキは最終話の直前にいきなり姿を消すのですが、これだけ荒れた話にも関わらずラストは感動的な締め。どう感動的かはネタバレになるので言いませんが、私はエンディングで泣きました。春香を巡って発生したある問題…これに春香はどんな答えを出したのか。そして千秋がある日帰宅して見つけた1枚のハガキ。フユキから届いたメッセージを見たときの千秋の表情がなんとも…。あぁ、いろいろぶつかったりもしたけど、千秋なりに受け止められたんだな…って。
もちろんこういうテイストの話は「みなみけ」のゆるゆるな日常とは相容れないものであり、それゆえに第2部があそこまで批判されたのは至極当然のことと言えます。まったくもって弁護のしようもありません。
でも、第2部が存在しなかったら描かれることのなかった「みなみけ」の姿がそこにあるのもまた事実なのです。まぁ、モブキャラを黒く塗ったことについてだけはどうにかしろよと思いますが、それでも私はこれはこれで評価したいと思います。「みなみけ」としては失敗作だけれどもアニメ作品としては駄作ではなく、むしろ別の観点から切り取った南家を描きだしてくれた稀有な作品であったのだと。
このことで「みなみけ」ファンの皆様と対立するつもりはありません。ただ私は「第1部と第3部~第4部も好き、だけど第2部も好き」というだけです。ひねくれ者と言われようと、私は自分の涙にまで嘘を付けませんので。
4.茅原実里と水樹奈々と南條愛乃
声優の話をします。
「みなみけ」には茅原実里と水樹奈々と南條愛乃が声優としてキャスティングされています。
この中で茅原実里は南家三姉妹の三女である千秋を、水樹奈々は「もうひとつの南家」の末っ子である冬馬をそれぞれ演じています。冬馬は同じ小学校のクラス違いという設定であり、第1期10話の初登場以来、ほぼレギュラーとして出てくるようになりました。そのためクレジット表示には南家三姉妹と並んで「南 冬馬 水樹奈々」が表示されています。
声の出演
南 春香 佐藤利奈
南 夏奈 井上麻里奈
南 千秋 茅原実里
南 冬馬 水樹奈々
南條愛乃は第4期から「みなみけ」に参加。頼みごとが上手でちょっと天然入った夏奈のクラスメート、ミユキを演じています。
茅原実里と水樹奈々と南條愛乃。
アニメや声優界隈の事情に多少なりとも詳しい方には説明不要でしょうが、この御三方は声優としてのみならず歌手としても名を馳せた兵たちです。3名とも声優兼アニソン歌手として出演代表作やウリとなるアニメ主題歌を持っており、各々アルバムを発売したりライブツアーを行なったりして、それなりの規模にてファン層を獲得しておりました。
「みなみけ」放送に至るまでの御三方の状況を確認してみましょう。
この中で最も歌手デビューが早かったのは水樹奈々です。2000年「想い」で歌手デヒューして以来、タイアップものやシングルなどのヒットを続け、2005年に発売された「ETERNAL BLAZE」(通称「エタブレ」)あたりからオリコン上位の常連となっていきます。また同年1月には日本武道館でのコンサートを成功させました。
「みなみけ」第1期が放送された2007年時点ではシングル16枚、アルバム7枚、ライブ12ツアーを行なっています(デビューから2007年までの累計)。そして「みなみけ」第3期が行なわれた2009年には、ついに声優初となる紅白歌合戦への出場を果たすこととなりました(以後6年連続出場)。
「みなみけ」メンバーで次に歌手デビューを果たしたのは茅原実里。こちらは2004年にアルバム「HEROINE」(キングレコード)をリリースしました。しかしその後が続かず、次に本人名義で音楽活動を再開したのは2007年、ランティスより発売されたシングル「純白サンクチュアリィ」であり、これが茅原実里の音楽活動における事実上の原点となっています。
そして同年に単発ライブを行ない、秋には1stアルバム「Contact」を発売(オリコンチャート初登場11位を獲得)。それまでの不遇を一気に巻き返すかの如き猛攻を見せました。「みなみけ」第1期は2007年10月~12月の放送なので、これらの音楽活動の合間を縫うように収録が行なわれていたものと思われます。
私はこれまで、アーティストのライブにちょこちょこ足を運んできましたが、その歌声やパフォーマンスを観る度、いつか茅原実里のライブをここで実現させてやるって思っていました。
(茅原実里「Message04」/ブログ「minorhythm」2005.1/2 より)
2005年1月、水樹奈々の武道館ライブを観てこのように綴った茅原実里は、この5年後(ランティスでデビューしてから3年後)、ついに2010年「Sing All Love」追加公演という形で日本武道館に立つことになりました。そこに運命的なものを感じずにはいられません。
こんな2人が同じスタジオでアニメの収録してたりするわけですから、もう観てる方は気が気じゃありません。千秋(茅原実里)は冬馬(水樹奈々)を自分の弟だとか言ってめちゃくちゃ偉そうに振る舞いますからね。まぁアニメの役柄なわけですから、どんだけ失礼なことを言おうとも文字通り無礼講なのは分かっているのですが…。
そして時は移り2013年。第4期「みなみけ おかえり」にてついにもうひとりの兵、南條愛乃が降臨します。
彼女の音楽活動は水樹奈々や茅原実里からさらに後の2009年(「みなみけ」で言うと第3期が放送された年)、 八木沼悟志が旗揚げした音楽ユニット「fripSide」の2人目のボーカルとしてデビューしたのが始まりのようです。同年にリリースされた「only my railgun」があまりにも有名で、この楽曲の大ヒット(オリコン初登場3位を獲得)により注目を集めることとなりました。この曲はアニメ作品「とある科学の超電磁砲」のオープニングテーマなのですが、その主人公の御坂美琴の声が「みなみけ」春香役である佐藤利奈という、なんだかちょっと不思議なつながりがあったりもします。
この翌年、2010年に南條愛乃は「ラブライブ!」の声優ユニットμ'sのメンバーとしても活動を開始(このμ'sは2015年になんと紅白歌合戦出場を果たすのですが、残念ながら南條愛乃が身体の故障により出られないことに…)。2012年にはソロ歌手として1stミニアルバム「カタルモア」をリリース。一方でflipSideとしての活動も絶好調で、同年に2都市2公演のライブツアーを敢行しています。「みなみけ」第4期は2013年1月~3月の放送なので、これらの音楽活動の合間を縫って収録に参加していたのでしょう。そして同年5月には「sister's noise」(「とある科学の超電磁砲S」テーマソング)をリリースし、この曲で南條愛乃初のオリコン1位を獲得する…といった流れです。
茅原実里と水樹奈々と南條愛乃。
よくもまぁこんな凄い顔ぶれをひとつのアニメに揃えたものです。
お互いの仲はどうだったのでしょう。
和気あいあいの現場なのか、それとも一触即発か。
声優たちの中には仲良くつながっている方々もいたりしますが、この3人が当時(いや今も)どんな仲だったのかは分かりようもありません。ましてや同じアニソン歌手として競合する間柄。昔の芸能界を見ていた者としては、ついつい松田聖子と中森明菜みたいな構図を想像していらん心配をしてしまいます(という例え話をするなら南條の位置はキョンキョンあたりか?)。少なくとも「お互いまるっきり意識せず」ってことはたぶんないだろうな、という想像くらいはつくのですが。
そんな筆者の邪推とは裏腹に、アニメの中では千秋と冬馬はとても仲良しです。他者に対してちょっと構える傾向が強いものの、冬馬に対してはとても無邪気な一面を見せる千秋。いつも妙に大人びている千秋が童心に返るあの表情は「みなみけ」を見ていてちょっとほっこりする場面です。演じている2人もそうだったらいいのにな、とちょっと思ってしまいます。
南條愛乃の演ずるミユキは夏奈のクラスメートであるためか、千秋や冬馬と絡む場面がありません(同じ場所にいるシーンならあるのですが)。そういうシーンもあったら素敵だったのになと声優萌えな私なんかは思ってしまいます。収録は一緒に行なわれているのかな?南條さん先輩2人と仲良くやれているのかな?なーんてついつい気になってしまう私なのでした。
外野が心配したって始まらないとはいえ、こういうのもアニメの楽しみ方。皆様も声優に注目してアニメ見るようにすると、アニメが何倍、いや何十倍も楽しく観られるようになりますよ…?
5.本当は怖い南春香
南家の長女である南春香は優しいです。ものすごく優しいです。その優しさたるや菩薩の生まれ変わりか、さもなくばマザーテレサのごとしです。あれは南家における慈愛の女神であり、世のすべてのおうちにとって究極のお姉さん像と言っていいでしょう。VIVA!ハルカ姉さまっ!!
春香の優しさが際立つエピソードをひとつ紹介しましょう。「みなみけ」第1期の9話にて夏奈は自分が食べたい(けど自分じゃ作れない)という理由から、「ハルカに日頃の感謝の気持ちを込めて」と千秋をたきつけてケーキを作らせます。そしてそのケーキを味見と言って全部食べてしまった夏奈。泣きながら抗議する千秋。「2人の気持ちだけで十分だから…」と言う春香を前にして、自責の念からテーブルに顔を突っ伏して泣きだす夏奈。
夏奈:ハルカ、お前は本当に嫌になるほどいい奴だよ…。だけど、もっと嫌な奴は…私だ…。気が済むまで殴るといいよ!!
千秋:上等だ!バカ野郎ー!!
春香:千秋、千秋。もういいから…。
夏奈:ぅぐっ、ぅぐっ…(テーブルが涙で洪水になる)
春香:なんか…もう泣いてるから…。3人で、作り直そ?
なんなのこの女神…。
このように「みなみけ」の話は夏奈や来訪者がなんかしらやらかし、千秋も巻き込まれ、ドタバタな有り様になったところに春香が登場してその状況をうまくまとめる的な話が多いです。目の前で夏奈がちょっとくらい暴走していても、千秋が夏奈をどつき倒していても、来訪者がワイワイガヤガヤしていても温かく見守っている南春香。まさしく南家の女神です。
しかし油断してはなりません。
南春香は怖いです。「みなみけ」全登場キャラの中で最も恐ろしい人物は彼女だと言っても決して過言ではありません。迂闊に怒らせると女神の裁きが下ります。夏奈もそれを分かっているから基本的には従順なのですが、それでもたまにブチ切れさせてしまうことがあります。
その恐ろしさが最も顕著に出てくるのは本稿第3章で書いた第2期5話のアクセサリー壊してごまかそうとした事件のときですが、これについては既に書いたので割愛しましょう(あぁ怖かった、一番何度も見直したよ…)。
もうひとつハイライトシーンをあげると第3期4話でしょうか。食事の最中にちょっとヒートアップしてしまい、取っ組み合いを始める夏奈と千秋。そこに遊びに来た冬馬が見たものは…。
春香:まだ食事中でしょ…?
夏奈:ご、ごぇんなさぃ…
春香:ごちそうさま、したの?
千秋:まだでした…
春香が両腕をクロスさせ、ミシミシと不気味な音を立てながら夏奈と千秋の顔面をそれぞれの手でわしづかみにしている光景でした。
それを見た冬馬は思わずこうつぶやきます。
冬馬:あれは…夏奈が以前言っていた…春香の必殺技、アイアンクロー、フロムキッチン対面式…!!
こんな技の名前が存在するくらいだから、きっと過去に何度もこんなことがあったのでしょう。女神の怒りは恐ろしいのです。
さらに春香は自分の名誉を傷付けたり、自分を裏切る者に対して容赦がありません。「もうひとつの南家」の南ナツキ(春香の1年後輩にあたる)は初対面のときにマキに押された反動で春香の胸に顔をうずめてしまうハメに。これに対して春香は、
春香:一応ケジメつけないと、お互いスッキリ収まらないでしょ。いいかな?
と、ナツキの顔面に拳をお見舞いします。アクシデントとは言え、ケジメはきっちり取る。それが春香流です。
この後、南ナツキは春香にたびたび相談する仲になるのですが、冬馬に対するクリスマスプレゼントのことで相談を受けながら実行しなかったナツキに対して(鋭い効果音と共に)こう一喝します。
春香:私にプレゼントどうするか相談しといて、勝手にやめちゃうの?
ナツキ:今晩…今晩枕元に置きます!
大概のことに動じないナツキもこれには恐れ入ったようで、翌日には冬馬へのプレゼントが用意されるのでした。
春香は決して怒鳴り散らすタイプではありませんが、ひとたび怒ると周りの空気を凍り付かせるような凄みがあります。これは春香役の声優である佐藤利奈の演技の凄みでもありましょう。彼女はアニメ作品「とある~」シリーズにて超電磁砲の能力を持つ中学生、御坂美琴を演じているのですが、これもまた怒ると地の底から響くほど低い声で呟きながら周囲に電撃をほとばしらせる凄まじい少女でありました。普段はお人好しだけれどやる時はやる、そして怒らせると怖いあたり、春香と御坂には相通じるものを感じます。
もしこれをお読みの貴方が「みなみけ」で春香のファンになったのなら、同じ声優が主人公を演じる「とある科学の超電磁砲」も見てみることをお勧めします。そうすれば貴方も、怒れる春香の後ろに電撃が見えてくるかも…?
話が逸れました。まぁでも、怒らせなければ本当に優しいハルカ姉さま。普段優しい人ほど怒らせたら怖いって言うしね。なのでいつまでも春の香りのように温かい彼女の優しさを見ていたければ、千秋のように敬いましょう。触らぬ女神に祟りなし。
6.本当は優しい南千秋
南家の三女である南千秋は怖いです。何気に怖いです。その冷ややかな目線と容赦のない悪態は姉の夏奈だけでなく、千秋が「バカ野郎」と見なしたすべての者に対して放たれます。あれは南家におけるソクラテスであり、世のすべてのおうちにとって油断のならない末っ子像と言っていいでしょう。Oh,My god!お願いだから機嫌直して千秋~!!
千秋の怖さは「みなみけ」初っ端の第1期1話から放たれます。春香に頼まれて晩ご飯の準備をしようとしたものの、冷蔵庫の中身を見てやる気を失くした夏奈に対して次のように言い放つ千秋。
千秋:料理に必要なのは腕だ。愛情と、いい食材がそれに続く。しかし、お前は腕はおろか、愛情はゼロ、食材でごまかすのも不可能ときたら、エゴの固まりの生ゴミになること請け合いだな。
…これ、妹(小学5年生)が姉(中学2年生)に言ってるんですからね?
合理主義の千秋は出前を取ろうとするが、メンツだけは人一倍ある夏奈がこれを阻止。かくして夏奈の発案でホットケーキを作ろうとするが(それ晩ご飯ちゃうやろ…)、食材の分量を間違えまくったあげく闇鍋くらいの勢いでいろんなもんをブチ込んだ結果、出来たのはクリームシチューのように見えるなにか。そこに帰ってきた春香が見たものは…。
千秋:ほら、飲んでごらん。クリームシチュー。ほら!おかわりもあるからクリームシチュー。
夏奈:ぅぅ…ごめんなさぃ…
この特別視聴版で第1話のエピソードを見ることが出来ます。このあと晩ご飯は優しいハルカ姉さまが作り直してくれたのかな。
千秋の悪態は学校でも容赦ありません。以下は第1期2話より、クラス掃除中のやりとり。
千秋:さっき、掃除はチームでやるものだと言ったよな?
マコト:おうっ!
千秋:まさにその通り。たかが掃除とは言え、気を抜けばどんな惨事をチームにもたらすか、分かっているのだろうな?
マコト:あぁ、いるとも!そりゃっ!!
(マコト、力余ってホウキでホコリを千秋に浴びせてしまう)
千秋:ケホンケホン………。お前、バケツに水汲んでこい。
マコト:はいっ!………汲んできましたー!!
千秋:立ってろ。
マコト:はいっ!
さすが、自分で自分のあだ名を「姫」と付けるだけのことはありますな。
攻撃力も非常に高く、姉の夏奈を鉄拳でシバキ倒すこともしばしば。愛用のクマのぬいぐるみ(名前は「ふじおか」)はぶつけられた相手を一撃で昏倒させる恐るべき威力を秘めています。あのぬいぐるみ、頭部に鉄か鉛の固まりでも仕込んであるんだろうか…?
そんなドツキ漫才のような南家ですが、たまに夏奈が具合が悪くなることがあったりします。そんなときは、千秋も放っておけず夏奈を診ることに。
夏奈:千秋、バカが風邪を引いて不思議か?
千秋:バカは体調管理できないから風邪をひくんだ。
(そう言いながら、夏奈の頭に冷やしたタオルを乗せてあげる千秋)
夏奈:どちらにしろ、私はバカだと…。そーですそーです。バカですよー。
千秋:バーカ。
夏奈:おーし、いいだろ、これから私はあっと言う間にウイルスをやっつけて、そのあとお前のほっぺをもてあそんで、ごめんなさいと言わせてやるんだ…私の復活を楽しみにしていろよ…うふふふふ、あはははは…うっ、ゴホンゴホン…!
千秋:熱が上がるよ。あんまり怒ると。
夏奈:千秋…ありがとぅ…もういいよ…ずっとついててくれなくても。そろそろあんたの好きなテレビの時間だよ。
千秋:テレビなんか、どうでもいいよ。
夏奈:…!!
千秋:お前が…辛そうにしているのを見てると…テレビよりおもしろい。
第1期9話より、ちょっと長いのですが引用させていただきました。私の中で「みなみけ」で最も好きな場面です。このあとはいつものように千秋と夏奈のじゃれ合いが始まるのですけれども…。
これ絶対に千秋は夏奈のことが心配で心配でたまらなかったんだと思うのですよ。いつもの元気な夏奈になってほしくて、でも素直に言えなくて。だからこんな言い方をしたんです。これは千秋なりの精一杯のエール。大丈夫、起き上がって応戦する夏奈も心の中では分かってるはず。自分の妹が見たいテレビを放っておいてまで自分のそばにいてくれることの意味を。
このシーン見返すといつも泣きそうになる私です。いつもバカ野郎だなんだと悪態ついている千秋ですが、心の中では夏奈のことを大切に思っているんだなって。口では「バーカ」って言うけれど、そこにどれだけの愛情がこめられているのかと思うと…。あまりうまく言えませんが、家族っていいもんだよねって思います。
第3期6話にはこんなシーンもあります。夏休みの宿題をギリギリまでサボっていたクラスメートの内田に対し、千秋は取り付く島もありません。
千秋:私は頼られるのは好きだが、あてにされるのは嫌いなんだ。
しかしそうは言ったものの、いよいよ困っている内田を見るに見かねてか、千秋はそっぽを向いたままノートを差し出します。
千秋:丸写しはダメだ。適当に間違えろよ。
マコちゃんには(私だって鬼じゃない。内田がよーく反省したら、答えを見せてやろうと思っている)とこっそり言っていた千秋。実際内田が反省していたのかは謎ですが、なんだかんだ言っても困ってる友人を放っておけないのが千秋の人の好さ。それにしても「私は頼られるのは好きだが、あてにされるのは嫌いなんだ」って名言ですよね。仕事でもこう言ってやりたい奴が山ほど…おっと口が滑りました(笑)。
前章でハルカ姉様は「とある」の御坂美琴に相通じるものを感じるって書きましたが、千秋は同じ声優(茅原実里)が演じた中だと誰に近いだろうか…と考えてみました。「涼宮ハルヒの憂鬱」の長門有希か「らきすた」の岩崎みなみかでちょっと悩みましたが、淡々とした口調、明晰な頭脳、豊富な知識量、クールでドライな性格などを考慮すると、やっぱり長門有希寄りじゃないのかなと思います(注:「憂鬱」の方ね)。
いざというときには助けてくれる頼りになる存在という点においても、両者は共通するものがあるように感じます。千秋が大人になったら、有希みたくなるのかな…?なーんて。
頭のツノが象徴しているように少なからずとんがっている千秋ですが、それでも彼女の周りから人が絶えることはありません。それは「隠された彼女の優しさ」をみんなが分かっているからなんじゃないのかなぁ。なんか「みなみけ」らしからざる話のまとめ方ですが、たまにはこういうのもね。
ということで、ここまでお付き合いしてくださった方は本当にありがとうございました。とりあえず今回の考察は次章でいったん打ち止めとします。
7.実は「みなみけ」が苦手でした
ここまで「みなみけ」について熱く語ってきてお前いまさらなに言っちゃってんのって話ですが、実際そうだったのです。実は私、みのりん(茅原実里さん)が声優で主役やってるからっていう理由で「みなみけ」見始めたのですが、正直当初は第1期の5話目くらいまで視聴してそこから見るのをやめてしまってました。
理由は、千秋がどうしても苦手だったためです。
そこには私の育ちが深く関係しているかもしれません。個人的な事情なのでこれ以上は言及しませんが、千秋の姉(夏奈)に対するあまりにもな態度、言葉の暴力、場合によっては言葉だけじゃない暴力etc…に、私の心が耐え切れなかったのでしょう。
そりゃ確かに夏奈はポンコツだよ?
姉として、いやむしろ人としてどうかと思うよ?
だけど、自分の姉だよ?
自分の方が圧倒的に正しくて、しかも頭が良かったら、姉に対してどんなひどいことをしてもいいの?
そんな風に思ってしまった私は、それでも5話分くらいは頑張って見てましたが、次第に辛くなって見るのをやめてしまったのです。
千秋を演じているのがみのりんだからと言うのもあったかも知れません。
これがまだ別の声優だったら割り切って見続けられたかもしれなかったのですが、自分が最も応援している声優がよりによって自分の苦手な人物の役をやってるところを目の当たりにすることにはやはり抵抗があったのです。
(もうこれ以上、みのりんの演ずる千秋を観るのは耐えられない)
そんな理由で、私の中の「みなみけ」には一度封印がなされました。
封印を解くきっかけになったのはこれです。
Mixa Animation Diary『みなみけ』
3月20日(日)池袋のHall Mixaで開催!!
配信チケット販売中です。
私のnoteのいろんなとこで書いてますが、みのりんは昨年末をもって歌手活動を休止されました。それに伴いファンクラブも終了し、ニコ生でやっていた放送も終了となりました。
もうしばらくお姿を拝見することも声を聴くこともないんだな…と、少しナーバスになりかけていた2022年の初春にこのお知らせです。
しかも池袋と言うのはほとんど私の地元です!
みのりんが、、、我が地元の池袋に降臨なさる…!!
そりゃ行くよ!行くでしょ!!
万難を排して!!
絶対にッ!!
かくして封印は解かれ、魔王千秋が再びこの世界に蘇ったのです(笑)。
「みなみけ」のイベントに行くのにどんな話か分かりませんでは失礼ってもんでしょ。食わず嫌いはやっぱよくないよーって再び観始めてしまうんだから、人間ってのはゲンキンなものですよね。前に観た話もすっかり忘れてしまっていたので、第1期13話分をほぼイッキ観したのでした。
いやもうね。
目からウロコっていうけど、私の目からはなにが出たのだろう。
とりあえず涙は出たかな。千秋が夏奈を看病するシーンで「テレビなんか、どうでもいいよ」と言ったときは本当に泣きました。千秋いい奴やん!いままで邪険にしててごめんよ!やっぱりみのりんが演ずる千秋は最高だ!!
それとともに、真の魔王は千秋ではなくて実は春香だったということも次第に分かってきました。
いやホントに、ちょっとムカっときたときのハルカ姉さまのあの低音ボイスはマジで心臓に悪い。あれを聴くたびに佐藤利奈がとある世界では超電磁砲と呼ばれていることを思い出してしまいます。
とにかく観ていくうちに登場人物のイメージがどんどんアップデートされていくのが「みなみけ」世界の奥の深いところ。冷徹に見えるけど本当はお人好しな千秋。バカに見えて(いやバカなんだけど)実は意外と周りを見てる夏奈。単に優しいだけの存在ではなく真の意味で一家を統率するリーダー春香。ガサツさが目に付くけど実は裁縫名人の冬馬。女装が板に付きつつも早く引退したいマコちゃん。千秋の慈悲は次はないからね内田。内田をちゃんと見ててね吉野。熱血と優柔不断が同居してる藤岡。そんな藤岡にいつまでも告白できないリコ。たまには怒るよ100点少女ケイコ。実はできる子魔性のお願い少女ミユキ。もうひとつの南家随一の良心アキラ。実は何気にトラブルメーカーのマキ。空気のような存在感が素敵ですアツコ。そのジュースどこで売ってるんですか速水。お前もう少しだけ空気読もうなナツキ。そんなナツキに想いを馳せる少女ヒトミ。せめて歌でも歌って家を盛り上げろ南ハルオ。財布の中身は大丈夫かなタケルおじさん。南家との想い出を忘れないで達者でなフユキ。そして安定のキモチワルイ保坂…。
みんなみんな、大好きだよ!!
そんなこんなで、見始めた当初の思いはどこへやら。すっかり「みなみけ」にハマってしまったあげく、第1期~第4期まで駆け抜けてしまい、その勢いに任せてこんなnoteを書いちゃいました。私がこの作品に触れるきっかけをくれたみのりんに、そしてここまでハマるきっかけをくれたミクアニに、この場を借りて感謝の気持ちをお伝えする次第です。
でも今回書き切れなかった積み残しのネタもあったりします。原作の漫画もまだそんなに読んでなかったりしますし(桜場コハル先生ごめんなさい)。いつかまた気持ちが高ぶってきたら「みなみけ考察~おかわり~」と称して本記事の続編を書いてみたかったりします。
なにはともあれ、これで3/20(日)のイベントに臨む準備ができました!!次回のみなみけnoteではMixa Animation Diary『みなみけ』 のレポートをお届けするつもりです。どうか過度な期待はせずにご注目を。